福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国八十八所の霊験・・その71

2018-12-09 | 四国八十八所の霊験
善通寺の朝勤行では20人ほどの僧侶が前讃、理趣経などを唱える間、導師は修法をします。最後に合掌して三国伝来の錫杖をいただきます。これは唐でお大師様が恵果阿闍利から真言八祖の証として授かったものです。


錫杖経には「この音を聞くものはよく一切の苦を除く」とあります。(九条錫杖経 
當願衆生 とうがんしゅじょう
十方一切 じっぽういっさい
地獄餓鬼畜生 じごくがきちくしょう
八難之處 はつなんししょ
受苦衆生 じゅくしゅじょう
聞錫杖聲 もんしゃくじょうしょう
速得解脱 そくとくげだつ
或癖ニ障 さくちにしょう
百八煩悩 ひゃくはちぼんのう
発菩提心 ほつぼだいしん
具修万行 ぐしゅまんぎょう
速證菩提 そくしょうぼだい)

お遍路さんは神妙に頂いています。

そのあと内陣で稚児大師さまに焼香でき、最後に戒壇巡りができます。戒壇めぐりの入り口には「金剛界、胎蔵界の仏、四天王、を両壁に描き、足元には88所のお砂をしてつめている。遍路は諸仏の中を押し分けてすすんでいく浄土の道になっている。」とありました。 なんともいえない有難いことです。


真っ暗な中すすむと明るくなったところがあり、お大師様が説教をされていました。お大師様の骨相を元に専門家が音声を合成したそうです。若々しいしかし厳かなお声でした。「仏縁をいただいていることは有難いこと。1人1人生きることを大切にせよ」とのお話でした。


この場所は丁度お大師様のお生まれになった場所の真下ということです。 回をかさねるごとに深いご縁をいただけます。1回目にお声を聞きまた聞きたいと思っていたらすぐ2回目の遍路にくることができました。その後も何度も伝授で来ることになりました。ありがたいことです。善通寺にはいろいろな伝説が残っているのですがとりわけ遍路に縁のふかいものは寛治年中(11世紀)東寺の定額僧勝実が善通寺の別当で下向したとき感得した大師の御筆に「卜居於高野樹下(居を高野の樹の下に卜して)、遊神於兜率雲上(こころを兜率の雲上に遊ばす)、不闕日々之影ごう(日々之影ごうをかかさず)、検知処々之遺跡(ゆいせき)(処々の遺跡を検知す)」とあったということが塵添壒囊鈔(じんてんあいのうしょう)にもあります。遍路はこの御誓願によりお大師様にお会いできるのです。


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