大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 8月24日 古い旅館(1)

2015-08-25 16:49:51 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 8月24日 古い旅館(1)


 4年前の12月の話なんですが、田舎に住んでる俺は友人A、Bと3人で東京へ弾丸ドライブ旅行へ行くことになったんです。
 運転約8時間、東京観光に男3人で回ってた訳なんですが、日帰りの予定だったんですが知らない土地なのもあって3人すごく疲れてたんです。
もう夜23時回ってるしどこかに泊まろうと思い、温かいお風呂に入ってぐっすり眠りたいという事でマン喫やカラオケではなく、ちゃんとしたホテルや旅館に泊まりたかったんです。
 しかし、土日なのもあって都内じゃ駐車場料金も高いしホテル代も高いので、たまたま千葉付近にいたので千葉で探そうという事になりました。
 晩ご飯食べたのもあって、深夜1時は回ってたと思います。
○○旅館という看板を見つけました。

A「 お!
  ここええやん!
  やっと寝れるわ~。」

という事で行き掛けたのですが、行先の道は真っ暗で明かりなし。

B「 ここホンマに営業してんの?
  なんか向こう真っ暗やん。
  潰れてんちゃうん?」
俺「 ま、とりあえず、行ってみようや。」

という事で看板の指示している方向へ向かう事にしました。
 街灯一つなく、車のライトがなければまったく見えないくらい真っ暗な道に入りました。
両側に木が茂った感じの道が1kmはあったような気がします。
 すごい不気味だったんですが、やめとこうという気持ちよりも、疲れてたので早く寝たかった気持ちの方が大きかったんです。
 なんか薄暗い電球切れかけの看板が見えました。
玄関には小さい電気がぽつり。
 やっと着いたとホッとした俺らは、駐車場を探したのですが駐車場がなかったので、旅館の裏に少し空き地みたいなところがあったので、そこに駐車する事にしました。

B「 めっちゃ暗いやん。」
俺「 勝手にここ車とめていいんかな?」
A「 とりあえず、中はいって聞いてみよ。」

という事で旅館の中へ入って行きました。
 旅館の中は真っ暗。
すごく気味が悪かったです。
販売機の光でロビーを照らしている感じ。
 夜中なのもあって受付時間が終了しているんだなと思い、スタッフを説得して泊めて頂こうと思って、

「 すみませーん!」

と声をかけたんですが、誰も来る気配はありません。
 なんどか声をかけたあと、背筋が凍る程変な光景を目にしました。
真っ暗なカウンターを見ると、何者かが振り向いたのです。
 人間が歩きながら振り向くように上下にゆれず、ロボットのように一定の立ち位置で、

“ うぃーん。”

というような感じで振り向いたんです。
 よく見ると、背が低めの腰の曲がったおじさんがいて、低く暗い声で真顔で、

「 何か?」

と言いました。
すごい不気味で3人びびりすぎて硬直しました。

A「 い・・、一泊いくらですか?
  3人同じ部屋でいいです。
  車、裏に泊めたんですが大丈夫ですか?」
おじさん「 ・・・。」
A「 今日泊まりたいんですけど!
  素泊まりで良いので部屋空いてますか?」
おじさん「 3000円。」

あまりもの安さにビックリしながらも、おじさんに部屋の鍵を渡されました。










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