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米国発『ファーウェイ制裁の衝撃度』第3ステップ重大違反者リスト入りか?

2019-06-13 06:37:53 | 日記

ファーウェイが(第3ステップの)Denied Persons List(DPL。重大違反者リスト)へ進むのは当然だとすると衝撃度は計り知れません。米中貿易戦争は5年・10年では米国が優位に立てるでしょうが、20年後は分かりませんね。結局多数決社会では絶対数が多いほうが勝ちです。非公開企業であるファーウェイの場合、DPL入りしたところで、直ちに資金ショートに陥るわけではないようですが、第4ステップ入りすれば潰されてしまい、リーマン級の衝撃がIT企業を駆け巡るはずです。

以下抜粋コピー

米政府が華為技術ファーウェイ)への部品納入などを禁じた問題で、制裁レベルが引き上げられるとの見方が強まっている。これまで様子見を決め込んできた日本企業に、いよいよ海外戦略を再構築する決断の時が迫っている。ファーウェイを取るのか。それとも、米国を取るのか──。米国が、日本を含めた民間企業に中国・ファーウェイとの取引停止を迫る“踏み絵”とも取れる制裁措置を講じたのは、5月15日のこと。ファーウェイに部材を納入する日系メーカーは約100社、取引額は約7300億円に上ることから、日本でも動揺が広がっている。

 目下のところ、大方の日系メーカーは、ファーウェイら要注意の中国企業と取引を継続することで生じるメリット・デメリットを精査している段階にすぎない。

 だがすでに、この制裁が下る1カ月も前の4月に、ある日系メーカーの名が「米国懸念リスト」に登録されていた。それが、トヨタグループのアイシン精機の中国子会社、愛信(南通)汽車技術中心有限公司である。

 米国による制裁には四つのステップがある(図参照)。第1ステップの“注意”に相当するのが、「Unverified List(UL。未検証リスト)」だ。米商務省は、アイシン精機と同じタイミングで中国企業37組織を一挙にULに加えるなど、引き締めを強化している。

 製品のエンドユーザーに対して、民間技術の軍事転用がないと米国が検証できなかった法人・個人がリストに掲載される。例えば、米政府からの問い合わせのメールに適切に対応しなかっただけで登録されることもあり得る。

UL入りしたアイシン精機の子会社に目立った被害があるわけではないという。だが、一般論としては、ULに登録されると輸出時の申請手続きが免除されなくなり、業務の手続きが煩雑になるなど取引先にも影響を及ぼす。

 アイシン精機関係者は、「必要な情報提供や許可申請は滞りなくやってきた。登録を解除してもらうには、米中両国の監査が必要なのだがその日程は未定のままだ」と頭を抱えている。

 第2ステップの制裁が「Entity List(EL。懸念者リスト)」だ。「未検証」の段階を超え、米国に「害がある」と判断されれば、制裁がELにエスカレートする。

 ELは、まさしくファーウェイが難渋している制裁レベル。米企業からは部品やソフトウエアの調達を止められ、米国以外の企業からも規制品目の購入が制限される兵糧攻めに見舞われている。

 6月のG20大阪サミットなどで、米中和解モードを演出するシーンがあったとしても、長期的には両国による技術覇権、安全保障覇権の争いが激化することは疑いようがない。

ZTEを超える地獄

 そして、その覇権争いの主戦場にいるのがファーウェイである。国の貿易管理に詳しい業界関係者は、「米国の対イラン制裁違反を疑われている経緯もあり、ファーウェイが(第3ステップの)Denied Persons List(DPL。重大違反者リスト)へ進むのは当然だ」と言う。

 DPL掲載企業は、米国市場から締め出され、かつ米国や海外からの輸出もストップされる。多くの金融機関も自主的に取引を停止する。つまりDPLは、サッカーでイエローカード2枚を食らったも同然の措置だ。実際に、2018年4月にDPL入りした中国通信機器大手、ZTEは倒産寸前のふちにあった。結果的に、経営陣の刷新や10億ドルの罰金支払い、監視員の受け入れなど相当な譲歩をして、すんでのところで登録解除に至った。


 しかし、である。ファーウェイを待ち受けるのは、ZTEが経験した以上に過酷な地獄かもしれない。ZTEがイランへの制裁違反を認めて「米国にひれ伏した」のとは対照的に、ファーウェイは米国と徹底抗戦の構えを崩していないからだ。

 ファーウェイは、自社製品を政府調達から締め出す米国防権限法を違憲と訴えたり、オバマ政権時代の元高官をロビイストとして雇ったりと、トランプ政権や米国議会を容赦なく刺激している。

 付け加えるならば、非公開企業であるファーウェイの場合、DPL入りしたところで、直ちに資金ショートに陥るわけではない。ここがZTEとは違うところだ。

 そこで、米国当局関係者の間でまことしやかにささやかれるのが、最終手段の行使である。財務省の「Specially Designated National List(SDN。金融制裁対象リスト)」に登録されると、ドル送金の禁止や在米資産の凍結が行使され、身動きが取れなくなる。

 狭まるファーウェイ包囲網──。米国は、中国を想定して全ての外国企業を対象に規制を厳格化している。中国政府も対米強硬手段を強めることは必至。米国と同様に、中国でも投資・輸出管理ルールなど規制が強化されれば、米中を2大市場に据える日本の製造業にとっては一大事だ。

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