秘密安心往生要集・・9/42
(七、内院外院荘厳の相の事)。次に荘厳の相を明かさば上生経に曰く「兜率天上に五百萬億の寶宮あり。一一の寶宮に七重の園あり。一一の園、皆七寶所成なり。一一の寶に百億の光明あり。一一の光明の中に五百億の蓮華あり。一一の蓮華化して五百億の七寶の行樹となる。一一の樹葉に五百億の寶色あり。一一の寶色に五百億の閻浮檀金の光あり。一一の閻浮檀金の光中より五百億の諸天寶女を出す。一一の寶女樹下に住立して百億の寶、無数の瓔珞を執りて妙音楽を出す。時に楽の音の中に不退転法輪の行を演説す。其の行樹の菓は頗梨色の如し。一切の衆色、頗梨色の中に入る。是の諸の光明右に旋り婉転して衆の音を出して大慈大悲の法を演説す。一一の垣墻高さ六十二由旬なり。五百億の龍王此の垣墻を囲繞して一一の竜王は五百億の七寶の行樹を雨して垣の上を荘厳す。自然に風あって此の樹を吹き動かせば樹相ふれて苦空無常無我、諸波羅蜜を演説す、と。
是外院の荘厳なり。
次に弥勒菩薩所居の内院の善法堂は四十九重の摩尼殿なり。一一の欄楯萬億の梵摩尼寶の共に合成するところなり。一一の欄楯の間に九億の天子、五百億の天女あり。一一の天子の手中より無量億萬の七寶の蓮華を化生す。一一の蓮華の上に無量の光あり。其の光明の中に諸の楽器を具す。是の如くの天楽鼓ざるに自ら鳴る。此の聲出る時、諸の天女、自然に諸の楽器を執りて競起て歌ひ舞ふ。其の聲
、十善四弘誓願を演説す。諸天聞く者は皆無上道心を発す。時に諸園の中に八色の瑠璃の葉あり。一一の渠に五百億の寶珠あって用ひて合成す。一一の渠の中に八味水あり。八色具足す。其の水上り湧きて樑棟の間に遊び、四門の外に於て四つの華を化生す。水華の中より出ること寶華の流るるが如し。一一の華の上に二十四の天女あり。身色微妙なること諸の菩薩の荘厳身相の如し。手中に自然に五百億の寶器を化生す。一一の器の中に諸天の甘露自然に盈満せり。左の肩には無量の瓔珞を荷佩し、右の肩にはまた無量の楽器を負ふて雲の空に住するが如く、水より出て菩薩の六波羅蜜を讃歎す。若し兜率陀天上に往生する者は自然に此の天女侍御することを得べし。亦七寶の大獅子の坐あり。高さ四百由旬なり。閻浮檀金無量の衆寶を以て荘厳せり。坐の四つの角頭に四の蓮華を生ず。一一の蓮華百寶の所成なり。一一の寶より百億の光明を出す。其の光、微妙にして化して五百億の衆寶雑華荘厳の寶帳となる。時に十方面の百千の梵王、各々に一の梵天の妙寶を以て寶の鈴となして寶帳の上に懸く。時に小梵天王、天の衆寶を持して羅網となして帳の上にまわし覆ふ。爾の時に百千無数の天子天女眷属各寶華を持して坐の上に布く。是の諸の蓮華より自然に皆五百億の寶女を出す。手に白拂を執りて帳の内に侍立す。時に宮の四角に各々四の寶柱あり。一一の寶柱に百千の楼閣あり。梵摩尼珠を以て交絡せり。時に諸の閣の間に百千の天女あり。色妙にして比なし。手に楽器を執る。其の楽の音の中に苦空無常無我諸波羅蜜を演説す。是の天宮に百億萬無量の寶色あり。一一の諸女にも亦同じく寶色あり。爾時に十方無量の諸天命終して皆兜率天宮に生ぜんと願ふ。時に天宮に五大神あり。第一の大神を寶憧と名く。身より七寶を雨らして宮の墻内に散ず。一一の寶珠化して無量の楽器と成って懸って宮中にあり。鼓たざるに自ら鳴る。無量の音ありて衆生の意に適ふ。第二の大神を華徳と名く。身より衆の華を雨らして、宮墻に彌覆し化して華蓋となる。一一の華蓋に百千の憧幡ありて以て導引をなせり。第三の大神を香音と名く。身の毛孔の中より微妙の海彼岸栴檀香を雨す。其の香雲の如くにして百寶の色を作し、宮を遶ること七匝せり。第四の大神を喜楽と名く。如意珠を雨ふらす。一一の宝珠自然に憧幡の上に住在して顕かに無量の帰佛帰法帰比丘僧を説き及び五戒無量の善法
諸波羅蜜を説きて饒益し菩提を勧め助くる音を説くものなり。第五の大神を正音声と名く。身の諸の毛孔より衆の水を流出す。一一の水上に五百億の華あり。一一の華の上に二十五の玉女あり。一一の玉女の身の諸の毛孔より一切の音声を出すこと天魔の后の所有の音楽にも勝れたり。佛優婆離に告げ玉はく、此れを兜率陀天十善の報応、勝妙の福處と名く。若し我世に住すること一小劫の中に広く説くとも一生補処の菩薩の報応及び十善の果をば窮め盡すことあたはじ。今汝等が為に略して解説すと。是内院の荘厳の相なり。
