66系6両編成を使用した嵐山行き直通特急/天下茶屋
5月14日土曜日。近鉄南大阪線で臨時急行御所行きを撮影して、天王寺からJRと南海を乗り継いで天下茶屋へと向かう。天下茶屋に着くと地下鉄の駅が妙に賑わっている。ある種異様な雰囲気に包まれていると思ったら、1番線の臨時列車の入場制限が行われていたのである。どれだけ並んでいるのかと思ったらそれほど並んではおらず、1番線ホームの閉鎖を解くための処置だったようだ。とりあえず1番線に入らなければ撮影できないのでホームに入る。電車はまだ入線しておらず、ファンの姿でホームがごった返しているだけだ。以前も堺筋線から嵐山へ臨時列車が何度か走っているが、今回は異様にファンの姿が多かった。テレビクルーの姿まで見られ、関心度の高さがうかがえる。自分の予定では直通特急には乗らず、天下茶屋で撮影して、前の電車に乗って淡路で再度直通特急を狙うつもりにしていた。前回の臨時の際はそれが通用したが、今回は直通特急の入線が遅く、ダイヤ改正で堺筋線が減便されていることもあり、計画は脆くも崩れ去ってしまった。これなら1本遅らせて河堀口でさくらライナーを撮って来ればよかったと後悔した。
天下茶屋駅の引き上げ線に何本か電車が止まっていたので、そこから直通特急が入線してくるのかと思っていると動物園前方から回送で入線してきた。天六方で待っていたので、面喰ったが、ここでの撮影は入線時が一番と考えていただけに完全に失敗だ。仕方なく、先頭に群がるファンをなんとか避けながら望遠で狙ってみたが、やたら乗り出す輩がいて、ろくでもない画になってしまった。天下茶屋へ来たのはある意味失敗だったと言える。以前の嵐山行き臨時では幕は臨時幕を使っていたが、今回は無地。直通特急のステッカーを前面と側面に貼り付けるスタイルだ。当初5月14日、15日の臨時が発表された際には天下茶屋直通の臨時に快速特急の表示があったが、後刻訂正されたのか直通特急に戻されていた。直通特急でも快速特急でもどちらでもよいが、市交車を使用するなら秋以降は幕を用意して欲しいものだ。もっとも市交車は今回だけで秋以降は阪急車となる公算もある。
無地の幕となった66系直通特急/天下茶屋
前を走る高槻市行きに乗り遅れたので仕方ないので直通特急に乗ってとりあえず淡路を目指す。先頭車はかぶりつきにファンが群がっているのを始め、明らかにファンと思われる人間ばかりが乗っている。他の車両も同様で、嵐山観光へ…と言う人の姿はほとんど見当たらなかった。家族連れがいても物珍しさに乗ったという感じの準鉄道ファンみたいな人ばかりである。動物園前、恵美須町を颯爽と通過。颯爽と言うには少々スピードを落とし過ぎだが、地下線だから仕方ない。日本橋で早速降りる人までいて如何にも試乗列車の気配が漂う。実際嵐山観光に利用するには運転時期が微妙なこともあり、今回はダイヤ改正のイベントで、ある種顔見世興行的なところはあるだろう。日本橋を出て、堺筋本町、北浜、南森町と堺筋線の主要駅をパスしていく。早速誤乗客が出現して、車内に乗り込んでいた乗務員にどうすればいいか聞いている光景が見られた。どうせ所要時分の短縮は微々たるものなのだから、上記の3駅ぐらいは停車してもよさそうに思えるが、直通特急の堺筋線内での停車駅選定は意外にシビアだ。天六に久しぶりに停車。前を走る普通があるので決して速くはないが、停車駅は天下茶屋から天六まで日本橋のみなのでやはり少ない。今の時代ある意味貴重なほどのノンストップぶりだ。天六で乗務員が交代して阪急へと足を踏み入れ、千里線内をゆっくりと走る。高架工事が竹縄になってきた淡路手前で 信号待ち。先行列車待ちなのかあるいは交差支障か。いずれにしてもここは高架にならない限り、立場上弱い千里線の電車は信号待ちは避けて通れないところだ。淡路に入線と同時に隣のホームには特急が入ってきた。他の直通特急は十三からなので特急とかち合うことはないが、天下茶屋直通特急は淡路で特急と連絡を取るダイヤになっているようだ。河原町方面へは淡路で乗り換えとなる。関空から京都方面への格安きっぷが話題になっているが、堺筋準急では話にならんぐらい遅い。その穴を埋めるため、臨時ダイヤではこのように直通特急と特急が接続したり、堺筋準急と快速特急、直通特急が接続するダイヤが組まれている。直通特急は行楽シーズンのみの運転だが、快速特急は京とれいん使用の列車は定期的に運転されているので、時間帯によっては黄金ルートの一つとして利用できるようになっている。乗り換えの煩わしさはあるが、関空からラピートに乗って、準急を介して、淡路から京とれいんに乗るというのはなかなか乙なものだろう。もっともファンでも1回で飽きるし、一般人は1度で懲り懲りと言うことになるかもしれないが…。
淡路を出発し桂までノンストップで運転される直通特急/淡路