平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

江~姫たちの戦国~第22回「父母の肖像」

2011年06月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 今回は上手い。
 茶々(宮沢りえ)と秀吉(岸谷五朗)、初(水川あさみ)と京極高次(斎藤工)。
 この幸せそうなふた組の夫婦を見て、寂しさを感じる江(上野樹里)。
 自分も姉たちの様になれるのだろうかと思う。
 そして肖像画の父・浅井長政(時任三郎)と母・市(鈴木保奈美)の夫婦の姿。
 これを見て、江はさらに自分の将来の夫に思いを馳せる。
 そこへ満を持して将来の夫・竹千代(向井理)の登場。
 この語り口が上手い。
 幸せな夫婦たちと寂しい江との対比の中で、うまく将来の夫を登場させている。

 今回は様々な伏線も張られている。
 まずは秀吉の狂気。
 子供・鶴松のために秀吉は様々な惨殺を行う。
 これは将来の朝鮮出兵への伏線か?
 つまり、愛する子のために朝鮮を手に入れたいと将来、秀吉は考える。
 何しろこの作品の秀吉は、茶々を手に入れるために関白になろうとする秀吉ですからね、子のために朝鮮をと考えてもおかしくない。

 竹千代に関しても意外な描かれ方。
 竹千代は何やら父・家康(北大路欣也)に反感を持っている様子。
 これは将来の関ヶ原遅参の伏線か?
 つまり、竹千代(後の秀忠)が関ヶ原で遅参したのは、父への反抗・豊臣を滅ぼすことへの反対の意思表示だった。
 この作品では、彼を無能には描けませんからね。これなら関ヶ原に遅れてきたことに説明がつく。

 ということで、今回は見事な語り口。
 僕もほめる時にはほめるんです。
 まあ、語り口が上手いだけで、感動とかハラハラドキドキしたとかではありませんけどね。

 それと茶々の宮沢りえさんがいい。
 <豊臣の妻>になる前の茶々は何と退屈なキャラクターだと思っていたが、<妻>になった後は、秀吉や子を見つめる表情が大きく変わっている。イキイキとしている。
 なるほど、それまで退屈だったのは、現在の姿とのメリハリをつけるためだったのか。

 今後はこのくらいのクォリティでやってほしいです。


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JIN-仁- 第9話~非情なり、歴史の修正力!

2011年06月13日 | 大河ドラマ・時代劇
★今回は<歴史の修正力>の話。
 仁(大沢たかお)がどんなに歴史に抗おうとしても、<修正力>は辻褄を合わせようとして来る。
 今回のラストで、龍馬(内野聖陽)が斬られたことも、もともと仁が恭太郎(小出恵介)や東(佐藤隆太)を助けなければ起こらなかったこと。
 つまり龍馬が斬られたことは、遠くさかのぼって、仁先生が間接的に起因している。
 そして、おそらく仁がこの世界にいなければ、恭太郎や東は既に死んでいて、今回の件には関わらず、龍馬は近江屋で見廻り組に殺されていたのであろう。

 非情ですね、歴史の修正力は。絶対に辻褄を合わせて来ようとする。

 これはペニシリンや仁友堂についても言えること。
 今回、三隅医師の陰謀で、きな臭い雰囲気。
 このままペニシリンや仁友堂は弾圧され、やがて忘れ去られ、歴史においてなかったものにされてしまうのかもしれない。

 となると、仁先生の疑問が再びよみがえってくる。
 「人は歴史の修正力の前には無力なのか?」
 「人の運命というものは決まっていて、あらゆる努力は徒労なのか?」
 そして「自分は何のためにこの世界に来たのか?」
 これらの疑問に対する答えをこの作品はどう用意するのか、実に楽しみだ。

★後は細かい部分。

 「龍馬さんはあん…」で例の頭痛が起きてしまった仁。
 これに対して咲(綾瀬はるか)は後日「あんは暗殺の暗ですか?」と尋ねる。
 聡明ですね、咲は。
 これで仁は<龍馬暗殺>のことを他人に伝えることが出来た。

