大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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霧の狐道273

2010-01-02 19:47:37 | E,霧の狐道
 俺は、沙織に言った。

「 これ、コックリさん?」
「 それは、表よ。
 裏に、おまじないが書いてあるでしょ!
 こっちの方が、お守りなの。」
「 俺は、まともなお守りって言ったんだぞ!」
「 だって、キツネのお守りって言ってたじゃん。
 友達にキツネのお守りちょうだいって言ったら、コックリさんの紙の裏
 に書いてくれたのよ。
 すごいでしょ!」
「 どっかの神社に行って買って来いよォ。」
「 だって、お金無いもん。」
「 親に、おやつを買うから、お金ちょうだいって言えば、いくらかくれ
 るだろ。」
「 ダメダメ、もう、来月分も前借りしてるんだもん。
 言っても、くれる訳無いじゃん。
 ホラ、キティちゃんの袋に入れてあげたでしょ。
 ちょっとは、感謝しなさいよ!」
「 これ、効き目はあるのか?」
「 失恋した時に、とっても効くって言ってたわ。」
「 それ、効く分野が違うんじゃないか。」
「 何に効けばいいのよ?」
「 女の子から、逃げるんだよ!」
「 へ~、そうなんだァ。
 貴志、やるじゃん!」
「 貴志と言うな。
 お兄ちゃんと言え。」
「 いいじゃん、貴志。」
「 俺は、兄貴なんだぞ!
 もっと、尊敬しろ!」
「 アハハハハハハ。」





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