平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

おんな城主直虎 第15回~直虎、今川と外交をおこなう。その外交手腕はいかに?

2017年04月17日 | 大河ドラマ・時代劇
 井伊家の後見問題。
 直虎(柴咲コウ)は闘っている。
 その闘い方はこうだ。

①味方と敵を欺く。
 今川の襲撃を受けて直虎は言う。
「但馬、直虎は後見から引くことにしたと駿府伝えてくれ。
 かように怖ろしいのはもうたくさんじゃ」
 だが、これは敵の襲撃をかわすウソだった。

②法律で闘う。
 直虎は、寺社領には手を出せないという『今川仮名目録』の定めを使って、自分の判断の正当性を主張した。
 そう、闘うというのは武力を使うことだけではないのだ。
 法律も立派な武器になる。

③論理で攻める。
 寿桂尼(浅丘ルリ子)が「すみやかに徳政をおこなわれよ」と言ったことを受けて、直虎は「わたしに徳政をおこなえと。それは、わたしが徳政をおこなうに相応しい者、後見とお認めになったということですが、さように受けとめてよろしいのでしょうか?」
 いさかか屁理屈に聞こえるが、ディベートとしては悪くない。

④正論を言う。
 国を治める方法を問われて、直虎は言う。
「民が潤うことがなければ国が潤うことはない」
「民が潤えば井伊が潤い、井伊が潤えば今川が潤う」

 そして最後は、
⑤民の信頼を得ている。
 民は、直虎が後見になることを望む書状を書いた。
 直虎が民の支持を得ている証拠だ。
 まさに『民の信なくば立たず』

 これが<外交>であり、<政治>なんですね。
 問題があれば言葉で説得し、説明をする。
 武力で解決するのは最後の手段。

 このように直虎は政治家として少しずつ成長している。
 民の書状に助けられるなど、まだまだ頼りない部分はあるが、立派な領主になりつつある。
 今回は部下の中野直之(矢本悠馬)の心も掴んだみたいだし。

 この作品は、直虎が人として、政治家として、成熟していく様をていねいに描こうとしているようだ。
 前回も書きましたが、ちょっと教科書的なんですけどね。
 今回、出てきた<新しく耕した土地を自分のものにでき、年貢が一定期間、免除される>というのも〝蓄財〟〝資本の集積〟という教科書に出てくる経済理論だし。
 来週は、木綿を育てて新たに産業を興すらしい。
 この作品、1話~13話は<仏教講座>で、14話~は<政治経済学講座>って感じですかね。
 ………………

 政次(高橋一生)に関しては、その真意がなつ(山口紗弥加)よって語られた。
「兄上は、井伊を今川から守る盾になろうとしている」
 南渓和尚(小林薫)もこれを受けて、
「本意を読まれれば盾にはなれぬ」

 政次の行動は、すべて、おとわと井伊を守るためだったようだ。
 そう言えば、政次はこんなことを言っていた。
おとわ、今からでも遅くはない。
 後見をやめると言わんか?」
 〝殿〟ではなく、〝おとわ〟と言ってしまう所に政次の本音が現われている。
 政次の中には、幼少期の〝おとわ〟〝鶴〟〝亀〟の関係がしっかり存在しているのだ。

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ボク、運命の人です~『プロポーズ大作戦』ファンは必見! 金子茂樹脚本だからテイストがそっくり!

2017年04月16日 | 恋愛ドラマ
 自分には〝運命の人〟がいる。
 失恋も別れもすべては〝運命の人〟と出会うための、ひとつの過程。
 こう考えると、救われるよなぁ。
 たとえフラれても、「彼女は運命の人ではなかったんだ」と割り切れる。
 …………

 でも、この作品はこんなことも語っている。

 <人は必ずしも運命の人と結ばれるわけではない>
 <ほとんどの人は違う人と結ばれて不本意な生活を送っている>

 正木誠(亀梨和也)の前に、神様(山下智久)が現われて、運命の人について教えてくれたのは、誠と湖月晴子(木村文乃)の間に生まれる子が地球を救う救世主になるから ←すごい展開!
 そうでなかったら神様は親切に教えてくれなかった。
 これはこれでシビアな現実。

 神様に拠れば、人は運命が教えてくれている<サイン>を見逃しているらしい。
 たとえば、誠の場合は、
・子供時代、海辺で砂山をいっしょに作って手を繋いだこと
・大学の受験で鉛筆を貸してくれた彼女の受験番号が3341(サミシイ)であったこと ←そんなこと、わかるかいっ!
・初詣でコートのフードに入っていた賽銭の5円玉が彼女の投げたもので、ご縁というメッセージがこめられていたこと ←これもわからないよね!

