日々の恐怖 1月7日 遠い記憶
少し前にあった出来事です。
私は31に先月なったばかりのおっさんなのですが、稀に変な夢をみます。
それが、夢なのか遠い記憶なのか定かではありませんが、因果関係はわかりません。
小学生だった時の夢をみました。
それは、私が想いを寄せていた人の隣の席で給食を食べている夢でした。
とても笑顔が素敵で声も覚えていて、ずっと席替えしたくなかった当時の記憶を思い出しました。
“ あれから、数十年経って今はもう結婚しているんだろうなぁ、可愛かったし・・・。”
などと思い返しながら、何故あの時の夢をみたのかはわかりませんでした。
私の夢の中で彼女が何かを呟いている感じはしたのですが、何を言っているのかはその時はわかりませんでした。
その翌日くらいから、私は酷い喘息と肺炎に見舞われました。
病院2件をハシゴして入院、その後処方箋薬を大量に頂き、先生曰く、
「 酸素量も少ないし、死ぬ一歩手前でしたよ。」
などと脅かされ家に帰りました。
多分、その時の仕事が金属を溶解するような仕事で灰や粉塵だらけになるよう現場で、肺の弱い自分にあってなかったんだろうと思いその仕事は辞退しました。
私は未だに自分の弱さもあり独身で、
“ この年で親に迷惑をかけることが多いなぁ・・・・。”
と反省することばかりです。
その後、なんとか病も治まり実家に行くと、母親が何か少しうつむいた様子で私に話しかけました。
「 あなたの行ってた小学校の○○さんていたでしょ?
先日、肺ガンで無くなったそうよ。
とても苦しかったでしょうね、まだ若かったし・・・。」
私は、
「 えっ、なんで、若いのにガン!?」
と、何度か繰り返し聞きました。
そして、私の脳裏で夢に出てきた時の彼女の言葉を思いました。
それは冷静に思い返してみると、
「 苦しいよ。」
って言っていた気がします。
死に対して同期の友達や知人など失うと、あまり死ぬことに対しての恐怖など薄れて行ってしまいます。
何故、夢で私の所に来てくれたのかはわかりませんが、
“ 最後に会いにに来てくれたんだなぁ・・・。”
と、自分なりに思ってしまいました。
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