福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

真言密教はいかなる重罪の者も助からぬといふことなし

2020-08-21 | 諸経


「真言宗義章」(真言宗各派聯合法務所編纂局 1916))に

「第六 顕密対弁章
真言陀羅尼の法門に依る時はいかなる罪人も助かり成仏を得ることができる。)
真言密教はいかなる重罪の者も助からぬといふことなし。この故に六波羅蜜経に「或は又、有情、諸の悪業・四重八重五逆無間罪謗法等経一闡提等種々の重罪を造れるを消滅する事を得しめ速疾に解脱し頓悟涅槃すべきものには而も彼が為に諸陀羅尼蔵を説く」(大乘理趣六波羅蜜多經・序に「若彼有情樂處山林。常居閑寂修靜慮者。而爲彼説素咀纜藏。若彼有情樂習威儀。護持正法一味和合令得久住。而爲彼説毘奈耶藏。若彼有情樂説正法分別性相。循環研究竟甚深。而爲彼説阿毘達磨藏。若彼有情樂習大乘眞實智慧。離於我法執著分別。而爲彼説般若波羅蜜多藏。若彼有情不能受持契經調伏對法般若。或復有情造諸惡業四重八重五無間罪謗方等經一闡提等種種重罪。使得銷滅速疾解脱頓悟涅槃。而爲彼説諸陀羅尼藏。」とあり)四重五逆謗法闡提の輩までもこの法門において一たび信を生ずるときは速疾に解脱し頓悟涅槃すべしと見られたり。是れ全く三密加持の法門の力強きがゆえなり。秘密法門を大那羅延力金剛の法門と言は、これが為なり。故に陀羅尼集経の第三巻には念仏と真言との功徳勝劣を説きて「その誦を呪する功徳は状ち日月の光に等しく、念仏の功徳は夜灯の光に同じ。具に譬へることを得ず」(陀羅尼集経第三巻に「其誦眞言功徳力。状如日月之光。念佛功徳同夜燈之光。不得其比。」とあり)。之に加えて、弥陀の誓願若し五逆謗法の罪人を救うことありとも、尚ほ是れ縁生浄土の分にして成仏にはあらず。設ひ若し往生即成なることありとも尚ほこれ顕教の分際なるがゆえに化城権佛の果にして究竟真実の成仏にはあらず。しかるに真言陀羅尼の法門に依る時はこれらの罪人も究竟真実の成仏を得べし。」

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