大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月12日 顔(1)

2017-01-12 19:33:41 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月12日 顔(1)




 友人のAとBから聞いた話をしたいと思います。
Aが大学に進学し、アパートで一人暮らしを始めて2年目の頃の話です。
 近々雪も降りそうな初冬の深夜、Aは部屋に電気をつけたままコンビニへ行った。
新刊雑誌を立読みし、飲み物を買って部屋に帰った途端、携帯電話が鳴り出した。
 時計を見ると、午前2時半頃だった。
誰かと思い着信を見ると、友人のBだった。
 Bは、Aと高校で同じクラスで、お互いに本を貸し借りする仲だったが、進学先がAの学校から遠く離れた専門学校だったこともあり、疎遠になっていた。
 Aは戸惑った。

“ しかし、何故こんな時間に、久々に電話をかけてきたのか・・・?”

とにかく、久しぶりのBとの会話ということで、Aは電話に出た。

「 もしもし、Bか?なんでこんな時間に?」
「 Aか、お前今どこだ!
まだコンビニか!?」

いきなり、切迫した声でBが聞いてきた。

「 え、いきなり何だよ、コンビニって?
ひょっとして、お前このへんにいるの?」
「 まだ外か?
部屋に戻ってないのか?
だったら、絶対戻るな!」

Aは唐突なBの命令に驚いた。
 しかし、すでに部屋に戻っているのでそれもできない。

「 いや、今もう部屋にいるけど・・・。
何、どうしたの?」
「 もう部屋にいるのか・・・。
頼む、俺の言うこと信じて部屋から出てくれ!」

Aが戸惑っていると、Bがさらに奇妙なことを言ってきた。

「 お前の部屋の奥に本棚あるだろ。
何か変わってないか?
本が2冊落ちてないか?」

Bの言うとおり目を向けると、確かに2冊の本が本棚の近くに落ちている。












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