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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 8月15日 指

2013-08-15 19:39:25 | B,日々の恐怖





     日々の恐怖 8月15日 指




 俺の爺様が海軍で衛生兵をやってたときの話です。
あるとき、激しい海戦があって、艦は沈まなかったが、戦友が目の前で弾け飛んだり、甲板にでっかい穴が空いたりで、それはもう酷い有様だったらしい。
 その後、幾日か経ち、掃除やらお清めやらが落ち着いてきたころ、爺様が自分の箪笥の引出しを開けると、誰かの指がごろっとでてきた。
なんでも艦に弾が当たると、その衝撃で引出しががらっと空き、次の瞬間ぱっと閉まる。
その一瞬の間に、バラバラになった体の一部がはいってしまう、ということがよくあるらしい。
 爺様はその指をよく清め、海へ葬った。
ところが、次の日、引出しをあけると、またあの指が入っている。
驚いた爺様は必死になって引出しを掃除し、同じように海へと葬った。
が、次の日も指は入っていた。
 爺様は怖くなってそれ以来、引出しを開けることはできなかった。
爺様はいまでも、引出しを開けたひょうしにその指のことを思い出し、同時に亡くなっていった戦友たちのことを思い出すそうです。















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