次にシャガールの第2のステンドグラスへ移ろう。大聖堂の一番奥まった場所に移動する。
「モーゼの十戒(出エジプト記)」だ。エジプトからカナンへの旅の途中で、モーゼは神から10の戒めを受け取る。それは①私以外に神はいない②父母を敬え③盗んではならない・・・など10の戒律だった。その十戒を受け取るモーゼの姿が描かれる。
「次はハープを弾くダビデ」。羊飼いのダビデは時のイスラエル王サウルに仕える。彼のハープを聴くと不調続きだった王の心が休まったという。ダビデは成長後イスラエル2代目の王になって行く。
緑の衣服をまとったダビデ。ダビデはミケランジェロの彫刻でも有名だが、あの勇壮なダビデ像とは全く違った姿が描かれている。
「紅海を渡るモーゼ」。モーゼがエジプトからの移動中、紅海を前にしてファラオの軍が追ってきた。危機の中モーゼが祈ると、海が二つに割れてユダヤの民は無事に海を渡りきり、一方エジプト軍は海に飲み込まれてしまった。
ちょっと抽象的な画面で、どこが海なのかわかりにくい感じ。
ただ、右下にモーゼの祈る姿がある。海が割れる前の状況なのかも。
これらはいずれもシャガールが70歳を超えてから制作を開始したもの。老齢とは思えぬ鮮やかな色彩を駆使して華麗なステンドグラスに仕上げている。