日々の恐怖 1月6日 別荘地(4)
俺は帰った早々、台所にいた母親に、
「 警察を呼んで!」
と大声で言った。
親父が、
「 どうした、どうした?」
と慌てて聞いてきた。
俺が見たことを話すと、母親は、
「 怖いから警察呼びましょう!」
と言ったが、親父は、
「 警察は呼ばない!」
と頑なに言い張った。
母と二人で、
“ 評判を落としたくないと言う、いつもの頑固が出た。”
と呆れたが、とりあえず親父が言い出したら聞かないので、警察は呼ばなかった。
その後、夕食を食べながら、
「 泥棒だったら、どうするんだ?」
って話になったが、父は、
「 あれは泥棒じゃないから、変な噂を立てない方がいい。」
と強く言っていた。
どうやら父は、それを知っているらしかったが、何なのかを具体的に聞くと、
「 わからん。」
と言うだけだった。
臆病な母親は、
「 幽霊かもしれない・・・・。」
と怯えて言っていたが、俺も内心それしか頭に浮かばなかったが、口には出さずにおいた。
後に親父からは、
「 相手しなければ、害は無い。
無視しろ。」
と言われた。
俺には、
“ 相手したら、どうなるんだよ・・・?”
と言う疑問が残りはしたが、
“ 深入りしたら危険かも・・・。
まあ、害が無けりゃ、いいか・・・。”
と言う訳で、放置状態で今に至っている。
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