書信至りて深く下情を慰む。雪寒し。
伏して惟れば、止観の座主、法友の勝れたることは常なりと。
貧道の易く量るらくは、貧道と闍梨と契りて積むこと年歳有りと。
常に思わくは、膠漆の芳しさと、松柏の凋まざるとなり。
乳水の馥は芝蘭とともにいよいよ香ぐわし。
止観の羽翼を舒べて、高く二空(人法両空のこと)の上に翥(とびあが)り、
定慧の驥騮(きりゅう)を騁(は)せて遠く三有(三界のこと . . . 本文を読む
「病床でのお四国遍路」(T・R女史。日本巡礼記集成)
「・・私は大連で結核に罹り五か月寝ていましたが故郷のほうが空気が良いからといわれて故郷の愛媛の実家に帰りました。しかし何年かして終戦を迎えても一向に回復しません。むしろ衰弱する一方でした。恐れられている結核だけに実家では兄弟親戚に疎まれて苦悩は筆舌に尽くせないものがあり神仏にお縋りする気さえも起こりません。
もう絶体絶命という気持ちになっていた . . . 本文を読む
運命の確定していないものは般若波羅蜜多を読誦すれば好転する。
「問うて曰く、現に(般若波羅蜜を)受持し読誦することありて軍陣地に入るも刀兵のために傷つけられあるいは命を失ふに至る。又仏は業因縁は非空非海のなかにも免るる事を得る者あることなし、と説き給えり(法句経悪業品に「空中に在りても海中にありても・・罪業より脱すべき方所なし」)。この中に仏は何を以ての故に般若を読誦する者は軍陣中に入るも兵刃に . . . 本文を読む
地藏菩薩本願經卷上 閻浮衆生業感品第四(地蔵菩薩は、若し殺生の者には短命の報を、竊盜者には貧苦の報を説き、邪婬の者には雀鴿鴛鴦の報(鳥の苦しみ)を説き、惡口の者には眷屬鬪諍の報を説き、毀謗の者には無舌瘡口の報を、若し瞋恚の者には醜陋癃殘(醜い姿)の報を、慳悋の者にはば所求違願の報を、飮食無度の者には飢渇咽病の報を、畋獵恣情(欲情のままに獲物を捕る)の者には驚狂喪命の報を、若し父母に逆う者には天地 . . . 本文を読む
古来ご宝号の有難さに涙した信者の方は数知れません。私の生母もことあるごとに「南大師遍照金剛」とお唱えしていました。おかげで様々な試練を乗り越えてくることができました。この御宝号がありがたいというのは、御大師様の御遺告にあったのです。
「祖師吾顏を見ずと雖も心あらんものは必ず吾が名號を聞きて恩徳之由を知れ。是れ吾が白屍之上に更に人の勞を欲するに非ず。蜜教の壽命を護り繼ぎて龍華三庭を開かしむべき謀也 . . . 本文を読む
「真言密教の実修」(栂尾祥雲)より
「・・真言密教は有限にして無限を生き、永劫を流るる大生命体に合一して、至大至剛の力を体得し、その体得せる神秘の力をもって、あらゆる災悪をはらい、福利を増進し、ひいては即身成仏の妙果をも招来することができるとするのである。・・」 . . . 本文を読む