福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 6/14巻の5/22

2024-08-17 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 6/14巻の5/22

五童子戯れに地蔵を造る霊験

中古園城寺に児(ちご)侍りき。生年十二の時戯れに法師の形を作り刻み、これぞ地蔵菩薩よと童子等相語らひ香花を供養して根堂(こんどう)の佛壇に安置し奉りけり。僧形に成り修学形の如く勵み、顕密兼学の法侶と成り五時(華厳・阿含・方等・般若・法華涅槃)八教(蔵教・通教・別教・円教。頓・漸・不定・秘密)を口に誦し秘密上乗の月胸に澄めり。其の名を静照(鎌倉時代の臨済宗僧。法海派の開祖。 19歳で宋に渡り,径山の石渓和尚に5年間師事して印可を受け,諸山を訪れて 14年とどまり,文永2 (1265) 年帰朝。京都の仏心寺をはじめ諸寺に歴住)とぞ申しける。延齢(年齢)三十年俄然として病苦逼迫して終に黄泉の旅に趣けるに真言止観の頥ろ(おぎろ・広大・深遠)も由無ふして閻王の使に捕へられて黒山の麓に到る。爰に大坑有り、静照を件の闇坑に入れしむ。其の足、天を踏み、頭地を頂き倒に堕入こと矢の如く早し。其の時に當って万事忙然として唯苦患のみなり。遂に閻王の廳の庭に跪き眼を廻らして四方を顧みるに無量の罪人種々の呵責にあつ゛かり悲み叫ぶ其の音唯千万の雷の如し。静照詮方無くしてをののき居る所に貌相端正なる小僧一人出来て言まはく、吾は汝が小童にして戯れに造る所の地蔵菩薩也。結縁の力を以て晝夜汝を守護して離るる事なし。故に亦爰に来れり。但し汝に自讃毀他の罪障有り。茲に依って羅刹の為に召され何としてか鮮脱する事を得んやと。即ち静照が手を引いて大王の廳の庭に行き向って罪を乞ふて命を續て返魂し玉ふと思ければ即時に蘇生してけり。静照人心付て後に人集って冥途の事を問ふに、偏に地蔵薩埵の御助のさまを具に語て泣きにけり。聞く人袖を潤す。且亦静照速やかに大菩提心を発して三諦即是(空仮中の三諦は本来一体。三諦円融)の春の花は慢心の悪風に飛び五智平等の秋の月は貪瞋の暗雲に隠ると云へども大悲の教は胸を指すが如し。いつの世にか忘れ奉るべきとひそかに本寺の學道を抛って三界流浪の行者と成りて名聞利養の垢をけつ゛りけるとぞ。

引証。十輪経に云、假使人有りて其の弥勒及び妙吉祥幷に観自在普賢之類に於いて而も上首と為る殑伽沙に等しき諸大菩薩摩訶薩の所に百劫中に於いて至心歸依稱名念誦禮拜供養して諸の所願を求めんにおいては人有りて一食の頃に於いて地藏菩薩を至心歸依稱名念誦禮拜供養して諸の所願を求むるに如かず(大乘大集地藏十輪經序品第一「假使有人於其彌勒及妙吉祥并觀自在普賢之類而爲上首殑伽沙等諸大菩薩摩訶薩所。於百劫中至心歸依稱名念誦禮拜供養求諸所願。不如有人於一食頃至心歸依稱名念誦禮拜供養地藏菩薩求諸所願速得滿足。所以者何。地藏菩薩利益安樂一切有情。令諸有情所願滿足。如如意寶亦如伏藏。如是大士。爲欲成熟諸有情故。久修堅固大願大悲勇猛精進過諸菩薩」)

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日は元の国書を拒絶し攘夷... | トップ | 今日は日本史上初めての放生... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

先祖供養」カテゴリの最新記事