 龍馬の新政府構想の建白書の○○○についても新しい解釈。
 この作品では、○○○は西郷たちに「一橋慶喜」の名前を言わせるための策略だったらしい。
 昨年の「龍馬伝」では、○○○は「みんなで合議して決めろ」みたいな解釈だった。
 いずれにしても、龍馬の建白書の○○○は、日本史のミステリーひとつである。

 それと今回、龍馬がかんざしを買っているシーンがあった。
 これは何かの伏線か?
 そう言えば、この頃、龍馬はお龍さんと結婚しているはずだが、この作品では彼女の陰はない。
 龍馬は船で世界をめぐって、様々な女性とアバンチュールしようとしている。海縁隊だし……。

 最後は龍馬が恭太郎に叫んだせりふ。
 暗殺に成功しても失敗しても恭太郎は死のうと思っている。
 それに対して龍馬は一喝!
 「それより他に道はないんかい!?」
 龍馬は死よりも生きる道を選べと言っている。
 人生の岐路において、第三の道は必ずある。 


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AKB48総選挙③~前田敦子、大島優子対決

2011年06月12日 | アイドル
 AKB48選抜総選挙、前田敦子、大島優子の対決。
 今回は前田さんの勝利で終わったが、壮絶なライバル同士のドラマ。
 スポーツなどでは<ライバル対決>はあったが、芸能の世界で今まで見られることはなかった。しかもファン参加型。
 この点が斬新だ。
 <ファン人気投票>でなく、<総選挙>としたネーミングもお見事。
 しかも今回は新たに<神7><神の7人>なる言葉もメディアに登場して、話題を加速させた。
 実に上手い。<神7><神の7人>なんて、すごくアニメ的ですし。
 この<神7>はファンが作った言葉ですよね、プロデュース側が仕掛けた言葉ではない。
 こんな形で言葉の拾い方も上手い。
 
 さて、前田・大島対決。
 2位の大島優子さんは語る。
 「第三者はいろいろなことを言います。何千枚もCDを買うのはおかしいとか、選挙は1人1票じゃないか、とか。でも私たちにとって票数は愛なんです」
 総選挙を批判するオトナたちへのアンサー・メッセージ。
 大島さんは、そうしたオトナたちとも闘っていた。そして、このメッセージを送った。
 これは高橋みなみさんと違った形の、AKBを守ろうとするリーダーの言葉。
 大島さんは今回終始、理性的だった。

 一方、前田敦子さん。
 すごいプレッシャーだったんでしょうね、過呼吸で言葉をしぼり出してコメント。
 でも、心の底からしぼり出した言葉は伝わる。
 前田さんの中では、様々なものが渦巻いていたのだろう。
 「こんなに支えてくださっている皆さんがいるのに、どこか孤独を感じていました」
 「私のことを嫌いな方もいると思います」
 「優子には、この1年間、1年間とはいわず、ずーっと、ずーっと、みんなを引っ張ってくれたのは私じゃなくて優子だと思っています。優子には、今も勝てたところがあるとは思っていません」
 <孤独><自分は嫌われている?><劣等感>
 これらは、誰もが多かれ少なかれ日常生活で感じていること。意識はしていなくても人間が心の奥底に抱えていること。
 それがあの様な形でしぼり出された。
 すごい言葉だ。どんな作家にも書けないせりふ。
 誰もが抱えている想いだからこそ、前田さんの口から発せられた時、すべての人が共感する。
 これがライブ、演劇の力でもある。
 演劇を研究している方はぜひ今回のことを分析していただきたい。

 そして、前田さんは自分の中に渦巻いていたものを吐き出して、こう結論づける。
 「1つだけお願いがあります。私のことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください」
 「(大島さんに)これからも変わらずAKB48を一緒に支えてくれたらうれしいです」
 ここで前田さんは内に向いていた言葉が外に向かう。
 外と繋がろうとする。
 外と繋がることで、孤独から抜け出ることが出来る。