 まあ、言ってることはわかるよ。
 日々の生活のあらゆることにアンテナを張って積極的に生きている人と、ぼんやり生きている人とでは最終的に大きな差がつく。
 要は、自分のまわりに飛び交っている情報をいかに読み取り、行動するか。
 これは恋愛でも同じ。
 世の中には、たくさんの人がいるけど、「あれ、何か気になるな」って人、いるしね。
 もしかしたら、その人が〝運命の人〟なのかもしれない。

 で、僕は木村文乃さんが好きだけど、
 もしかしたら木村文乃さんが僕の〝運命の人〟かもしれないっ!
 うん、きっとそうだよ!
 運命を信じよう! ←バカ!
 …………

 あとは、この作品、なつかしさがいっぱい!

 山Pが出てて野球のシーンがあったし、同じ運命ものだったので思い出したのは『プロポーズ大作戦』。
 調べたら、この作品の脚本は『プロポーズ大作戦』を書いた金子茂樹さんだった。
 作品の雰囲気、テイストは完全に同じ。
 『プロポーズ大作戦』が好きだった方は、この作品必見ですよ!

 山P、亀梨君と言えば、『野ブタ。をプロデュース』。
 同じ土曜の日テレだし、神様の山Pの話し方は野ブタの草野彰と同じ!
 懐かしい共演だ。

 エンディングは、山P、亀梨君、木村文乃さんのダンス!
 これ、完全に『逃げ恥』の二匹目のドジョウを狙ってるよね。
 前クールの『佐江内』のエンディングもダンスだったけど、日テレの土曜枠はこういうことにためらいはない(笑)
 木村文乃さんの恥ずかしそうであまりキレのないダンス(←失礼)も可愛い!

 木村文乃さん、『プロポーズ大作戦』、『野ブタ』、これは見るしかない。

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欅坂46~そのパフォーマンスの演劇性・物語性/新曲『不協和音』はその完成形か

2017年04月14日 | アイドル
 NHK『SONGS』の欅坂46特集を見た。

 欅坂のダンスの振り付けを担当しているTAKAHIRO氏は、メンバーと歌詞について徹底的に議論するらしい。
 理由は〝歌詞に感情移入〟してほしいから。
 感情が入ったものなら多少ダンスが汚くてもいい。

 欅坂のパフォーマンスの特異性はこれなんでしょうね。
 ダンス自体が歌詞の内容を増幅させるものであり、メンバー21人で作りあげるひとつの物語になっている。
 ダンスというよりは、むしろ歌舞伎や舞踏などの演劇的なパフォーマンス。
 たとえば、
 『サイレントマジョリティ』で、十戒の救世主のようにメンバーの間をセンターの平手友理奈が歩いていく通称〝モーゼ〟
 『世界には愛しかない』の〝詩の朗読〟
 『二人セゾン』の衣装の裏地を見せる〝マタドール〟、センター平手友梨奈の〝ソロダンス〟
 振り付けには、各自が思いのままに自由に踊る〝フリーダンス〟のパートもあるらしい。
 これらは、可愛らしさを引き出すアイドル系や華麗なダンステクニックを見せるEXILE系とは大きく違う。

 新曲『不協和音』になると〝演劇性〟はさらに発展する。
 髪を振り乱したり、ステージに倒れ込んだりして、完全に〝混沌〟〝怒り〟〝苦悩〟の表現。
 僕はこの新曲をイマイチだな、と思っていたが、実際のダンスパフォーマンスで見ると、印象が全然違ってびっくりした。
 それと、この歌は口パクでなくナマ歌で聞きたい。
 その方がメンバーの気持ちが入って、ぶつかってくるインパクトが大きい。
 『不協和音』はTAKAHIRO氏が模索してきた振り付けの、ひとつの完成形だろう。

 本日(4/14)、『ミュージックステーション』で欅坂46が『不協和音』を歌いますが、興味のある方はぜひ見てみて下さい。

 NHK『SONGS』のwebバージョンはこちら。
 『SONGS』欅坂46 SPECIAL WEB MOVIE (NHK・YouTube)

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やすらぎの郷~倉本聰がシルバー世代に贈る人生賛歌。狂え、最期まで人生を愉しめ!

