福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日現在「タイガーマスク」運動とも云うべき寄付が27件にのぼっているということです

2011-01-11 | 法話
このような寄付を仏教では布施といいます。
布施は、梵語では「檀那(旦那)(ダーナ)」といい、慈悲の心をもって、僧や他人に財物などを施すことで、我々が修行すべき六波羅蜜のひとつです。この時施す人も施される人も施す物品も本来的に空であり、執着心を離れてなされるべきものとされ「三輪清浄」といいます。タイガーマスクの皆さんは匿名で寄付しており、まさにこの「三輪清浄」を満たしていると思います。

こういう不景気で自分の将来も不安な時にこういう布施をできるというのはまさに仏性のなせる業です。仏性とは、仏の性質・本性のことで、主に『涅槃経』で説かれています。『法華経』では「仏種」、『勝鬘経』では「如来蔵」といわれますが皆同じで仏たる性質を我々凡夫が心の底に有しているということです。

仏教では、この仏性を自由自在に発揮し、他の衆生の苦しみをも救っていくことで自身の運勢をも越えていくことが出来るとします。

先にも書きましたが広瀬淡窓は「万善」を達成して子孫を繁栄させました。四国でも遍路への「お接待」はいまもありますし、千人の遍路に宿を無料で提供する「千人宿」と云う風習もこの間までありました。

お大師様も「兼愛は受楽の因、大悲は抜苦の本なり。」(性霊集「三島の大夫、亡ぜし息女のために法花経を書写し供養する講説」)(自他のくべつなく愛することは楽を受ける因であり、大きな慈しみの心で他を利することは苦を抜くもとである。)とおっしゃっています。

自分のことを忘れて利他行に励めばその人はその瞬間に救われているのだということです。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今朝の行雑感 | トップ | 理趣法七座目の有り難さ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

法話」カテゴリの最新記事