EXPRESS DIARY~鉄人日記~

鉄道に関することを日々徒然なるままに書いて行こうと思います。

さらば寝台急行銀河

2008年01月22日 | 銀河

071202kyotoef651118ginga2  この春長らく走り続けてきた寝台急行銀河が廃止になる。ブルートレインとしては急行ということもあり地味な存在だったが、寝台特急と違い寝台車のマークが白抜きとなる唯一の寝台急行ということもあり、ファンには馴染みの列車であった。古くは20系、さらに14系に置き換わり、早々に24系が投入され、急行列車としては異例の2段寝台やA寝台を連結する名門夜行であったことは有名な話だ。もっとも今の姿を見る限りは“夜行ひかり”とも言われた名門の出である銀河にその面影はないので、若いファンには栄光の歴史がわからないかもしれない。急行ファン及びブルトレファンである私にとってはいずれ来るとは言え今回の銀河の廃止は非常に残念だ。今のままの姿で末長く走り続けて欲しいという一ファンの願望はともかく、列車として東京~大阪間という需要が見込める区間を走っており、走っている時間帯も決して悪くはないだけに、何とかならんかったのかという思いが強い。車内設備と暴利な料金を見れば、そら利用せんわなということになるのはわかるが、それはJRが何も努力をしなかった結果と言え、もう少し創意工夫があればブルトレとは違う形になっても銀河は列車として残ったのではないかと思われる。ファンとしてのノスタルジーだけでなく、もっと利用価値があったのではないかという点からも銀河の廃止は残念でならない。

 銀河の廃止は、私にとって銀河が寝台列車初体験列車だったこともあり、他の列車よりより一層の愛着を持っていたこともあったため、残念という気持ちが強い。銀河の初乗車は学生時代のことで、夜行列車はきたぐにとムーンライト高知、ムーンライトえちごなどで経験していたが、寝台列車の経験はなかったので、銀河が初めての寝台列車となった。96年夏のことだったと思うが、関東方面へ鉄旅行した帰りに東京から大阪まで乗車している。当初は大垣夜行で帰るつもりにしていたが、船橋法典の近くで小銭を稼いだので、奮発して銀河に乗ることにした。品川の人が少ないみどりの窓口で少し緊張しながら寝台券を発行してもらったのを思い出す。確か禁煙の下段は一杯だったので、喫煙の下段にした記憶があるが、禁煙の上段にしたような気もする。この辺りは曖昧だが、窓から外を見ながら眠りについたように思うからおそらく下段だったのだろう。ブルトレ初体験の感想は…座席よりも横になれるありがたみはあるが、発車と停車の度によく揺れるので、そのたびに起こされてしまうという現実的な感想だ。ブルートレインに憧れた子供の頃だったらもう少し違う感想を持ったのだろうが、分別がつく大人になってから乗ったのでそれは仕方がないところだ。私が乗った車両は確かアコモ改造車だったと思うが、それなりに綺麗にはなっていたものの、平成の時代の代物ではなかった。もっとも非アコモ車とアコモ改善車ではそれなりに差があり、とりわけ洗面台などは非アコモ車のそれはひどく、こんなものを残しているからブルトレが衰退するのだという典型的なものだった。女性の視点などはまた違ったところもあるだろうが、私としては寝台廻りは料金が高い以外は何とか我慢できるが、よく言われる必ず1度は使う洗面台とトイレについては、“これでは利用者も逃げて行くわな”という印象を受けている。これら諸設備についてはブルトレの純粋な後継車が出ていないので、今に至るまで一向に解消されていないと言える。

 銀河は初乗り以外でも何度も利用しており、寝台列車では一番利用した列車でもある。というより2回以上乗った寝台列車は他ではあかつきだけで、それだけ銀河は愛着のある列車でもある。愛着があるといっても利用の全てが鉄活動をするために時間を有効活用するために乗っていたもので、実務的に利用したことは一度もない。実務的にはどうしても新幹線を利用してしまうし、時間を有効にと言ってもそれなりに疲れが出るので、夜行はやはり敬遠してしまうのが実情だ。てっちゃんの私でこうなのだから、一般人の方はおそらくもっと敬遠すると思われる。体力的に自信がある人や純粋に夜汽車の旅が好きな限りなく鉄に近い人、飛行機や新幹線が嫌いな人などなど本当に限られた人だけが利用する列車となってしまったため、銀河他の寝台列車は衰退してしまったのだろう。ましてや料金が新幹線や飛行機と大差ないのに、ダイヤはそれよりも遅い(有効時間帯まで延々と走り続ける)となると利用価値はないに等しい。銀河は夜行列車としては最高のロケーションで最高と言えるダイヤが組まれていたが、それでも新幹線や飛行機の利便性拡大、高速バスの台頭などで利用者を減らしたのだから、それ以外の寝台列車の利用が減り続けているというのもある意味仕方ないところだろう。今後も夜行寝台列車の淘汰は続き、やがては全廃という時も訪れると思われる。寝台列車の未来を担う列車として285系サンライズエクスプレスが登場して10年経つがその増備車が出ていないことから推察して、サンライズ瀬戸・出雲の将来はあまり明るくないと思われる。それでも同列車に連結されているのびのび座席については14両中2両しか連結されないということもあるが、満席となる日が多く、廉価で横になれるという高速バスなどにはない最大の魅力がある。絶対的需要が大きい東京~大阪間ならのびのび座席主体の編成を組んで、廉価サービスを提供すれば十分夜行バスに対抗できる列車になるはずだ。何とか今とは違った形ででも東京~大阪間の夜行列車を復興させてほしいものだ。



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