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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 8月1日 夜間警備

2014-08-01 20:31:23 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 8月1日 夜間警備



 昔、病院の夜間警備のバイトをしていた時の話。
二人制で、交代しつつ仮眠をとっていた午前2時。
 専用仮眠室は用意されていなかったため、人が居る棟とは別棟の一部屋を使用していた。
その棟の地下には霊安室があり、多少気味悪かったが、もうかなり慣れていた頃に事が起きた。
 仮眠は仮眠であり、それほど深くは寝付けなかったが、私はある夢を見た。
それは、私が階段を這って昇る夢であった。
ずるりずるりと、いうことを聞かない体をくねらせて階段を昇る夢。
私は夢の中でぼんやりと、ここだ、と思う部屋を目指す。
見たことのある部屋。
今、私が仮眠をとっているはずの部屋。
 私はその瞬間に目を覚まし、汗でびっしょりと濡れた額を拭った。
本当に意識のある夢だった。

「 気持ちの悪い夢を見たなぁ・・・。」

と、声にせずに言った。
一時も早く人のいる場所へ戻りたいと願った。
が、その日は妙に疲れていたのか、私は自分でも気がつかないうちにまた眠りについた。


 そして、ドーンという鉄の扉が閉まる音で目が覚めた。
一瞬何が何か分からなかった。
寝転んでいるはずの背中の感触はなく、重力は紛れも無く私の両足に掛かっている。
真っ暗な場所。
灯る二つのおぼろげな光。
 私は霊安室にいた。
先の音は、自分で扉を閉めた音らしい。
目の前のベッドには、ご遺体が一人眠っている。
 どうやら私は、呼ばれたのだ。
私は取り乱して、人のいる棟へと逃げ帰った。 。
後から聞くと、病気で両足を無くした方がその晩に亡くなっていたとのこと。だから、這って私を呼びにきたのだ。










 ☆帰ってきました。また、ぼちぼち始めます。 by おおみね せいふう







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