SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

京成関屋の廃線跡(千住貨物線)

2012-02-24 | 鉄道・バス

発売中の東京人3月号は鉄道遺構特集(東京鉄道遺産100全解説)
なので、特におすすめなのだが、
まあ、なんだか毎回購入している雑誌だ。
今回は丸田祥三氏もいつにも増して頑張っているのだが、
すっかり時の人というか、花が開いた感じがする。
最初の出版時からファンだと思うが、鉄道少年ぶりは今も変わらない。
そういえば私も幼少期から鉄道少年だったのだが、写真やフィルムを滅失してしまっているのが残念だ。
引っ越し回数が多すぎたのだ。
丸田祥三氏は「廃道」写真集を出したばかりだが、話題性が高く、かなりの売れ行きみたいで、仕事が次々に来ている感じだ。嬉しい。
廃線、廃墟ブームを根底で支えて、作ってきた人だが、その地道な活動が好きで、
メジャーにさえなってきたが、このまま地道でもあって欲しいのだ。
近々には重松清との対談の本も出版される。
若い人や女性が廃道などを好きになってきたのは嬉しいことだと思うが、
趣味的には至極マイナーだというなんだか二律背反の世界だな。


さて、その「東京人」でも印象的な写真を見せてくれている京成関屋の
廃線を見てきた。
実は以前から知ってはいたのだが、行ったことがなかった。
京成関屋と東武牛田駅が非常に近くて乗換駅なのに駅名が違うということで有名なのだが、
それも体感しておきたいと思いつつ、まだ行っていなかった。
曳船、京島、立石、千住、町屋には行くのだが、ちょうど、その真ん中にある関屋では
降りたことが無い。
降りてみれば、ああ、正しく下町な良い感じの町だ。






噂通り、京成関屋駅と東武牛田駅は並んでいる。
小田急豪徳寺駅と東急世田谷線山下駅が同じ場所で違う駅名なのと同じぐらい近い。
実際、乗降客の多くは乗り換え客だ。
街はとても静かで、最近の下町の様相。




















駅から歩いて数分の場所にその線路はあった。
墨堤通りで途切れているのだが、昔は貨物線だったのだ。



































左側の道は元線路だったそうだ。
右のほうは工場の中が線路だ。















線路は産廃処理工場の中に入り込んでいる。
その工場が昔からあったということではないらしい。
貨物駅が終わって、払い下げられた場所だ。
伊勢崎線の中千住貨物駅は1953年頃まで、千住貨物線は1987年まであったらしいので、
この線路はここに20年以上も残っていることになるのだ。
まして中千住貨物駅は廃止されて50年以上経つのか。
その当時は、この界隈は貨物線や貨物駅がたくさんあり、東武の小型のSLが往ったり来たりしていただろう。
線路をずっと行けば隅田川で、そこで船にも通じていたに違いない。
砂埃っぽい風景とSLの石炭や船のオイルの匂いがぷんぷんしていて、
謎の倉庫や貨物小屋がたくさんあって、そんな建物の中に住んでいる謎の子供が居たに
違いない。
ああ、私の最も好きな原風景があったに違いないのだ。
父ちゃんは埃とオイルにまみれて帰ってくる。
母ちゃんは、夕方から食事の支度だ。
僕はドブ川に渡した板を縦横無尽に駈けて、友達と遊んでいる。
いつからかやってきた謎の子供は、肩にトンビを乗せている。
藩場の子だ。
また工事が終わったら引っ越していくんだろう。
使われなくなった廃船の上に作ったバラックに住む子供もいる。
「川に落ちたら危ないんだから、船に住むお友達のところに行くのはやめてね。」と
母親は言う。(やはり母親は小雪に似てるはずだ。)
隅田川と中千住を結ぶ貨物線は遊び場だ。
入れ替えするおじちゃんだって、みんな知り合いだ。
でも、ぶっきらぼうで仲良くしてくれない機関士もいる。
いつだって怒っているのだ。
いつか大人になったら、とっちめてやりたいなあ。
僕だって大きくなったら国鉄か東武で働くんだ。
たまに連れていってもらう浅草の松屋デパートに行くと、魂が高揚するんだ。
偉くなって、おっちゃんを叱ってやるんだって。
でもきっと本当は良い人なんだろうな。と反省したみたりもする。
危ないから注意してくれるんだ。
いつか機関車から笑って欲しいな。


なんて、想像をしてしまうような関屋の廃線跡であった。







この期に及んで流し撮り。
30000系は大好きなのだ。








浅草行きはなかなか来ないものだ。
りょうもう号はこれから赤城に向かう。








帰りは東武電車、半蔵門線で。
曳船から見るスカイツリー。
東武伊勢崎線は「東武スカイツリーライン」に名称を変えるのだが、それは言いにくいなあ。




SONY NEX-5/E18-55mm/F3.5-5.6 OSS




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コメント (8)
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