冷たい空気が流れているが、日差しの中に居るとこの上も無い幸福な感じになる。
しばらく続いた寒い雨は、新しく始まった春のストレスと一緒になって気分を押し付けてきた。
新人店員が一人入った。
高校出てやってきた彼女はそそっかしい。
毎日皿を鳴らして割っている。
少女漫画のようにそのたびに泣いている。
たまに泣きたいのはこっちのほうだというけど、その割りに気にしてない。
涙の数だけ皿が割れる、歌詞のような言葉だと言うとほんとですねーと悪気がなく相槌を打つ。
青空に太陽、行き詰った未来に光が差し込んだように感じた。
いくつになっても春は嬉しい。
和南津まで来た、ブナの若葉前線はきっと明後日には到着する。
雲が流れて、また去年来た人達が訪れた。
蕎麦だけ食べて帰ろうと思ったのに、親父に見つかり天ぷらを売りつけられた。
宿に行くとまた山菜の天ぷらがどっさり出るのだからとニコニコしながらいった。
ここ来て宿はいつもの所、地元のスナックで三曲づつカラオケするのだ。
スナックもいつものところ。
老人五人組越後の春。
お昼は板長がラーメンを作ってた。
野菜たっぷり肉も唐辛子もたっぷり。
同じのを言ったら、辛くていいのと言われ、辛くないのといって普通のタンメンになった。
コゴミを入れた、食堂は季節や材質にこだわるのだと忘れそうのこだわりを口にしながら作った。
コゴミの香り、青臭くて今日は好きじゃないけどやっぱりここの春の味。
フキノトウを煮た。
コゴミとゴマで和える。
フキノトウのソフトクリームにも使う。
お刺身は鯛とソイと南蛮
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