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日々の恐怖 3月7日 お祓い(4)

2021-03-07 17:22:37 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 3月7日 お祓い(4)





 すると神主の青年が、サッと待機所から飛び出すと、二人に走り寄った。

「 △△様でしょうか?」

木の揺れる音のため、自然と大きな声だった。
うなずく男。

「 大変申し訳ありませんが、お引取り願いませんでしょうか。
我々ではどう対処も出来ません。」

こちらに背を向けていたため、青年の表情は見えなかったけれど、わりと毅然とした態度に見えた。
 一方老婆と男は、お互いに顔を見合わし、うなずき合うと、青年に会釈し引き上げていった。
その背中に青年が軽く頭を下げて、小走りで戻ってきた。
 いつの間にか木の揺れは収まり、葉が何枚か落ちてきていた。

「 い・・、いまの何だったの・・・!?」

と中年のおじさん。

「 あの木、何であんなに揺れたの?
あの二人のせい・・・・?」

と彼女。
 俺はあまりの出来事に、言葉が出なかった。
興奮する皆を、青年は落ち着いて下さい、とでも言うように手で制した。
 しかし青年自体も興奮しているのは明らかだった。
その手が震えていたからだ。

「 僕も実際見るのは初めてなんですけど、稀に神社に入られるだけで、ああいった事が起きる事があるらしいんです。」
「 どういう事っすか!?」

と俺。

「 いや、あの僕もこういうのは初めてで・・。
昔いた神社でお世話になった先輩の、その先輩からの話なんですけど・・・・。」









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