(以下コピー)
米国人医師のケント・ブラントリー氏。西アフリカのリベリアの首都モンロビア近郊で撮影。キリスト教系支援団体サマリタンズパース提供(撮影日不明、2014年7月30日提供)。
【AFP=時事】リベリアでエボラ出血熱患者の治療中に自らも感染した米国人のケント・ブラントリー(Kent Brantly)
西アフリカでエボラ出血熱の感染拡大が止まらない。医療インフラが不十分な国々で致命的な病気を抑制するのがいかに難しいかが浮き彫りになっている。感染者にはリベリアの治療センターで活動していた2人の米国人医師も含まれる。エボラ出血熱について、知っておくべきことを5つ挙げた。
1)過去最大規模の流行
ギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国では今年に入ってから1300人余りが感染し、700人以上が死亡している。世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は8月1日、感染は拡大の一途をたどっており、直ちに一層の努力を傾けなければ、人命の損失と経済の混乱は「壊滅的」な規模になりかねないと警鐘を鳴らした。
2)早急な治療が大事
エボラ出血熱の致死率は90%に達することもあるが、医療関係者によると、現在の致死率は70%程度で、助かった人々は早急に治療を受けていた。今のところワクチンも治療法もない。
3)他の病気と似た症状
WHOによると、エボラ出血熱の初期症状は発熱や頭痛、筋肉痛、喉の痛みなどで、マラリア、腸チフス、コレラなどと見分けにくい場合がある。
4)体液を通じてのみ感染
エボラ出血熱のウイルスは空中には浮遊しない。感染するのは、感染者の血液、汗、嘔吐(おうと)物、尿、唾液、精液などに触れた場合だけだ。専門家によると、他人に感染するのは患者の具合が悪くなってからで、それまではたとえ症状が現れ始めても感染力は高くない。
5)今後の対策
WHOは、加盟国と共に1億ドル(約103億円)を投じて対策を強化する方針を示した。ギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国にさらに資金を提供するほか、治療にあたる人員を増やす。米疾病対策センター(CDC)からは50人が追加派遣される