平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

海の上の診療所~今、『男はつらいよ』を作ったらこんなふうになるんでしょうね

2013年10月15日 | 職業ドラマ
 これは『男はつらいよ』ですね。
 毎回、船でさまざまな島に行って女性にホレてフラれる瀬崎航太(松田翔太)先生!
 寅さん好きの僕にとっては楽しいドラマ!
 拓兄こと宮脇拓也(高橋努)が美月(加藤あい)にプロポーズしようとしているのは見え見えなんですけどね。
 恋のライバルを助けるというオチに向かって、航太先生は勘違いしまくり、ひた走る。
 そしてフラれて、ガックリ肩を落として落ち込む(笑)
 パターンだけど、安定の面白さ。
 手術シーンもあってクライマックスはしっかり盛り上がる。
 
 『男はつらいよ』を今やったら確かにこんな感じですかね。
 医者の技術も確かなイケメンがフラれて、あまり冴えない拓兄みたいな男が愛を勝ち取るという逆転の発想!
 そのどーしようもない男をツッコミを入れながら傍で見守る看護師・眞子(武井咲)は『男はつらいよ』で言えば、妹のさくらの役割。

 この作品を見ていると企画って掛け算だな~って思う。
 『男はつらいよ』×医療ドラマ
 それに加えて、イケメンがフラれるという逆転の発想。

 最後に、冒頭の列車のシーンで航太先生を見事にフッた女子大生三人は、乃木坂46の桜井玲香、生田絵梨花、伊藤万理華さんです。
 生田さんは『ビブリア古書堂』の時計じかけのオレンジの話にも出ていましたし、同じ乃木坂の橋本奈々未さんは前作『サマーヌード』のバカップル清子役で出ていました。
 乃木坂46と月9の相性はいいようですね。
 プロデューサーさん、これからもよろしくお願いします。

 


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安堂ロイド~テレビ東京の深夜でやるドラマですね

2013年10月14日 | 恋愛ドラマ
「僕が殺されても、君は絶対に守るから。100年先もずっと守るから」
 前作から180度変わって、<甘~い世界>になりましたね。
 今どき、こんなメッセージに人は共感するのだろうか?
 どこかで見たような、使い古された感は否めない。

 アンドロイドの設定は、『エヴァ』の庵野秀明さんたちがやっているだけあって、面白そう。
 5Dプリンターとかね。
 時間に関する設定も、理論物理学が背景にありそうで、好きな人には深読みが出来そう。
 ただ一般視聴者はどこまでついて来られるか?
 一方、アニメファンが見るかと言えば、実写ですし、ほとんど『ターミネーター』×『ゴースト』ですし、「君は絶対に守るから。100年先もずっと守るから」という陳腐なせりふにシラけそう。
 制作陣がどこをターゲットにして作っているのかがよくわからない。

 これはどなたが言っていましたが、「テレビ東京の深夜でやるドラマ」というのが的確だ。
 決して日曜9時にやるドラマではない。
 申し訳ないが、この作品は録画して、恋愛シーンを飛ばして、戦闘シーンだけを楽しむのが正しい見方だろう。
 豪華な役者さんたちがもったいない。

※追記
 本文で「決して日曜9時にやるドラマではない」と書きましたが、それはテレビの枠にはそれぞれふさわしい内容があるという意味で、テレビ東京の深夜枠を下に見ているわけではありません。
 テレビ東京の深夜枠にも名作はありますし。


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八重の桜 第41回「覚馬の娘」~困ったら大声を出して呼べ。お父っつぁまが助けに行く

2013年10月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 覚馬(西島秀俊)VS槇村(高嶋政宏)。
 槇村は覚馬のことを「使っているつもりだったのが使われていた」と評価し、覚馬は「槇村の手腕を敬服していた」と語る。
 そして差し違えての問題解決。
 覚馬は職を辞し槇村の顔を立て、槇村は代わりに「集会の自由」を保障する。
 いろいろ対立していましたが、実はふたりはWINWINの良い関係だったんですね。
 覚馬は槇村の豪腕がなければ、考えていたことを実現できなかったでしょうし、槇村も覚馬の助言がなければ、暴走し、どこかでつまずいていた。
 対立しながらもお互いを認め合う関係。
 政治家とはかくあるべしと思います。
 駆け引き、妥協点を探りながら己のやりたいことを実現していく。そういうしたたたかさ。
 この点、大阪の橋下市長とかはダメだな。
 自分の主張だけをして、自分に従わないものは排除し、糾弾する。
 現在、朝日新聞に拠ると、維新の会の現在の支持率は1%だそうだが、橋下さんにも覚馬のような敵対する助言者が必要だった。
 最近は安倍さんも暴走の気味ですから、つまずかないように注意して下さいよ。

 新聞(マスコミ)を武器として使ったのも覚馬の卓見。
「これが新聞の力。これが言論の力」
「(暴力が物を言っていた)戊辰の頃とは勝手が違う」
 現在、自民党が進めている「秘密保護法」はどうなんだろう?