 これに対する大島さんのコメントもすごい。
 「あっちゃんがAKBの顔です。一緒に前を向いていきましょう」
 前田さんは、自分の様に先頭をきってグループを引っ張っていくタイプではないが、<AKBの顔>という役割がある。自分なりの方法でAKBを守ってくれればいい。「私のことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください」と語った様に、グループへの愛は、前田さんに十分過ぎるくらいあるのだから。
 大島さんは前田さんからの問いかけにこう答えている。
 「あっちゃんがAKBの顔です。一緒に前を向いていきましょう」はシンプルな言葉だが、実に奥が深い。

 これらのすごい言葉を言えてしまえる所が、前田敦子さん、大島優子さんがAKB48のツートップである所以であろう。


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AKB48総選挙②~名言集

2011年06月11日 | アイドル
 様々なドラマを生んだ第三回AKB48選抜総選挙。
 そのメンバーの受賞コメントもすごい。

 まず、今回19位から9位へ大躍進の指原莉乃さん。
 「私は自分に自信がありません。ダンスも歌も下手だし、かわいくないし……。本当にかわいくないし」とネガティブキャラ炸裂。
 しかし、「誇れるものが今まで何もなかったけど、4万何千票が誇りです」としっかり言い切った。

 7位の高橋みなみさん。
 「努力は必ず報われる! そのことを私は自分の人生で以て証明してみせます!」
 すごい。
 自分がアイドルとして何を表現すべきかを既に把握している。
 芸能人とは自分のパフォーマンスで他人に何かを伝える人。
 たかみなは「努力は必ず報われる」ということを伝えたい様だ。
 彼女は人生論者ですね。これからの発言にも注目。

 6位の小島陽菜さん。
 「すごくやる気が出てきました。私はすごくスロースターターで遅いかもしれないけど、本気で頑張ります!」
 本気で頑張ります!←今までは本気じゃなかったのか! とツッコミを入れたくなってしまう所が、天然キャラ小島さんの魅力。先程の高橋みなみさんとは対照的。
 でも、グループには小島さんみたいなキャラも必要。本気の彼女を見てみたい。

 3位の大躍進の柏木由紀さん。
 「速報3位と聞いた時、恐れ多かったけど、メンバーが頑張る姿を見て、向上心を持ち続けなければいけないと学びました」
 「なぜか雑誌の取材などで(上位の)7人が呼ばれて、切られることが多かったから、どうやったら認めてもらえるか考えてやってきました」
 以前も書きましたが、ゆきりんは積極的に前へ前へと出て行くタイプではない。
 3位よりは8位ぐらいの立場の方がいいと考える現状維持タイプ。
 しかし、こういう想いを抱えて頑張って来たんですね。
 ということで、今回の結果が彼女をどう変えるか?
 そんな一方で、彼女の基本スタンスはこうだ。
 ゆきりんはコメントの最後でこう語った。
 「AKB48の一員として活動でき、本当に幸せで楽しいです」
 自分に与えられた現在を大事にして楽しむこと。
 上へ上への向上心も大事だが、現在を大事にする姿勢もひとつの哲学だ。

 そして前田敦子さん、大島優子さんの対決。
 これについては明日書きたいと思いますが、最後に19位の横山由依さん。
 順位が発表されて壇上に上がった時、腰が抜けて、スタンドマイクを杖にしてやっと立っている。
 腰が抜けるほどの喜びというのを初めて見た。
 誰よりも印象に残った。
 こういうシーンを見られるのも総選挙の魅力。


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AKB48総選挙~がんばれ、ゆきりん!

