大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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なんじゃもんじゃ物語204

2007-08-21 18:01:12 | _2-19 港への道
 お頭ブラックが急に歌を止めたので、ベンケーが振り向いて お頭ブラックに聞きました。

「 どうしたでござるか?」
「 いや・・・。」

前を向いたままの お頭ブラックは、徐々にバイクのスピードを落としていきました。
そして、バイクは木や雑草が左右に茂った道の真ん中で止まってしまいました。
 バイクの音や歌声が途切れると、辺りは静かです。
海の波の音が、遠くで小さくしているのが聞こえます。
子分たちは、口々に言いました。

「 あれっ?」
「 どうして、こんな所で止まるんでっか?」
「 折角、調子が出て来たのに・・。」

 海賊たちを乗せたバイクとリヤカーは、月明かりに照らされて停止しています。
ベンケーが、お頭ブラックに聞きました。

「 エンジンの調子が悪いのでござるか?」
「 シッ、静かにしろ!」

 お頭ブラックの声に、子分たちは黙りました。
まだ、お頭ブラックは、道の前方を疑い深く見ています。
そして、振り返って子分たちに言いました。

「 道の向こうに、白っぽい何かが見える・・・。」
「 えっ。」



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