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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月31日 枕(1)

2017-01-31 21:54:15 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 1月31日 枕(1)




 ウチの母から最近聞いた話です。
当時、18とかそこらの母はちょっと距離のあるところで就職していた。
百貨店の接客と長時間通勤で精神と肉体の疲労は半端なく、常に肩こりが酷かったらしい。
 熱い風呂とマッサージで誤魔化してたけど、流石に限界がきたらしく整体へ行くことにした。
整体の先生が施術しながら、ここのコリが酷いとか片足に体重かけ過ぎだとかをお説教してきて、すこしうんざりしてたんだけど、

「 枕が合ってない。」

って言われてドキン!とした。
 そんなに裕福じゃなかった母は昔から重ねた本にタオルを巻いて枕代わりにしてたらしく、その頃もまだ即席枕を使うクセが抜けてなかったそうだ。
なんだか見抜かれた気がして恥ずかしかったらしい。
二度は来ないな、と決めた。
 しっかりと施術してもらって身体も楽になった翌日、母はさっそく自分の勤め先の百貨店で枕を買う事にした。
まだその頃は、羽毛とか綿とかソバ殻しかなくってビーズやら低反発やらは置いてなかった。
 母はある程度固くて高さの調節がしやすそうなソバ殻の枕を選んだそうだ。
その日、早速買ったばかりの枕を使ってみたら、自分でも驚くくらい熟睡していた。
 しばらく快眠が続いて、同僚からは、

「 最近、○子さん、がんばってるね。」

みたいなこといわれて、なんとなく話の流れで肩こりとか整体とか新しい枕の事を話した。
 そしたら同僚の人も、

「 私も枕変えてみようかなぁ。」

とかいってその人も同じソバ殻の枕を買ったらしい。
その日を境くらいに同僚の人はものすごい遅刻が増えたそうだ。
 理由を聞くと、

「 熟睡しすぎて起きれない。」

っていわれた。
 かくいう母もこのところ物凄く熟睡してるせいで朝一人で起きれないことが多々あった。
当時はまだ実家暮らしで祖母が起こしてくれてたからいいけど、休日は寝疲れするまで寝ていた。
 肩こりは以前ほど酷くもないし、なにより熟睡できるなら良いかってことで気にもかけてなかった。













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