2017年04月13日 | その他ドラマ
 テレビ人専用の老人ホーム『やすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ)』。
 そこで繰り広げられるさまざまな人間模様。
 ………………

 主人公で脚本家の菊村栄(石坂浩二)は女優・三井路子(五月みどり)から、『女の一生』という台本を書いてくれ、と言われ、
「女にとっての3つのターニングポイントって何だと思う?」
 と尋ねられる。

 菊村は「何だろう? 僕は女性でないからわからない」と返したが、非才の僕もちょっと考えてみた。
 僕が考える女性の3つのターニングポイントは、
 <初体験><結婚><出産>。
 理由は、<初体験>で〝女〟になり、<結婚>で〝妻〟になり、<出産>で〝母〟になるから。
 でも、路子の答えは違っていた。
 <初体験>は当っていたが、残りふたつの答えは、
 <初めて男に買われた時>
 <歳を重ね、男に相手にされなくなり、初めて男を買った時>。

 深いですね。
 初体験→結婚→出産 は、ある意味、女性が一般的に歩む道。
 キャリアを選んだ女性には怒られそうだけど、彼氏が見つからないことや、結婚できないこと、子供がいないことも含めて、テレビドラマの定番になっている。
 だが、路子のドラマは、初体験→男に買われたこと→男を買ったこと。
 何とひねくれた発想だろう。
 同時に壮絶でもある。
 台本にするのはハードだろうし、演じる女優も狂気に似た演技力が要求される。

 <初体験><結婚><出産>と答えてしまう僕もまだ修行が足りない。
 ………………

 こんな描写もあった。

 菊村は女優の白川冴子(浅丘ルリ子)からこんなことを言われる。
「あなたはまだ枯れていない。
 まだ水分が残っている。
 その水分を吸い上げたら、詰まっていた管が通って、地面から芽が出て、花が咲くかもしれない」

 これもまた深い人間洞察だ。
 どんなに枯れて悟ったようなお年寄りでも、心の奥底では、熱い情念が残っている。
 その情念を解放した時、作品が生まれるし、力がみなぎり、行動がうまれる。

 冴子は菊村を挑発しているんですね。
「老け込むのはまだ早い。もっと狂え」
 って。
 台本を書け、と言った路子も同じように挑発している。

 それは、この作品を見るシルバー世代への倉本聰さんのメッセージでもある。
「枯れるな。
 恋をしろ。老いらくの恋と言われてもひるむな。
 最期までイキイキと人生を愉しめ。
 歩みをとめるな。
 まだまだ見えていない人生の風景はいっぱいある」

 ………………

 さて、現在81歳の倉本聰さんの達した境地とはいかなるものか?
 菊村は最終回にどんな風景を見るのだろう?
 石坂浩二、浅丘ルリ子、有馬稲子、加賀まりこ、五月みどり、野際陽子、八千草薫、藤竜也、ミッキー・カーチス、山本圭、これら豪華俳優たちの夢の競演も見所だ。


※追記
 老人ホームの名前、La Stradaはイタリア語で『道』の意味。
 おそらく、フェリーニの『道』を意識しているのだろう。
 『道』のラストも、主人公が道を歩んでいく所で終わった。

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おんな城主直虎 第14回~このままでは井伊は先細りじゃ! 新しいやり方が要るのじゃ!

2017年04月10日 | 大河ドラマ・時代劇
「方久に土地を預けるのはこれからの井伊のためじゃ!
 今の井伊には金も人もおらぬ! このままでは先細るばかりじゃ!
 新しいやり方が要るのじゃ!」

 直虎(柴咲コウ)は〝政治家〟になりつつある。

 新納、中野、奥山は〝既得権者〟。
 蜂前神社の禰宜も同じで、自分の既得権を守るために必死に抵抗する。
 しかし、国を豊かにするためには規制改革が必要なのだ。
 瀬戸方久(ムロツヨシ)のような、新しいビジネスモデルで事業をおこなう起業家が参入する余地をつくらなくてはならない。
 ………………