2011年06月09日 | アイドル
 本日18時より、AKB48総選挙開票。
 現状では、1位・大島優子、2位・前田敦子、3位・柏木由紀、4位・高橋みなみ、5位・渡辺麻友、6位・篠田麻里子、7位・指原莉乃、8位・板野友美、9位・松井玲奈、10位・小島陽菜……。

 この総選挙について、秋元康総合プロデューサーは、朝の「めざましテレビ」でこう語っていた。
 「緊張感がない所に成長はない」
 順位を競う総選挙を行うことで、メンバーに緊張感を持たせようというわけだ。
 これに関連して高橋みなみさん。
 「自分の立ち位置がわかることで、もっと頑張ろうという気持ちになれる」
 たかみならしい。秋元康さんの意図もしっかり理解している。

 さて、僕の推しメン、ゆきりんこと柏木由紀さん。
 昨年の8位から急上昇して、今年は現状で何と3位(暫定)!
 すごく嬉しい。
 昨日のCS・ファミリー劇場での政見放送(総選挙に臨むすべてのメンバーが意気込み、ファンへのメッセージを語る番組)では、次の様な演説をしていた。

 「アイドルに一生こだわっていたい」
 「だから黒髪のストレート、眉も自然に。痛いキャッチフレーズ(「寝ても覚めてもゆきりんワールド、夢中にさせちゃうぞ!」)も言い続け、コンサートカメラの位置も確認してアピール。メイキングカメラでは積極的に話しかける様なことをして、恥ずかしながらこだわってがんばっている」
 「これからはAKB48を引っ張っていける様な存在になりたい。そんな自信を持てるようになりたい」

 昨年までのゆきりんは積極的に前に出ないタイプ。
 それがチームBのキャプテンになり、ユニット・フレンチキスの活動を始め、「一生アイドル」という覚悟を決めて、少しずつ変わってきた。
 先程の演説の中にあった「コンサートカメラの位置も確認してアピール。メイキングカメラでは積極的に話しかける」などがそうだ。
 だが、こうした行動について、「恥ずかしながら」とつけ加えることも忘れない。これがゆきりんらしい。
 そして、こうした前に出る積極性が、今回の8位から3位アップ(暫定)に繋がった。

 南海キャンディーズの山里亮太さんは、ゆきりんの握手会での伝説エピソードについてこんなことを語っている。

 握手会に来た受験生。
 ゆきりんに「がんばって下さい」と言って欲しいと頼む。
 受験生は恥ずかしくて目を合わせられず、うつむいている。
 そして間。
 いつまで経っても「がんばって下さい」と言ってくれない。
 不安になって顔をあげてみると、やっと「がんばって下さい」と言ってくれた。
 ゆきりんは、目を見て「がんばって下さい」と言いたくて、受験生が顔をあげてくれるのを待っていたのだ。

 これが、ゆきりんである。
 こんな感動の瞬間を与えられたら、その受験生は一生忘れられないだろう。

 さて、総選挙。
 今回はどんなドラマが待っているのだろう。
 AKBに興味のない方も、ぜひこのドラマにご参加を!
 テレビでは、「なるほどハイスクール!」(日本テレビ・19時)、「有吉AKB共和国(TBS・深夜0:55)にて開票速報が行われるとのこと。
 お祭りは参加している方が楽しい。


※追記
 総選挙の結果、ゆきりんは速報の時と順位は変わらず、見事3位!
 躍進の原因として、ワイドショーやスポーツ新聞が<握手会などでの誠実さ>をあげているのが、逆にうれしい。


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江~姫たちの戦国~第21回「豊臣の妻」

2011年06月07日 | 洋画
 茶々(宮沢りえ)を許すことが出来ない江(上野樹里)。
 そんな江に様々な人が語りかける。

 京極龍子(鈴木砂羽)は「いた仕方ありません」
 秀勝(AKIRA)は「心安らかに」
 初(水川あさみ)は「男と女は解せぬもの」

 彼らは、どうにもならないことなら、それを現実として受けとめて心穏やかに生きろと暗に諭している。
 怒りや憎しみに囚われて大事なもの、つまり姉の茶々を失うなと語っている。
 そして、これらの発言のベースにあるのは、<現実の肯定>である。
 現実を否定すればするほど、人は怒りや憎しみを募らせ、どんどん袋小路に追いやられていく。