 いずれにしても議会や言論界(マスコミ)が機能しなくなる社会はヤバいです。
 権力は放っておけば暴走するものですから。

 さて、今回は覚馬のもうひとつの物語。
 前半が<政治家>だとしたら、後半は<父親>。
 娘・みね(三根梓)の恋愛と結婚。
 普通のドラマのパターンなら父親が反対するものなのに、今回は父親が物分かりが良く、娘の方が自分の恋愛感情に従うことを拒んでいる。
 いわば今までのパターンの逆をやったわけですね。
 だからドラマとしては、みねが決心すればいいだけなので、葛藤は薄い。
 姑の佐久(風吹ジュン)が激しく反対したり、時栄(谷村美月)が絡んできたりすれば話はドロドロになるのだが、今作はそこまでツッ込んでやらないようだ。
 ただ、結婚を決心したみねに言った覚馬の言葉はいい。
「そうか。決めたのか。だったらいい。どこまでもついでいけ。何があっても離れんじゃねえぞ。んだげんじょ、どうしても困ったら、そん時は大声を出して呼べ。お父っつぁまが助けに行く」
 覚馬が願ったのは、娘の幸せ。
 それはみねの母のうら(長谷川京子)も同じであっただろう。
 そのふたりの思いがこのせりふに凝縮されていました。


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リーガルハイ~第2シリーズは前作、そして『半沢直樹』を越えられるか?

2013年10月10日 | 職業ドラマ
 堺雅人さんの長ぜりふの語り口調を見ていると次のふたりを思い出す。
 古くは『男はつらいよ』の渥美清さん。
 最近では『古畑任三郎』の田村正和さん。
 ふたりとも独特の語り口調を持っている。
 そして堺さんも。
 こうなるとその役者さんは国民的スターですね。
 ただ、これには弊害もある。
 渥美さんを寅さんを、田村さんが古畑任三郎を求められるように、堺さんも半沢直樹や古美門研介を求められるようになる。

 さて、今回はプロローグなので物語の全容はまだ見えないが、こんな3つの対立図式であろうか?
★国家を背負い、悪を社会から排除する検事・醍醐実(松平健)。
★世の中から争い事をなくし、新しい世界を作ろうとする弁護士・羽生晴樹(岡田将生)。
★「我々の仕事は、真実を追究することではない。依頼人を守ることだ」と言い張り、黒い物も白にする古美門研介(堺雅人)。
 気になるのは羽生の主張だ。
 世の中から争い事をなくすって……、そんなことが出来るのか?
 醍醐と古美門の対立図式は今までの『リーガルハイ』がそうだったし、法廷物ならよくある対立だが、ここで羽生の主張がどう絡んでくるかが興味深い。
 場合によっては第一シリーズの『リーガルハイ』を壊してしまうかもしれない。
 現に三木長一郎(生瀬勝久)は古美門の味方になりつつあるし。

 演出はデフォルメがされていてコミック調。
 検事・醍醐をブラックジャックのような姿にしたり、まわりが寒くなるといったコミック設定にする必要があったのかな~?
 少し安っぽく見える。
 それに『半沢直樹』は演技の誇張はあったが、基本はリアリズムで、それが支持されましたからね。

 というわけで別作品とは言いながら、どうしても『半沢直樹』を意識してしまうこの作品。
 スタッフさんも「倍返し」を「八つ当たり」に、「やられたらやり返す」を「やられなくてもやり返す」と言い換えて意識しているようですし(笑)、果たしてどのような評価が出るか?

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誰かのために~乃木坂46新センターに新人・堀未央奈が大抜擢!

2013年10月07日 | アイドル
乃木坂新センターに研究生の堀未央奈(日刊スポーツ) - goo ニュース

乃木坂46の新のセンターに2期生で研究生の堀未央奈(16)さんが大抜擢。
これが意図する所は<乃木坂46のメンバー全員が真っ白な新人・堀未央奈を盛りたてていく>という物語。

いいと思いますよ。
僕は<競争>や<順位>という48グループの考え方があまり好きでない。
AKB48の曲に『誰かのために』という曲があるが、乃木坂46には<誰かのために>というコンセプトの方が合っている気がする。

乃木坂46には一年前<秋元真夏の大抜擢>という同じような出来事があったが、現在、真夏さんは独自の存在感でイキイキと活躍している。
そして彼女が非難とプレッシャーの中で潰れなかったのは、もちろん本人の努力もあっただろうが、他のメンバーの支えがあったからだ。
乃木坂46のメンバーには、自分のことより誰かのことを思いやる<やさしさ>があると思う。
これは反面<競争心がない><ハングリー精神に欠ける>ということにも通じるが、これが乃木坂46の上品さでもある。

選抜総選挙に代表されるAKB48の影響で<センター>というポジションがやたら注目されるようになったが、別にセンターというポジションに立つ人間が一番すぐれているわけではない。
野球やサッカーのポジションがそうであるように、それぞれの場所が大切で、意味があり、人は自分にふさわしい場所で全力を尽くして輝けばいい。
現実には4番バッターよりも一番バッターが、エースよりもセットアッパーが注目されることがあるのだから。