(七、内院外院荘厳の相の事)。次に荘厳の相を明かさば上生経に曰く「兜率天上に五百萬億の寶宮あり。一一の寶宮に七重の園あり。一一の園、皆七寶所成なり。一一の寶に百億の光明あり。一一の光明の中に五百億の蓮華あり。一一の蓮華化して五百億の七寶の行樹となる。一一の樹葉に五百億の寶色あり。一一の寶色に五百億の閻浮檀金の光あり。一一の閻浮檀金の光中より五百億の諸天寶女を出す。一一の寶女樹下に住立して百億の寶、無数の瓔珞を執りて妙音楽を出す。時に楽の音の中に不退転法輪の行を演説す。其の行樹の菓は頗梨色の如し。一切の衆色、頗梨色の中に入る。是の諸の光明右に旋り婉転して衆の音を出して大慈大悲の法を演説す。一一の垣墻高さ六十二由旬なり。五百億の龍王此の垣墻を囲繞して一一の竜王は五百億の七寶の行樹を雨して垣の上を荘厳す。自然に風あって此の樹を吹き動かせば樹相ふれて苦空無常無我、諸波羅蜜を演説す、と。
是外院の荘厳なり。
次に弥勒菩薩所居の内院の善法堂は四十九重の摩尼殿なり。一一の欄楯萬億の梵摩尼寶の共に合成するところなり。一一の欄楯の間に九億の天子、五百億の天女あり。一一の天子の手中より無量億萬の七寶の蓮華を化生す。一一の蓮華の上に無量の光あり。其の光明の中に諸の楽器を具す。是の如くの天楽鼓ざるに自ら鳴る。此の聲出る時、諸の天女、自然に諸の楽器を執りて競起て歌ひ舞ふ。其の聲
、十善四弘誓願を演説す。諸天聞く者は皆無上道心を発す。時に諸園の中に八色の瑠璃の葉あり。一一の渠に五百億の寶珠あって用ひて合成す。一一の渠の中に八味水あり。八色具足す。其の水上り湧きて樑棟の間に遊び、四門の外に於て四つの華を化生す。水華の中より出ること寶華の流るるが如し。一一の華の上に二十四の天女あり。身色微妙なること諸の菩薩の荘厳身相の如し。手中に自然に五百億の寶器を化生す。一一の器の中に諸天の甘露自然に盈満せり。左の肩には無量の瓔珞を荷佩し、右の肩にはまた無量の楽器を負ふて雲の空に住するが如く、水より出て菩薩の六波羅蜜を讃歎す。若し兜率陀天上に往生する者は自然に此の天女侍御することを得べし。亦七寶の大獅子の坐あり。高さ四百由旬なり。閻浮檀金無量の衆寶を以て荘厳せり。坐の四つの角頭に四の蓮華を生ず。一一の蓮華百寶の所成なり。一一の寶より百億の光明を出す。其の光、微妙にして化して五百億の衆寶雑華荘厳の寶帳となる。時に十方面の百千の梵王、各々に一の梵天の妙寶を以て寶の鈴となして寶帳の上に懸く。時に小梵天王、天の衆寶を持して羅網となして帳の上にまわし覆ふ。爾の時に百千無数の天子天女眷属各寶華を持して坐の上に布く。是の諸の蓮華より自然に皆五百億の寶女を出す。手に白拂を執りて帳の内に侍立す。時に宮の四角に各々四の寶柱あり。一一の寶柱に百千の楼閣あり。梵摩尼珠を以て交絡せり。時に諸の閣の間に百千の天女あり。色妙にして比なし。手に楽器を執る。其の楽の音の中に苦空無常無我諸波羅蜜を演説す。是の天宮に百億萬無量の寶色あり。一一の諸女にも亦同じく寶色あり。爾時に十方無量の諸天命終して皆兜率天宮に生ぜんと願ふ。時に天宮に五大神あり。第一の大神を寶憧と名く。身より七寶を雨らして宮の墻内に散ず。一一の寶珠化して無量の楽器と成って懸って宮中にあり。鼓たざるに自ら鳴る。無量の音ありて衆生の意に適ふ。第二の大神を華徳と名く。身より衆の華を雨らして、宮墻に彌覆し化して華蓋となる。一一の華蓋に百千の憧幡ありて以て導引をなせり。第三の大神を香音と名く。身の毛孔の中より微妙の海彼岸栴檀香を雨す。其の香雲の如くにして百寶の色を作し、宮を遶ること七匝せり。第四の大神を喜楽と名く。如意珠を雨ふらす。一一の宝珠自然に憧幡の上に住在して顕かに無量の帰佛帰法帰比丘僧を説き及び五戒無量の善法
諸波羅蜜を説きて饒益し菩提を勧め助くる音を説くものなり。第五の大神を正音声と名く。身の諸の毛孔より衆の水を流出す。一一の水上に五百億の華あり。一一の華の上に二十五の玉女あり。一一の玉女の身の諸の毛孔より一切の音声を出すこと天魔の后の所有の音楽にも勝れたり。佛優婆離に告げ玉はく、此れを兜率陀天十善の報応、勝妙の福處と名く。若し我世に住すること一小劫の中に広く説くとも一生補処の菩薩の報応及び十善の果をば窮め盡すことあたはじ。今汝等が為に略して解説すと。是内院の荘厳の相なり。