 北政所(大竹しのぶ)はこう語る。
 今回のことで嫉妬する自分に「おのれの小ささ、醜さを感じた。しかし、それも女心、それも私、大事にせねばな」。
 これも<現実の肯定>。
 北政所は、嫉妬する自分、小さくて醜い自分、それらをすべて肯定した。
 この結果、彼女は「役目の異なる豊臣の妻」という結論を見出した。
 怒りや嫉妬に囚われていては、この結論にたどり着かなかったであろう。

 そして江。
 北政所たちとの話を通して、こんな結論を見出した。

 「うらみや憎しみをひとりの赤子がぬぐい去ってくれた」

 江は理解したのだ。
 姉がひとつの命を宿したことは素晴らしいことだ、と。
 憎しみをぶつけるより、いっしょに喜ぶことの方が幸せなのだ、と。

 怒りや憎しみに囚われてしまうと大事なものが見えなくなる。
 現実を肯定することによって見えてくるものがある。

 今回はそんなお話。
 ドラマとしては相変わらず薄味ですけどね。
 江が「うらみや憎しみをひとりの赤子がぬぐい去ってくれた」という結論に至る過程の描写も今ひとつ説得力がない。
 あるいは、このドラマ、何かが足りない。
 何かひとつ調味料が加わることで、変わってくる気もするのだが。
 それは秀忠(向井理さん)の登場なのかもしれない。


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JIN-仁- 第8話~人の中には様々な人の想いが詰まっている

2011年06月06日 | 大河ドラマ・時代劇
★「JIN」の登場人物たちは皆、必死に闘っている。
 野風(中谷美紀)は新しい命をこの世に残すために。
 仁(大沢たかお)と咲(綾瀬はるか)は野風と子を守るために。
 龍馬(内野聖陽)は新しい日本のために。

 必死に闘っているから、せりふのひとつひとつに力がある。

 「この子は何でも出来る。天を駆ける鳥のごとく生きていける。どうかあちきの夢を奪わんでくれなんし」(野風)
 「この子を抱くまでは決して死にんせん」(〃)
 「泣きなさい! 泣きなさい!」(咲)
 「あの方に誰よりも幸せな未来を差し上げて下さい」(〃)
 「来たーーーっ! やったぜよ、先生。夜が明けたぜよ~~!」(龍馬)
 「天は乗り越えられる試練しか与えないんじゃないのか!」(仁)

 ドラマの登場人物たちは闘わなければならない。
 悩み、時に道に迷い、自己嫌悪に陥りながら闘っていく姿に見ている者は力を与えられる。

★帝王切開の出産シーンはすごくリアル。
 考えてみれば、腹を切られて広げられるんですからね、自分に当てはめてイメージしてみれば……。
 普通ならお茶を濁して描きたい所。
 しかし、この作品では逃げずに描いた。
 結果、ひとつの命が誕生する崇高さみたいなものも感じた。
 ひとつの命は、野風を始めとしてこんなに沢山の人の想いを背負って生まれてくるのだ。
 人の中には、愛や喜び、様々な人の想いが詰まっている。
 人はそうした想いの総体だ。
 だから、決しておろそかにしてはならない。

