福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

妙法蓮華経秘略要妙・観世音菩薩普門品第二十五(浄厳)・・30

2024-01-30 | 諸経

妙法蓮華経秘略要妙・観世音菩薩普門品第二十五(浄厳)・・30

五には婦女身。

「應以長者居士宰官婆羅門婦女身得度者。即現婦女身而爲説法。」

「婦女」とは夫を持てる女なり。説文に婦は服なり。女、箒を持して灑埽するに从(したがふ)也(說文解字第十二篇下「女適人也。白虎通曰。嫁者、家也。婦人外成以出適人爲家。按自家而出謂之嫁。至夫之家曰歸。喪服經謂嫁於大夫曰嫁。適士庶人曰適。此析言之也。渾言之皆可曰適。皆可曰嫁。从女。家聲。古訝切。古音在五部」)。徐が曰、姑に対して婦と曰。服は事を勤むるなり。禮記には士の妻を婦人と云。夫に服事するなり(禮記/曲禮下「天子之妃曰后,諸侯曰夫人,大夫曰孺人,士曰婦人,庶人曰妻。」)。是は女人を教化するには其の類を以て化するに便りある故に婦女の身を現ずるなり。

問、何ぞ小王の婦女を明かさざるや。

答、王家には女を禁じて卒尒に出ることを許さず。故に他を化度するに便なければ説かず。但し妙音品の如きは、王の後官に於いては變じて女像と為るといへり(妙法蓮華經妙音菩薩品第二十四「乃至、王の後宮に於ては、變じて女身と爲つて是の經を說く。」)。今又準知すべし。

六には童男女身。

「應以童男童女身得度者。即現童男童女身而爲説法。」

「童男童女」とは、梵には那囉(なら)、唐には童男と云。梵には那哩、唐には童女と云。釈名には十五を童と曰といへり。是則ち下の妙荘厳王の二の子、浄蔵・浄眼の如きなり(「浄蔵・浄眼」とは、法華経の「妙荘厳王本事品第二十七)に出てくる二人の兄弟の名で、二人の兄弟が母・浄徳と共に、外道の教えに執着している父・妙荘厳王を仏道に帰依させた話が説かれている。)又新華厳の六十五には南方の名聞國の河渚の中に自在主童子と云者ものありて、十千の童子と共に沙を聚めて戯れをなして善財童子を教化せしことあり(大方廣佛華嚴經卷第六十五入法界品第三十九之六「周遍求覓自在主童子。時有天龍乾闥婆等。於虚空中。告善財言。善男子。今此童子。在河渚上。爾時善財。即詣其所。見此童子。十千童子。所共圍遶。聚沙爲戲。善財見已。頂禮其足。遶無量匝。合掌恭敬。却住一面。白言。聖者。我已先發阿耨多羅三藐三菩提心。而未知菩薩云何學菩薩行。云何修菩薩道。願爲解説。自在主言。善男子。我昔曾於文殊師利童子所。修學書數算印等法。即得悟入一切工巧神通智法門。・・・。」)等は権化の童子なり。又大佛頂經には、童男童女と現じては童真の行を教へて成就せしむと云へり(大佛頂首楞嚴經第六卷「若有些眾生,願保持童貞身,天真未洩,男根不壞,我就到他們的面前,現童男身,為其說法,令其成就。 若有處女愛樂處身。不求侵暴。我於彼前現童女身。而為說法。令其成就・・」)。此又観音所現の身なり。

(妙法蓮華経秘略要妙巻の八・畢)

 

 

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