というわけで、今後は<それぞれのメンバーが自分の与えられた場所でどのように輝くか>という物語とともに、<メンバー全員が真っ白な新人・堀未央奈を盛りたてていく>という物語を、乃木坂46の物語のひとつとして楽しみたい。


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八重の桜 第40回「妻のはったり」~教育を受ける事はあなたたちの大切な権利です

2013年10月07日 | 大河ドラマ・時代劇
 京都府会の実施。
 議長に覚馬(西島秀俊)が選出され、知事の槇村(高嶋政宏)に物を言える立場に。
 平和な時代って、このように言論で物事が決められていくんですね。決して戦争や暴力といった手段ではない。
 徳富猪一郎(中村蒼)たちが学問をし、ドリームを求めることができたり、ストライキをして自己主張できるのも平和な時代の象徴。
 襄(オダギリジョー)が風呂焚きをし、料理や洗濯が得意なのも平和な時代ゆえなのかもしれない。
 平和な時代は多様な価値観が許容される。

 もっとも、ここで描かれた明治はさまざまな顔の中のひとつであり、一方では<富国強兵>のために大幅な国家予算を使う時代でもあったんですけどね。

 さて、今回は<人間の強さ>について。
 襄は、政府(外務省)、外国人教師、生徒たちから突き上げられ、学校経営の問題にも直面する。
 こういう困難な状況の時に、人の強さって現れるんでしょうね。
 襄はまず自分で責任を取った。
「教師や学校の方針に従わない学生などとんでもない」と言って切り捨てることもできたのに、十分な説明をせずに進めてしまったことを謝った。
 自責の杖を使って。
 今の時代、こういう人って少ないですよね。
 保身に走って言い逃れをし、他人に罪をなすりつけたりする。
 しかし、襄は学生たちを叱ることも忘れない。
 襄は<学ぶ権利>を自ら放棄してしまった学生に怒る。学生にそんな行動をさせてしまった自分にも怒る。
 自責の杖は、前時代的で過激な方法かもしれませんが、こうした教師の姿を見せつけられたら学生は一生忘れないでしょうね。
 どんな書物も教えてくれない生き方の教育。
 そして、これは学生たち対して深い愛情がなければ出来ない行為。
 愛情=強さということでしょうか?

 最後に<権利>について。
 襄は学生たちが学ぶ権利を放棄したことに怒りましたが、権利の放棄ほど愚かしいことはない。
 現在で言えば、憲法で保障されている<人間らしく生きる権利>や労働基準法で認められている長時間労働の禁止といった権利がないがしろにされている。
 選挙にも40~50%の人が行かず、投票の権利を放棄している。
 襄や覚馬が生きていたら、嘆き、怒りまくっていることでしょうね。

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ダンダリン労働基準監督官~『リーガルハイ』の古美門先生と比べてみた

2013年10月03日 | 職業ドラマ
 波風を立てない<事なかれ主義>って退屈だ。
 自分が間違っていると思うことは徹底してこだわって、戦ってみるといい。
 おかげで真鍋(佐野史郎)や土手山(北村一輝)、南三条(松坂桃李)たちは、ほふく前進や逮捕当日の服装のこと、捕まえた鴨光社長(でんでん)をどう車に乗せるかなど、イキイキと過ごすことが出来た。
 家族や娘に「退屈だ」と言われず、楽しく話せる武勇伝も出来ただろう。

 この作品や『半沢直樹』など、現在は<自己主張する時代>に入ったのかもしれない。
 大きな力に泣き寝入りせず、個人が声をあげる時代。
 そして臨検や行政指導、逮捕までの力を持つ国家公務員(この作品の場合は労働基準監督官)は、事なかれ主義に陥らず、どんどん職務に与えられた権利を行使すべき。

 もっともこの権利の行使には危うさもある。
 主人公・段田凛(竹内結子)のように正義が暴走してしまう危険。
 なぜなら段田凛が行使する法律は絶対ではないからだ。
 土手山が言うとおり「法律は法律でも現実は現実だ! お前が張り切れば張り切るほど傷つく人だっているんだよ!」という現実がある。
 法律を厳格に行使してしまったがゆえに不幸になる人も出てくる。
 たとえば、今回鴨光社長が逮捕されたけど、会社の経営は大丈夫なのかな? 潰れてしまったら従業員はどうなるんだろうとか? 西川修(渡辺いっけい)は最後に手を上げたけど大丈夫か? など。

 この点、次週から裏番組になる『リーガルハイ』は大人だ。
 主人公・古美門研介は「法律は依頼人のためにある」として、時には黒いものを白にする。
 正義なんかは信じておらず、<自分の利益>と<現実的な落とし所>を見つけて、戦っていく。
 古美門研介と段田凛のどちらが好きかと言えば、古美門先生かな。
 段田凛には、『リーガルハイ』のガッキーが演じる黛 真知子に通じるものがある。

 この作品が描く<事なかれ主義の否定>には賛成だが、段田凛のロボットのような<正義の暴走>には違和感を感じる。
 もっともこの違和感が、今後のこの作品のテーマになっていくのでしょうが。

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