 直虎はこんなことも言っていた。

「目先の話ばかりをするな!
 確かに徳政が出されれば借金は消えてなくなる。
 じゃが、その後はどうじゃ?
 人もおらぬし、いつ凶作になるかもわからぬ。
 方久は村を任せれば、そなたらが今より潤い、借りを返せるような仕組みをつくると言うてくれた。
 ならば、そのほうが良くないか?」

 <国家百年の計>と言われるが、政治家は20年、30年、50年先を見て政治をしなければならない。
 人気取りで妥協するポピュリズムではいけないのだ。
 もちろん、そこには反発が生まれる。
 しかし、やらなくてはならない。
 説得するための〝説明〟も必要になってくる。
 その説明のために、直虎はみずから田植えをし、こんな言葉を語った。

『清風払名月
 名月払清風』

 自分は民と共に歩んでいく、という宣言だ。
 さわやかな風、美しい月はそれぞれに素晴らしいものだが、その両方があれば、もっと良くなる。
 字面といい、心洗われる、いい言葉ですね。
 ………………

 少しずつ〝名君〟になってきた直虎。
 前回は、自分の決断が人々の生死を左右するという<権力行使の怖さ>を識ったが、直虎は政治家として着実に成長している。

 作品としては、政治学の教科書を読んでいるような堅苦しさがあるが、直虎が名君になり、井伊家が戦国大名のひとつとして隆盛すれば、ドラマチックになるだろう。
 ただ、今やってることは、『花燃ゆ』の文さんなんだよな~。
 文さんも群馬県令の妻として、既存勢力と闘い、産業を興し、民に文字を教えた。
『花燃ゆ』のようにはならないでほしい。

 
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今村復興大臣の暴言~やはり安倍自民党は上から目線で、やさしくない

2017年04月09日 | 事件・出来事
 やはり自民党はやさしくない。
 上から目線でもある。

 今村復興大臣の問題発言。
 住宅支援を打ち切られた福島の自主避難の方々について質問した記者にこう回答。
「戻らないのが悪い」
「自己責任だ」
「法律上は正しい」
「福島県に対応してもらえ」

 確かに、法律上、住宅支援打ち切りは正しくて、対応するのは国ではなく福島県なのかもしれない。
 しかし、今村さん、あなたは復興大臣だろう?
 復興大臣なら、なぜ自主避難の方々が帰れないのか、を理解すべき。

 自主避難の方々は帰りたくても帰れないのだ。
 <帰っても仕事がない><学校など、インフラ整備が不十分><放射能の不安も残る>
 そんな理由で、帰るのを躊躇されている。

 復興大臣なら、これらのことを頭に入れて、国が他に援助できることはないかと考えたり、福島県に働きかけたりするべきだろう。
 あなたには被災者の声を聞き、政治家として対応するという役割があるのだ。
 なのに、「自己責任だ」とバッサリ切り捨て。
 …………………

〝法律上は正しければ何でもOK〟というのも安倍政権の常套手段だ。
<違法献金は返せばいい。政治資金報告書を訂正した>
<白紙領収書は仕方がなかった>
<道義的責任はあるが、違法性はない。反省してやっていく>
<森友学園の交渉文書は財務省の規則で処分している>
<お友達の加計学園に土地をタダ&補助金付きで提供しているが、制度上は正しいからOK>
 こんなのばかりだ。
 法律の抜け穴を利用して、何の責任も取らないし、罪にも問われない。
 一方、福島の自主避難者に対しては<厳格に法律を適用>!
 納税者に対しては<白紙領収書はNG>!

 安倍自民党ってのはさ、
 自分に甘くて他人に厳しいやつらの集まりだよな。
 もっと具体的に言えば、強者や自分の仲間にはやさしくて、弱者は冷酷に切り捨てる。

 政府は「国を愛せ」と言うけど、彼らの愛国心って<国のために死ね><国のために働け>ってことだろう。
 で、ここでいう「国」っていうのは、政府であり、経団連に入っている大企業ってこと。

 昨日、今村復興大臣は安倍首相と共に福島入りしたが、ひと言も謝罪がなかったようだ。
 記者に囲まれて謝罪したのは、安倍ちゃんだけ。
 今村氏、自分が悪いとは思っていないな。
 首相の謝罪だって、火消しのためで心からのものではないだろう。

