福聚講 12月17日 会合模様
12月17日(木)6時から高円寺の長仙寺にて福聚講の集まりが行われた 6時から本堂にて礼拝のあと四国霊場会会長、四国26番住職定額僧、坂井智広師にご法話をいただいた 嵯峨天皇の時、各宗派の考え方を求められた際にお大師様がお書きになった、十住心論 をテキストとし、引用しながらのお話であった 以下お話の要点
日本には何千年の間、神道、儒教、道教、仏教を統合した文化があり世界的に優れたものである 最近アメリカオバマ大統領も 寄せ集めの文化の時代 と言っておられるようだが、日本人は昔からその文化の中で育まれている
十住心論は本来十分時間をかけて学ぶものであるが簡潔に解説する。
(十住心とは
一異生羝羊心 - 煩悩にまみれた心
二愚童持斎心 - 道徳の目覚め・儒教的境地
三嬰童無畏心 - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地
四唯蘊無我心 - 小乗仏教のうち声聞の境地
五抜業因種心 - 小乗仏教のうち縁覚の境地
六他縁大乗心 - 大乗仏教のうち唯識・法相宗の境地
七覚心不生心 - 大乗仏教のうち中観・三論宗の境地
八一道無為心 - 大乗仏教のうち天台宗の境地
九極無自性心 - 大乗仏教のうち華厳宗の境地
十秘密荘厳心 - 真言密教の境地)
十住心論の 三 までは日常の生活の中の事である 五 までは小乗仏教の二つの心の段階だが、 六 からはすべての衆生を救う、他縁大乗住心の段階に入り、 七 では ゼロの概念を発明した ナーガルジュナ の中論 を用いて心の原点に帰って自由の境地に入ることが書かれている 金星を窓口としてこの原点になる宇宙観を広げることも良く言われている そして 十 では、言語、分別を超えた境地に入ることが述べられている 六から直接 十 に直接飛ぶこともあり得る
最近では、たとえば、何か調べたいものがあって人に頼むと、インターネットを使ってあっという間に断片的な結論を持ってくるが、インターネット世界の情報内容は玉石混交であり趣旨は何であるのかを、十住心論のステップと同様に良く考えた上で使うべきだ また最近のエコブームは 節約すること をテーマにしているように思えるが、本来のエコとは十住心論にあるようなこの世界の大きな循環を感じながらの行動であるべきだと思う また巡礼の時にも 同行二人 とあるのを 弘法大師にお願いする といったように極端に他力的に捉える風潮があるがこれも 我々は、個我ではない我となるべきものである との信念を持って行動すべきである また最近は己のことで行き詰ったと思って精神を患う人も多いが、ひたすら四国巡礼をすれば案外治ってしまうものである 頼りにする 金剛杖 にはこの宇宙の基本 地、水、火、風、空 が記してありそれを考えながら巡礼することである 人間、いずれは命が尽きるものであり、いざと言う時はこの金剛杖がそのまま卒塔婆になる、という位のつもりで巡礼すれば全ては解決する また最近は 無 という考えが多いように思うが、これは 空 という風に考えたほうが全てにやり易い 空 は仏教の基本、縁起論から出発したもので般若心経にも沢山この言葉が出てくる 般若心経は簡単だが大変優れたお経であり、これを基本に据えておくのが良い 心経の終わりの ギャーテイ ギャーテイ と言うのも、皆でやりましょう と言っている呪であり、狭い個我を離れた世界に入り安寧を得ることができる
正しいこととは 先入観を持たない 本末を転倒しない 両極端に立たない という事である
ご法話のあと質疑があり最近の世相などについてのお考えも伺った
長仙寺の会合の後、坂井師もご参加いただいて、隣の がぶり で有志により会食後解散
文責 細田
12月17日(木)6時から高円寺の長仙寺にて福聚講の集まりが行われた 6時から本堂にて礼拝のあと四国霊場会会長、四国26番住職定額僧、坂井智広師にご法話をいただいた 嵯峨天皇の時、各宗派の考え方を求められた際にお大師様がお書きになった、十住心論 をテキストとし、引用しながらのお話であった 以下お話の要点
日本には何千年の間、神道、儒教、道教、仏教を統合した文化があり世界的に優れたものである 最近アメリカオバマ大統領も 寄せ集めの文化の時代 と言っておられるようだが、日本人は昔からその文化の中で育まれている
十住心論は本来十分時間をかけて学ぶものであるが簡潔に解説する。
(十住心とは
一異生羝羊心 - 煩悩にまみれた心
二愚童持斎心 - 道徳の目覚め・儒教的境地
三嬰童無畏心 - 超俗志向・インド哲学、老荘思想の境地
四唯蘊無我心 - 小乗仏教のうち声聞の境地
五抜業因種心 - 小乗仏教のうち縁覚の境地
六他縁大乗心 - 大乗仏教のうち唯識・法相宗の境地
七覚心不生心 - 大乗仏教のうち中観・三論宗の境地
八一道無為心 - 大乗仏教のうち天台宗の境地
九極無自性心 - 大乗仏教のうち華厳宗の境地
十秘密荘厳心 - 真言密教の境地)
十住心論の 三 までは日常の生活の中の事である 五 までは小乗仏教の二つの心の段階だが、 六 からはすべての衆生を救う、他縁大乗住心の段階に入り、 七 では ゼロの概念を発明した ナーガルジュナ の中論 を用いて心の原点に帰って自由の境地に入ることが書かれている 金星を窓口としてこの原点になる宇宙観を広げることも良く言われている そして 十 では、言語、分別を超えた境地に入ることが述べられている 六から直接 十 に直接飛ぶこともあり得る
最近では、たとえば、何か調べたいものがあって人に頼むと、インターネットを使ってあっという間に断片的な結論を持ってくるが、インターネット世界の情報内容は玉石混交であり趣旨は何であるのかを、十住心論のステップと同様に良く考えた上で使うべきだ また最近のエコブームは 節約すること をテーマにしているように思えるが、本来のエコとは十住心論にあるようなこの世界の大きな循環を感じながらの行動であるべきだと思う また巡礼の時にも 同行二人 とあるのを 弘法大師にお願いする といったように極端に他力的に捉える風潮があるがこれも 我々は、個我ではない我となるべきものである との信念を持って行動すべきである また最近は己のことで行き詰ったと思って精神を患う人も多いが、ひたすら四国巡礼をすれば案外治ってしまうものである 頼りにする 金剛杖 にはこの宇宙の基本 地、水、火、風、空 が記してありそれを考えながら巡礼することである 人間、いずれは命が尽きるものであり、いざと言う時はこの金剛杖がそのまま卒塔婆になる、という位のつもりで巡礼すれば全ては解決する また最近は 無 という考えが多いように思うが、これは 空 という風に考えたほうが全てにやり易い 空 は仏教の基本、縁起論から出発したもので般若心経にも沢山この言葉が出てくる 般若心経は簡単だが大変優れたお経であり、これを基本に据えておくのが良い 心経の終わりの ギャーテイ ギャーテイ と言うのも、皆でやりましょう と言っている呪であり、狭い個我を離れた世界に入り安寧を得ることができる
正しいこととは 先入観を持たない 本末を転倒しない 両極端に立たない という事である
ご法話のあと質疑があり最近の世相などについてのお考えも伺った
長仙寺の会合の後、坂井師もご参加いただいて、隣の がぶり で有志により会食後解散
文責 細田