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80歳でフェイスブックへの投資を「たった5分考えただけで」決めた総資産3.5兆円・李嘉誠氏中国撤退終了か?

2019-06-18 09:55:44 | 日記

常に危機感を持ち、資料を集め、あらゆるケースにおける経営のシミュレーションを欠かさない。最悪の事態も想定し、弱点をチャンスに変える方法を考えている。アジアで一番影響力のある香港大富豪の李嘉誠氏が中国本土からほぼ撤退です。李嘉誠氏は決してリスクを恐れてチャンスを見逃すタイプではない。会社に急成長をもたらした転換点ともいえる出来事が、文化大革命や天安門事件であるように、世間的に見ればあり得ない危機にも立ち向かい、大きなリターンを得てきた。その天才的な投資家が上海で所有する最後の大型物件「高尚領域」を手放しました。中国バブル崩壊の予兆??

以下抜粋コピー

 5月15日付けのブルームバーグは消息筋の情報を引用し、李氏は上海にある200億人民元規模の大型物件を売却すると報じた。

 報道によると、売却対象となる「高尚領域」は、上海市普陀区の中心部に位置する延べ面積120万平米に上る大規模複合開発プロジェクト。官庁や高級住宅、商業施設、高級ホテルを併設するランドマーク的な存在であり、また李氏傘下の長江和記実業(CKハチソンホールディングス)が上海で所有する最後の大型開発プロジェクトでもある。

李嘉誠氏の中国資産(香港を含む)はすでに総額ベースで1割にまで縮小し、その売却資金のほとんどが欧州等の投資に流れたという。李氏は過去6年にわたって段階的に撤退し、中国からフェードアウトした。現在はいわゆる最終段階の「後片付け」に入っている。

 李嘉誠氏の中国撤退は、先見の明があった。7年前、2012年の中国経済はリーマンショックから回復し、絶好調だった。栄枯盛衰は世の習いとはいうが、あの時点で李氏は今日の米中貿易戦争まで正確に予測できなくとも、概ね世の流れを正しく読んだといえる。

 今、米中貿易戦争が激化するなかで、対米輸出の問題にとどまらず、中国経済全体に異変が起きつつある。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の経済学者、兪偉雄氏は台湾系中国語メディア「大紀元」の取材に対し、米中貿易戦争の激化・長期化で中国当局が直面する最も深刻な課題は、各国企業の中国撤退が加速化することだと指摘した。

 「過去30~40年間、世界の工場とされた中国には、世界各国企業の製造拠点が集中した。米中の戦いの激化によって、このサプライチェーンが崩壊の危機にある」

 サプライチェーンの移動について、兪氏は「現在中国で生産されている製品のほとんどは輸出向けだ。米国の関税引き上げで、中国に進出する製造企業の競争優位性が低下し、台湾企業や韓国企業、日本企業、米国企業が今後それぞれ自国、または東南アジア諸国に生産移管するのは、大きな流れになってくるだろう」と分析する。

 中国市場を対象にしていない製造業は、一刻も早く中国から撤退しないと、新たなサプライチェーンの構築や競争に乗り遅れるわけだから、必死だ。産業の中核は何といっても、このサプライチェーンである。

最近、台湾系中国語メディアの間では、ある流行語がもてはやされている――「非紅供応鏈」――「ノンレッド・サプライチェーン」、あるいは、「非赤供給網」。要するに、共産政権である赤色中国以外の供給網のこと。中国語の漢字から「供給網」と訳されることもあるが、少し説明が必要だ。日本語の「供給網」はしばしば「部品供給網」と理解されるが、「サプライチェーン」とは、ある製品が原料の段階から消費者に至るまでの全過程のつながりのことを意味し、厳格にいうと広範囲を網羅する「包括的供給網」である。

 米中のイデオロギー対立に基づく対決の姿勢が際立ち、貿易戦争はもはや通商の次元を超えて「新冷戦」化している。このため、中国の「赤色供給網」は狙い撃ちされていると言っても過言ではない。

「台湾経済は短期的に、米中貿易戦争からマイナス影響を受けるが、それで多くの台湾企業が投資を台湾に戻すから、国内では新たな産業集積が形成されるし、さらに東南アジアとの協力によって、『非赤供給網』ができあがるだろう」との見方を示し、「台湾企業が東南アジアの国々で『赤色供給網』以外のサプライチェーンを作り上げれば、向こう20年以内に、世界で中核サプライチェーンの役割を演じることになるだろう」と指摘した(5月15日付け台湾・民視影音報道)。

 「非赤供給網」は単一国家でなく、複数の国・地域に分布するだけに、いまのような中国一国集中のリスクが低減される。さらに各国は得意分野に応じて異なる役割を引き受けるという合理性もある。たとえば、ベトナムが労働集約型の製造基地となれば、台湾はハイテク産業の中核を担う。このように形成された地域にまたがる「非赤供給網」はインド洋から南シナ海、台湾海峡、東シナ海、日本海までとつながり、地政学的に自ずと「非赤シーレーン」を形成し、地域安全保障上のアドバンテージとなる。

 一方、サプライチェーンが中国から転出した場合、中国経済は弱化する。輸出型の加工製造業を中心に運営してきた中国は新たな成長源を見つけない限り、大問題となる。大量の外資撤退だけではない。輸出系の中国企業も海外への脱出に乗り出す。相次ぐ企業の撤退や脱出に伴い、産業空洞化が進み、失業も急増する。この辺、中国ではすでに異変が起きつつある。

中国では今年、過去最大となる約834万人が大学を卒業する見通し。米中貿易戦争の激化に伴い、外資企業の撤退だけでなく、中国系製造業もアジアへの移転に動き出している。リストラの急増とともに、新卒の需要が大幅減少している。中国にとっては経済よりも失業問題が最大の危機となるだろう。

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