 ちなみに今村復興大臣、東京電力の株を8000株、持っているらしい。
 このことでも彼がどこに寄り添っているか、がわかる。
 ………………

 安倍政権の大臣と言えば、
 ウソを言い、涙と愛国カルトの<稲田朋美防衛大臣>

 
 

 満足な答弁もできず、マスコミに圧力をかける<金田法務大臣>
 下着泥棒の<高木復興大臣>に、今回の切り捨て<今村復興大臣>
 不正献金について調べて記者会見すると言っていたのに、いまだにしない<甘利経産大臣>
 国会審議中にメールとあくびの<松島ウチワ大臣>

 
 こんなのばっかりだ。
 他の大臣は<利権漁り>と<戦前回帰>に一生懸命。

 国民の皆さん、こんな政権を支持していたら、後の人から笑われますよ!
 いい加減、ダマされていることに気づきましょう。

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ひよっこ 第1週~1964年 東京オリンピック直前の物語。2017年との比較をどうしてもしてしまう

2017年04月08日 | ホームドラマ
 昭和39年(1964年)、東京オリンピックがおこなわれた年の物語だ。
 建設ラッシュで、高度経済成長が始まり、みんなが未来に夢を抱いて前を向いていた時代。
 製作者の意図としては、同じく2020年にオリンピックを迎える現在との比較があるのだろう。

 では、2017年の現在は1964年と比べてどのような時代なのか?
 何か閉塞感があるよな~。
 テロやミサイルの不安。
 社会の右傾化。
 格差社会は拡大。
 みね子(有村架純)たちの谷田部家は貧しいけど、皆が助け合って生きていて明るさがある。
 土もね。
 都会に住んでいると土に触れる機会などない。
 土に匂いがあることも知らない。
 大きな戦争が近いうちに起きる気も僕はしている。
 一方、1964年は、みね子の叔父の背中の傷など、戦争の傷跡はあるが、少なくともみね子たちは戦争を意識していない。

 脚本の岡田惠和さんは、『三丁目の夕日』のように1964年を理想の時代として描こうとしているのだろうか?
 現在と比べて、あの時代はとても豊かだったと語ろうとしているのだろうか?
 映画『となりのトトロ』のキャッチコピーを借りれば<忘れ物を届けに来ました>。
 …………………

 第1週は、物語の設定紹介だった。
・登場人物紹介
・茨城と東京
・農業と洋食
・土と建設
・家族、お父ちゃん
・オリンピックと高度経済成長
 これから起こるであろう物語の要素が、いっぱい詰め込まれている。
 起承転結の<起>として十分すぎるくらい。

 エピソードとしては7日(金)のエピソードが良かった。
 借金について祖父と両親の話しているのを聞いてしまったみね子は父・実(沢村一樹)に言われる。
「お前も大人だ。みね子も入れ」
 大人として扱ってもらって、うれしいみね子。
 柱の一本として谷田部家を支えていく自覚をもつ。
 みね子が<主人公>になった瞬間だ。
 これでみね子に芯ができた。

 土に根ざした朝ドラの主人公は、ひさしぶりですね。
 今までは、まれにしても、エリーにしても、常子にしても<根無し草>が多かった。
 だが、みね子は最初から茨城の地にしっかり根を下ろしている。

 さて、みね子はこれからどんな女性になっていくのだろう?

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共謀罪の国会審議が始まった~危ないよ、この法律は! 物言えぬ警察国家が到来!

2017年04月06日 | 事件・出来事
 国会で<共謀罪(=テロ等準備罪)>の審議が始まった。
 この法律、要するに、
〝テロ等の犯罪を相談し、銀行からお金を下ろすなどの準備行為をおこなえば、それに関わった人間はすべて逮捕される〟
 というものである。

 これだけ読むと、「まあ、いいんじゃない」と考える人がいるかもしれない。
 だが、怖いのは、これが拡大解釈されて運用されることである。

 たとえば、<テロリスト>の定義。
 国のやることに「おかしい」と声をあげる人たちがいたとする。
 権力者にとっては<都合の悪い人たち>だが、彼らを<国家に歯向かうテロリスト>と認定してしまえば、簡単に捜査し捕まえることができる。

 もっと具体的に言えば、子供を保育園に入れられないひとりのお母さんが、『保育園、落ちた。日本死ね』と怒りの言葉をネットに書いたとする。
 安倍自民党にとって『日本死ね』は汚い言葉で、許せない発言だったらしいが、この書き込みをした時点で、警察はこのお母さんのすべてを合法的に調べることができる。