 自分や他人の中にはこうした様々な人の想いが詰まっている。
 こういう想像力をもって日々を生きていきたい。


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菅総理の自己愛

2011年06月05日 | 事件・出来事
 菅総理は<自己愛>のすごく強い人なのだと思う。
 「リーダーシップがない」「あなたのせいで震災復興が進まない」、あげくの果てに「最低人間」と人格に関わることまで言われて、菅さんは葛藤したに違いない。
 「そんなことはない。多少のミスはあるが、それは未曾有の災害だからで、もう少しすればきっちりやれるはずだ。自分が非難されるのは、自民党や小沢一郎が政局絡みでいろいろなことを言っているからだ。自分はこの難局を必ず打開できる。打開して、自分を批判したやつらを見返してやる。それをバネにして、自分は消費税も財政赤字も福祉問題も解決してみせる」
 こんなことを考えたのではないか?
 まさに<自己愛人間>の展開である。
 自分を客観的に見ることが出来ない。自分はすべてにおいて万能なのだと思っている。
 <自己愛>は多かれ少なかれ人間の中にあるものだが、普通は「自分は人を引っ張っていくことは苦手だな」とか「自分の言葉は誤解されやすいな。心がないな」とか自分の欠点に気づく。
 その上で、身の処し方や行動を決めて生きていく。
 人を引っ張っていくリーダーシップがないのなら、リーダーの仕事をやらない。あるいは誰かにその部分を任せたり、ナンバー2の参謀の地位に留まってリーダーを補佐していく。
 菅さんには<自己愛>が強いため、こうした発想がない。
 だから自分を批判する人間には批判で返す。反論する。言い訳する。「おっしゃるとおり」と言いながら心の奥では「そんなことない」と考えている。そして排除する。
 自分で何でもやりたがる。自分の考えに固執する。

 大きな器のリーダーとは、批判する人間をも取り込める人間だと思う。
 自分の行動に対して批判を受けたら、「なるほど。そういうやり方もあるな」と修正できる能力、あるいはその批判した人を見極め、本物だと思ったら全面的に任せられるような度量。
 そして、これは自分が大したことのない人間だとわかっているから出来ること。

 まあ、総理の仕事は孤独だとは思いますが、菅さんは総理の器ではない。すごく子供だ。
 心理学者のどなたか、こうした菅さんの心象を分析していただけないだろうか?


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仲里依紗さんの魅力~幸せになろうよ

2011年06月02日 | 監督・俳優・歌手・芸人
 仲里依紗さんを面白い女優さんだな、と思ったのは、桑田佳祐さんの「本当は怖い愛とロマンス」のPVに出演している彼女を見た時。
 桑田さんが、♪ 女って怖~い ♪ と歌うと、メイド服姿の仲さんが、大口開けてカッカッカッと笑うのだ。
 何とも不思議でコワイ映像。

 そして月9「幸せになろうよ」の仲さんが演じる桜木まりか。
 実に人間っぽい。

 春菜(黒木メイサ)の新しいマッチングの相手をまりかは紹介していく。
 まりかにしてみれば、春菜に新しい相手を見つけて、純平(香取慎吾)と春菜がくっつくのを阻止したいのだ。
 だが、その紹介相手に純平(香取慎吾)は悉くイチャモンをつけていく。
 心臓外科医は土日が勤務だからダメ。クラシックが趣味の飲食店経営者は、趣味にお金がかかり過ぎるからダメ。年収一千万の建設会社社員は、浮気癖があるからダメ。
 このダメ出しに対するまりかのリアクションが面白い。
 心臓外科医の時は、愛想笑い。
 飲食店経営者の時は、チッ!と舌を鳴らす。
 建設会社社員の時は、愛想笑いの後にファイルを机に叩きつける。

 純平と春菜が公園でお互いの気持ちを確認し合うと、サングラスをかけて遠くから見ているまりかは「イチャイチャしやがって!」

 こういうコメディ・リリーフ的な役を演じられる役者さんは、男優さんには多いが(例えば、小松原進役の大倉孝二さんとか)、女優さんは少ない。
 多部未華子さんとかはそうだが、多部さんは既に主役級。
 こうなると、仲里依紗さんの出番である。
 多部さん同様、仲さんも整った美人とは言えない。(ファンの方、すみません!)
 どちらかと言えば、ファニーフェイス。でも、見え方によっては美人。
 こういう存在は貴重だ。
 たとえば、まりか役を女芸人さんがやることも可能だと思うが、そうすると純平とのやりとりは完全に漫才になってしまう。
 仲さんがやるから嫉妬する女性の可愛らしさみたいなものが出る。

 というわけで仲里依紗さん、これからも仕事が増えていくでしょうね。
 貴重な個性、キャラクターですから。
 同時にまりかとは全く違った役の彼女も見てみたい。


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