日々の恐怖 1月9日 赤ん坊(1)
5年ほど前の話です
当時、私はある病院で働いていました
とはいっても看護師ではなく、社会福祉士の資格を持っているので、リハビリ科のほうで、アセスメントやケアプラン作ったり、サービスを受ける手続きをしたり、まあデスクワークっぽいものです。
患者さんたちとも勿論話しますが、多くはお年寄りの入院患者さんがほとんどでした。
私の仕事でも一番大切なのは、監査の準備です。
主任が主にチェックをするのですが、どこの病院もそうであるように、監査の前はたいてい泊まり込みで膨大な資料をチェックして補足します。
監査課の方々が来たときに、すぐにでも望まれたものを見せられるように、またその方たちが見やすいように整理しておくのです。
私も今までの資料を見直したり、事前監査資料というものや、事前評価なるものを監査課から貰うので、それを埋めたりしなければならないのですが、当然それに毎日の仕事もあります。
仕方ないので残ってする羽目になります。
その日も、今までのように居残ってPCの前に座っていました。
リハビリ室には私一人です。
主任は帰ってしまっていました。
私は元々ビビリなので、
“ 大丈夫、ナースステーションには、夜勤の看護師さんたちもいるし・・・。”
と自分に言い聞かせ、必死で仕事をしていました
よくある話ですが、この病院での不思議な体験はしょっちゅうあったのです。
シ~ンとした部屋で仕事をしていると、私のタイピングの音に交じって、微かに、
“ キィ・・・・。”
という音が聞こえました。
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