 同人誌などの二次著作物も共謀罪の該当項目に入っている。
 その理屈は、コミケなどで二次著作物を売って得た資金をテロ等の犯罪に使うかもしれない、というものだ。
 結果、警察はそのサークルのすべてを調べることができる。
 内容が公序良俗に反するとして発禁処分にすることもできる。
 保守の連中は、こういうことにうるさいからね。

 これらの結果、生まれるのは、国家権力が国民を徹底的に監視する<警察国家>だ。
 国民は「国の政策がおかしい」と思っても、声をあげづらくなる。
 仮に北朝鮮や中国と緊張関係になって、オールジャパンでこの難局を乗り切ろうとなった時、「でも、この軍事費かけ過ぎじゃねえ?」などと発言しようものなら、簡単にしょっ引かれる。
 かくして、この国は権力者のやりたい放題になる。
 軍需産業とそれに関わる政治家は大もうけ。
 ………………

 まあ、これが僕の勝手な心配であってくれればいいんだけど。
 でも、新聞にはこんな記事があった。

 

 戦争中に国民の言論を弾圧した<治安維持法>との比較だ。
 1925年の治安維持法でも、政府は、「一般の方が対象になることはない」「国民の思想や内心まで立ち入らない」と説明していた。
 しかし、現実は……。
 この法律によって、罪のない人たちがどんどん逮捕され弾圧された。

 権力者というのは、便利なものがあれば使いたくなる生き物。
 自分を批判する者を黙らせたり、捕まえたりする法律があれば、当然、行使したいという誘惑にかられる。
 行使したら、こんな便利なものはないと思い、もっともっとと適用範囲を拡大していく。

 僕は、権力者にかぎって性善説を認めない。
 実際、共謀罪がない今でさえ、安倍自民党はやりたい放題だ。
 森友学園事件では、隠蔽、詭弁を繰り返し、すべてを籠池氏と秘書官の谷氏に押しつけて逃げ切ろうとしている。
 この事件の本質は<権力者による国の私物化>なのだが、それをうやむやにしている。

 権力者の力を強くする共謀罪を認めてはならない。
 <国家主義>と<共謀罪>は相性がいい。
 個人の自由と人権を守りたいのなら、はっきりNOと言うべきだ。

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欅坂46、デビュー1周年~欅坂の快進撃の秘密を分析する! 個性豊かなメンバーたち!

2017年04月05日 | アイドル
 明日(4/6)、欅坂46がCDデビュー1周年を迎える。
 現在、欅坂は絶好調だ。
 昨年はデビュー1年目で紅白出場を果たし、本日発売の4thシングル『不協和音』の初日売り上げは456,518枚(前作より10万枚増)。
 先輩である乃木坂46が3~4年かけたことを1年で成し遂げた。
 もちろん、そこには乃木坂姉さんたちが苦労して下地をつくってくれたことがあるが、快進撃と言っていい。
 ……………

 では、欅坂の快進撃の理由とは何だろう?

 ひとつは、アイドル路線とは少し離れたアーティスティックな楽曲。
 2ndの『世界には愛しかない』はタイトルからして恥ずかしいが、1stの『サイレントマジョリティ』、今回の『不協和音』などはメッセージ性が高い。

 ふたつめは、以前も書いたが、アイドルオタクだけでなく、渋谷に遊びに来るような若者層をターゲットにしていること。
 現在の4thシングルでもキャンペーンを渋谷でおこなっているが、欅坂は〝渋谷〟を発信源にして火をつける戦略をとっている。
 AKB48が〝秋葉原〟なら、欅坂は〝渋谷〟というわけだ。
 109なんか、ドルオタとっては入りづらいんですけどね、場合によっては「これは俺たちと違う」と敬遠されかねない。
 でも欅坂の運営スタッフは敢えてそれをした。

 そして三つめは、メンバーのさまざまな個性・キャラクター。
 <てち><もな><だにー><ぽん><さとし><もん><ぺー><むー><ねん>etc
 一般の人には何のことだかわからないだろうが、メンバーの呼び名・ニックネームなのだ!(笑)
 この一年でニックネームがどんどん変化していって、この形になった!
 これは未だかつてない特異な現象だ。
 ファンは、このニックネームの変化を体験しながら、メンバーの個性・キャラクターをどんどん深く知っていく。
 ニックネームの変化は、ファンがメンバーに親しみを持って深みにハマっていく過程なのだ。

