9年連続でパ・リーグが勝ち越すなど、セ球団には鬼門となりつつある交流戦が今日から始まります。セリーグでは昨年唯一ヤクルトが優勝を決めましたが、勝因は持ち前の強力打線でしょう。今年はローテーション投手が揃い、先発投手陣が7回までゲームを作れるチームが抜け出すと筆者は予想します。いかにホームランがセンターから右方向に量産されても、コースを上手く突かれたらそうそう打てないはずです。ホームランが量産されれば大量失点後の大逆転もあるかもしれませんね。
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6月2日終了時点で両リーグの本塁打数は、セ・リーグが326本、パ・リーグが337本。1試合平均にすると、セ・リーグが2.04本、パ・リーグが2.12本となり、ともに昨年の1試合平均(セ・リーグ1.92本、パ・リーグ1.99本)を上回っている。ここ10年のデータを見ても、1試合平均が2本を超えた年はなく、現時点とはいえ、かなりの量産ペースであることは間違いない。ちなみに、統一球導入2年目(2012年)の1試合平均本塁打数は、セ・リーグが1.05本、パ・リーグが0.98本で、今とまったく違う野球が展開されていたことは容易に想像がつく。その後も"統一球"についてはいろいろと注目を集めたが、今は反発係数の基準値内のボールが使用されているはず。ただ、本塁打数や見る者の印象などから、統一球導入直後とは明らかに別次元の飛びが続いており、とくに今年はその印象が強い。
そんなシーズン序盤の傾向を苦笑いとともに振り返ったのが、NPB歴代3位の567本塁打を放った門田博光氏だ。
「テレビで見とっても、センター方向へ飛んでいく打球の勢いが違う。普通、センターのホームランというのはそれなりの打者しか打てないはずなんやけど、今年は『えっ、このバッターが......?』というのがある。またボールに何か起こっとるんとちゃうか」
門田氏の現役時代、ボールに関しては球団ごとに契約メーカーが違い、当然、打球の飛びにも差があった。そうした歴史があったため、ホームランが量産されるとまず話題になるのがボールだ。今年のホームラン増については、メジャーで流行となっている"フライボール革命"の影響や、フェイスガード着用によって打者が内角攻めを怖がらなくなったという声もある。球場の広さについても話題になった。今年からロッテの本拠地であるZOZOマリンスタジアムにホームランラグーンなる席がつくられ、外野フェンスを最大4メートル前に出した。
そこへブランドン・レアードの加入もあって、昨年リーグ断トツ最下位(78本)だった本塁打数は、今年は6月2日時点ですでに66本。堂々のリーグ2位だ。
ソフトバンクの本拠地・ヤフードームも、2015年にホームランテラス席をつくり、左中間、右中間のふくらみをなくし、フェンスも低くしたため、瞬く間にホームランの出やすい球場へと様変わりした。
ちなみに楽天の本拠地・楽天生命パーク宮城も、2016年に左中間フェンスを12球団で最も低い1.65mに下げている。今年は浅村栄斗、ジャバリ・ブラッシュの加入効果も大きく、ここまで63本塁打(6月2日時点)。球場の大きさ、フェンスの高さが、本塁打数に大きな影響をもたらしているのは間違いない。
門田博光氏が現役の選手に言いたいのは、今の球場にサイズに合わせとったら、1、2年はよくても、すぐに下降線になるぞ、という話や」
ホームランラッシュの傾向はまだまだ続くだろう。しかしそれに浮かれていては、数年後、自分の思い描くバッティングができなくなるかもしれない。いくら球場が狭くなり、ボールが飛びやすくなったとしても、常に求めるのは「完璧な当たりでのホームラン」である。数々の記録を残してきた伝説のホームランアーチストの言葉は重い。