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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 8月11日 吸殻

2014-08-11 18:48:21 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 8月11日 吸殻


 前いた職場の喫煙所に、40cm四方くらいのでかい灰皿があった。
大きな建物で会社が多く入っており、いろんな利用者が皆そこで吸っていくから吸殻もすぐ溜まって、清掃員が頻繁に掃除していた。
 夜勤の日、深夜3時の休憩のときだった。
一服し終えた後に、同僚が、

「 俺、もう一本吸ってくわ。」

と一人で残った。
 彼はヘビースモーカーなので、それ自体はよくある事だったが、休憩終了間際に泣きそうな顔で戻ってきた。
脇には、さっきは持っていなかった東急ハンズのでかい紙袋を抱えている。
何か物凄い臭いが立ち込めている。

「 タバコ吸ってたらオカンが来て、『身体に悪いから程々にしい』って、これ渡してきた。」

はじめは彼が何を言っているのかよく分からなかったが、紙袋一杯にタバコの吸殻が入っていた。
 吸殻の銘柄はどれも彼の吸っている物と同じで、あまり吸っている人を見かけないパーラメント。
パーラメントの吸殻だけが、その袋一杯に詰まっていた。
同僚はすぐその場で実家に電話を掛けたそうだが、その時お母さんは自宅で寝ていたらしい。











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