 あとは、冠番組『欅って書けない?』(テレビ東京)のMCをやっていただいている土田晃之さん、ハライチ・澤部佑さんのキャラの引き出し方も上手い。
 <お嬢様><軍曹><栗太郎><ザ・クール><ドSの女王><大食い><スナックのママ><ゲラ泉><オダナナ><ブハブハ>etc
 すごいキャラづけだ。
 こんなふうにアイドルの個性を引き出したMCはいないだろう。
 現在の欅坂は、このMCおふたりの貢献が大きい。
 ……………

 最後に。
 欅坂46には、AKBや乃木坂のような選抜メンバーとアンダーメンバーの区別がない。
 全員が選抜でシングルの楽曲に参加する。
 これを選抜総選挙がある48グループのファンは〝ぬるま湯〟と言うかもしれないが、逆にこれでいいんだと思う。

 何か今の時代、<競争><勝ち負け><ライバル>とかいうのは疲れちゃうんだよな~。
 <競争>や<勝ち負け>よりも<個性>。
 <ナンバー1>より<オンリー1>。
 メンバーがそれぞれの個性を発揮してワチャワチャするのを見ていたい。
 その方が時代に合っている気がする。

 この点で、欅坂46は完全に脱AKBだ。
 乃木坂46には選抜とアンダーがあってAKBの影響が残っているが、欅坂にはそれがない。
 競争の原理がなくてもCDは十分に売れている。

 さて、CDデビュー1周年、今後、欅坂46はどんなグループになっていくのだろうか?

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おんな城主直虎 第13回~瀬戸方久登場! 「銭は力。千騎の武者に値する」

2017年04月03日 | 大河ドラマ・時代劇
 新しいキャラクターの登場だ。
 瀬戸方久(ムロツヨシ)。
 井伊家からもらった銭で〝わらしべ長者〟のように財を増やしていった実務家。
 その信念は、「銭は力。千騎の武者に値する」
 自らを称して<銭の犬>。
 こう称することに何のためらいもない。

 そうなんだよな~。
 井伊家に必要なのは、〝なりふり構わぬ実務家〟
 理想やきれいごとを唱えていても現実は変わらない。
 今川の圧倒的な力の前に井伊家は忍従しているが、これに対抗する方法はひとつある。
 <銭の力>だ。

 これは俗世間から離れていた直虎(柴咲コウ)に欠けていたものでもある。
 銭は人を動かす。
 銭は人を引きつけ、人並みに扱われない者を強者する。
 瀬戸方久という世俗に通じた者を得ることで、おそらく直虎は現実的な力を得ていくのだろう。

・心の正しいあり方や理念を教える南渓和尚(小林薫)。
・現実を生き抜いていく方法を教える方久。
 このふたりが直虎の行動の指針をつくっていく。
 ………………

 権力を持つ者の不安や孤独も描かれた。
 井伊家のトップになった直虎は言う。

「何が正解かわからない」
 現実では、正解はひとつではない。
 <領民>を救うことも、<井伊家>を救うことも正解だから、迷ってしまう。
 領民を救えば井伊家は滅び、井伊家を救えば領民が苦しむという二律背反。
 こんなことも口にしていた。

「力を持つことは怖いこと」
 そうなんだよな~。
 自分の決定が、他者の生き死にを左右し、家や国を滅ぼしてしまうかもしれない。
 だから、力を持つ者は不安になって当然なのだ。

 安倍さんもさ、『この道しかない』って言ってるけど、大丈夫なの?
 原発を推進してるけど、ふたたび事故は起きないのかな?
 アベノミクス(=異次元の金融緩和)で、お金を刷りすぎて経済破綻は起きないのかな?
 右傾化教育で、戦争への道を進んでいないのかな?
 権力は抑制的に使われるべきだと思うけど、籠池イジメに使ってない?
 ………………

 最後は<自灯明>
〝おのれの信じたものを灯りとして生きていく〟
 直虎は、領民や家臣たちの<灯り>になれるのか?
 家臣たちは小野政次(高橋一生)に引きつけられ、領民たちは今川に引きつけられているようだけど。

 直虎が家臣や領民の<灯り>となるには、さらなる試練が必要なようだ。

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