福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日の定例会模様

2017-11-18 | 開催報告/巡礼記録

今日も天気予報は雨でしたが実際は曇り空でほとんど雨にもあわずお参りできました。
今日は18日でご本尊様の御開帳の日です。境内には五色の幡がはためいています。「幡(はた)」はサンスクリット語のパターカー(patākā)という言葉に由来し、仏や菩薩を荘厳・供養するために用いられるものです。また、『維摩経』によれば降魔の象徴とされ、幡を立てることで福徳を得て長寿や極楽往生につながるとされています。仏具大辞典によると「幡はもともと武人が戦場において自己の武勲を敵味方にアピールするためにたてた旗の事であった。古くから仏教に取り入れられ武勲のシンボルである旗が、佛菩薩の降魔の威徳を顕示する具として用いられた。「維摩経註」に「外国は敵を破るに則ち勝幡をたつる。道場は魔を降し亦その勝相をあらわして曰う」という。また幡は佛菩薩の降魔の威徳を顕示するものであるから、幡そのものに降魔や延寿などの福徳があると説かれ、『灌頂経』には「われまた黄幡を造作し、刹上に懸著せんことを勧む。福徳を獲て八難の苦を離れ、十方諸仏の浄土に生ずることを得せしめん。幡蓋を供養せば心の所願にしたがって菩提を成ぜん。」と幡の造立と供養の功徳を説いています。五色の白赤黄青黒(胎蔵界の五色の順番で表示)の意味はそれぞれ、
胎蔵界五佛でいえば順に大日、宝幢、開敷華王、無量寿、天鼓雷音となり、
五智でいえば順に、法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智となり、
方角でいえば順に、中、東、南、西、北となり、
五大でいえば順に、水、火、地、空、風となり、
五転でいえば順に、方便究竟、発心、修行、菩提、涅槃となります。

日本へは仏教伝来と共にもたらされています。日本書紀巻十九欽明天皇十三年(552)条に「冬十月、百済聖明王、西部姫氏達率、怒唎斯致契等をつかわし釈迦仏金銅像一躯、幡蓋若干、経論若干巻を献ず」とあり、同じく巻二十二推古天皇三十一年(622)条には「秋七月、新羅遣大使奈末智洗爾を遣わし、任那遣達率奈末智を遣わす。並び来朝す。仍ち仏像一具及金塔并舍利且大灌頂幡一具小幡十二条を貢ぐ。・・・余の舍利金塔灌頂幡等は皆な四天王寺に納む」とあります。  

今日も不思議なことがありました。
いつものように3時に始めましたが、本堂に見知らぬ老若男女がいっぱいなのです。50人くらいいたかもしれません。中には小さい声で「3時からでしょう」などとと言っている人もいます。私はとりあえず講のみなさんと読経を始めましたが、小さい声ですがここかしこで唱和する声が聞こえます。見知らぬ人たちが一緒に読経してくださっているようでした。張り合いが出ていつもより一層声を張り上げてお勤めをおえました。読経がおわると講員の人たちの後にすごい数の人たちが焼香台に列をなしています。本当にびっくりしました。
最近護国寺に限らず神社仏閣のお参りの人が増えた感じがしていましたが今日ほど実感したことはありません。日本的霊性が目覚め始めている気がしてなりません。

もっとも今日もお茶会があったらしく高級和服の中高年のご婦人が境内をそぞろ歩いていましたがこういう方たちは殆ど本堂には入ってきません。本堂に入ってきて一緒に観音経をあげた人たちは若年層が多いように見受けられました。9月の定例会の時も、70代と思しき一団が大師堂の前で手も合わせず説明を聞いていたのに対し、水掛け地蔵様の前では3歳くらいのかわいい男の子を連れた若い父親が「いつもお守りいただいてありがとうございます」と拝んでいたのを思い出します。
こういう場面を見ていると改めて「若者はすばらしいが中高年は救いがたい」思いをし、「縁なき衆生は度し難し」という言葉(「出定笑語講本」)を思い出します。しかし本来仏教は「一切衆生悉有仏性」を説きます。遺教経にも お釈迦様が「応に度すべき者は、 若しは天上人間皆悉く既に度す。 其の未だ度せざる者には、 皆亦己に得度の因縁を作す。」 ( お釈迦様が救うべきものは、 天上界であれ、 人間界であれ、 生きとし生けるものは、 皆全て救い終わった。 まだ救われてないものにも、 何時の日にか必ず救われるという縁を作って おいた。 )とあります。いまは機縁が熟してなくてもこうして護国寺に来ている以上いつの日か必ず仏縁に掬い取られる日がくることを信じます。

実際かくいう自分自身も若いときはまったく無頼・不信心の時もあったのです。そういう度し難いものでも仏さまは救ってくださるのです。
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