攻勢を強める野党に対して、安倍政権の関係者からこんな声も。むしろ争点にしてくれよ。長生きするようになり、2,000万を政府が補填というのはどのみち無理。その議論を置いておいて「100年安心プラン」を批判するから、野党は自らの首を絞めている。2000万円どころか、下記のように不足額は3,660万円。生活レベルを落とさず、年金だけではやっていけないのは誰でも分かることなのです。選挙目当ての野党の口車に乗せられ、騒いで政府に要求すれば、その付けは将来世代にのしかかるだけ、惨めにならない様に長く働くなど対策を打つべきです。
以下抜粋コピー
(老後資金の)不足額の総額は単純計算で1300万円~2000万円になる
そんな記述を含んだ金融庁の「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」が波紋を呼んでいる。この51ページにも及ぶ報告書が発表されたのは6月3日のこと。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんは、報告書を読んだ率直な感想をこう語る。
「老後のために、2000万円ほどの貯蓄が必要という試算は、民間では言われてきたことではあります。でも、省庁が“年金だけでは足りない”と表現したことはなかったかもしれません」
――年金は100年安心
政府はずっとそう喧伝してきただけに、“年金だけで生きていけない”という内容への反発は激しい。
「これからの世代は、ますます年金だけでは生活できなくなっていく。さらに、長寿にもなっていくので、たとえ金融資産があっても、途中で尽きてしまうかもしれない。そのため、『資産寿命』を延ばすことが必要だと、報告書では強調されています」(風呂内さん)
「資産寿命」とは、報告書によると、<老後の生活を営んでいくにあたって、これまで形成してきた資産が尽きるまでの期間>。これが尽きてしまえば、後は年金だけで生活するほかなくなる。
報告書では人生を3つの期に分けて、「資産寿命」の延ばし方を指南している。
【現役期】資産形成期
このころから、投資によって資産を増やすことが必要だという。
税制面で優遇が行われている「つみたてNISA」と「iDeCo」が報告書で推奨されているほか、<日経平均だけに積立投資するよりも、米国NYダウと組み合わせた方がトータルリターンはさらに大きくなり>2など、具体的なアドバイスまで。
「<保有期間が5年ではマイナスリターンも発生するが、保有期間が20年になるとプラスリターンに収斂>とあるように、長期間投資するほど、有利な結果になりやすいということです」(風呂内さん)
【リタイア期前後】運用・取り崩し期
退職金がある人はそれを踏まえた老後計画を立てる必要があるが、年々退職金の額は減っているという。
'02年には平均2600万円ほどあった退職金は、'17年には2000万円まで減っている(常用労働者が30人以上の民営企業、大卒者)。
ここで、報告書が提案するのが、老後も働き続けることだ。第一生命経済研究所の首席エコノミストの永濱利廣さんは、「健康寿命が延びているのだから、昔と比べて現役世代が長くなるのは仕方ありません」と語る。
だが、現役時のような給与水準は、再雇用前と比べて、平均65.4%まで下がるという。'16年度の調査では、65歳から69歳の男性の55%、女性の34%もの人が働いていて、これは世界でも高い水準にあるという。
「現状でも、年金や貯蓄の関係から“働かざるをえない”という人もいるでしょう。今後、働く高齢者はより増えていくと考えられます」(風呂内さん)
【高齢期】資産管理期
働くことによる所得は期待しづらく、年金と資産の取り崩しで生きていく必要がある。ここで大切なのが、“支出の削減”となるが、すでにリタイア期から習慣づけていることが望ましい。
「携帯料金やガス料金の見直しなど、生活水準を下げずに取り組む節約という方法も。まずは家計=経済に対してアンテナを張っておくことです」(永濱さん)
さらに、こんな準備も必要だ。
「認知症などで判断能力が低下すると、資産を思うように利用できなくなったり、失うこともあります。そうなる前に、資産の扱いを決めておきましょう」(永濱さん)
うまくやれば、「人生100年時代」にも対応できると、報告書にはあるが……。年金生活に入る前に2000万円を貯めておく――そんな“絵に描いた餅”が食べられなかった場合、飢えてしまうのは自分自身である。
❷まず2,000万円の根拠を説明しよう。金融庁の報告書によると、高齢の無職夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の1カ月の平均的な収支は以下の通り。
実収入 月 209,198円
実支出 月 263,718円
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赤字額 月 54,520円
つまり、1カ月に約55,000円の赤字が発生することになるのだが、もちろんこれは貯蓄などの金融資産などから補填しなければならない。赤字の額は年間で66万円になるので、この生活が30年続けば1,980万円となる。ここから、「老後のためには2,000万円の金融資産が必要だ」と金融庁は試算する。
だが、金融庁によると、じつは老後にかかるお金はこれだけではないという。この報告書と一緒に公開された資料には「ライフステージに応じて発生する費用等の例」も記載されている。これは生活費などとは別に、結婚や出産などライフステージに応じてかかるお金の平均額を、官民のさまざまな調査から引き出したものだ。これによると、老後にかかるのは以下の通り。
リフォーム:約465万円
健康 or 介護:0~1,000万円
葬儀:約195.7万円
「健康 or 介護:0~1,000万円」は、介護生活になった場合には、1,000万円のお金がかかるということを意味している。つまり、あなたが将来、要介護になった場合は、葬儀費用も含めると、約1,660万円のお金が生活費とは別にかかるということになる。生活費の赤字2,000万円を加えると3,660万円。じつは金融庁の報告書をよく読むと、2,000万円でもぜんぜん足りないのだ。