日産がどえらい逆転ホームラン級の車を出してきた。
革命と言ってもいいかもしれない。
ハイブリッドに乗り遅れ、EVでは完全に時期を見誤ってしまった日産だが、
新しいシステムを積む日産ノートはe-Powerという夢のシステムを積みながら、
価格は200万円ちょっと。
11月に月間販売台数がノートで初めて1位になったのも納得だ。
なにせ、EVのくせに充電が不要。
ガソリンエンジンは発電だけのために存在している。
小型のノートでそんなシステムを実現したのもすごいし、モーターの圧倒的なパワーと静粛性は
高級車並みと評価されている。
たった40リッターほどのガソリンタンクで1300kmほども走り、それもずっとモーターだけなのだ。
これが革新的でなくなんだろう?
多くの人はそのシステムを知らないでいるだろうが、知ったら他を選ぶ意味は少ない。
そもそもエンジンが好き、サウンドが好き、高度な4WDが欲しい、高度な安全システムが必須、
大きな車が欲しい、 でなければ。
エンジンを回して発電して、モーターを動かすという発想は鉄道界では古くからある。
1957年にデビューしたDF50型ディーゼル機関車は電気式と呼ばれ、
ディーゼルエンジンを回して、モーターを駆動している。
その後、トルクコンバーターの発展があり、DD51のようなディーゼル機関で動くDLが主力になったが、
最近はVVVFインバーターなど電気系の革新があって、DF200は再び発電式モーター車である。
大馬力の場合、トルクコンバーターが持たないとも言われている。
モーターのすごさは、例えばテスラの一般的なEV車がフェラーリやランボルギーニのスーパーカーを
ぶっちぎる動画で見ることができる。
通勤電車があれだけの乗客を乗せて、何食わぬ顔で加速していくのはモーターや電気のすごさだ。
一説ではトヨタが作ったら350万円になるという話。
日産がリーフを作ってきたので、それを流用してるから安いとのこと。
心配するのは、今後、日産が変なデザインの専用車を作らないかどうか。
せっかくのe-Powerは、普通の車に載せて欲しい。
リーフみたいな妙な車には乗りたくない。
スバル車にe-Powerが乗っかればなあ。(スバルはトヨタの資本が入ってしまったからなあ。)
e-Powerはセレナにも積むと日産は言っている。
容量などの手直しがあるだろうが、いずれにせよ魅力的なパッケージになるだろう。
ファミリーカー、ワンボックスカーで走りを追及する人はそうそうは居ない。
燃費が良くて静かな方が良いだろう。
小型でじゃじゃ馬的なエンジン車が好きな人はこれからも残るだろうが、
実際はモーター出力を高めて、激速のEVができたら、実質的な速さが勝つような気がする。
官能的なエンジンよりも、スムーズで圧倒的に安定して速いEVの時代が来てしまうだろう。
ちょっと残念ではあるが。
JR小海線用のキハE200形はハイブリッドと呼ばれているが、やはりシリーズハイブリッドで
ディーゼル機関は発電専用で、動力はモーターだ。
ただし日産ノートと違うのは大きな蓄電池を搭載していること。
鉄道は車体が大きいので、蓄電池は大きなものが積める。
いずれにせよ、鉄道界では非電化区間のディーゼル車はモーター駆動のシリーズハイブリッドを基本に
している点で、車よりもずっと先行しているのだ。
ようやく日産が小型車でシリーズハイブリッドに参入したことは大いに評価されるし、
大ヒットするだろう。
正直に言って、私も欲しいと思う車だ。
しかしCMで訴求できてない日産は相変わらずだなあ。
やっちゃえ日産ではあるが、具体的に説明していかないと、
ふつうの人はまったく知らないままで終わってしまうよ。
トヨタがハイブリッドを売りまくってるのはさすがだと思う。