「早稲田大学 踊り侍」(東京都)
きみが ぼくを好きならいいのにと思うとき
僕は 愛されたいのではなく
きみを 月のように光らせる 愛になりたかった
その光で月はお昼間 春 穏やかな時間
幸せで いてほしい
ぼくはそこにいなくてもいいと 本当は言えるのに
ぼくはきみの前で 散る花だ
今すぐ 抱きしめてくれないと
何もきみのためにできないまま 消える花束だった
(最果 タヒ)
「早稲田大学 踊り侍」(東京都)
きみが ぼくを好きならいいのにと思うとき
僕は 愛されたいのではなく
きみを 月のように光らせる 愛になりたかった
その光で月はお昼間 春 穏やかな時間
幸せで いてほしい
ぼくはそこにいなくてもいいと 本当は言えるのに
ぼくはきみの前で 散る花だ
今すぐ 抱きしめてくれないと
何もきみのためにできないまま 消える花束だった
(最果 タヒ)
「彪芽天翔」(富山県富山市)
道端のこのスミレが 今日咲くまでに
どれだけの時が 必要だったことだろう
この形この色この香りは 計り知れぬ過去から来た
遠く地平へと続く この道が出来るまでに
どれだけの獣が人々が 通ったことだろう
足元の土に 無数の生と死が埋もれてる
照りつけるこの太陽が いつか冷え切るまでに
目に見えない どんな力が働くのだろう
私たちもまた その力によって生まれてきた
人は限りないものを 知る事は出来ない
だが人は それを生きることが出来る
限りある日々の 彼方を見つめて
未だ来ないものを 人は待ちながら創っていく
誰も君に 未来を贈ることはできない
何故なら 君が未来だから
(谷川 俊太郎)
「夏舞徒」(埼玉県朝霞市)
私たちが今までのように 時々会うのではなくて
願った時には いつでもすぐに出会えたらいいのに
私が悲しい時 心細い時
あなたの存在を もっと強くはっきりと感じられたらと思う
例え私が 一人ぼっちでこの先も生きようと
この手のひらに 包んで握ることの出来る
あなたの 確かな一片がほしい
倒れた時は その一片をつかんで起き上がる
胸が痛む時は そっと胸に押し当てるわ
それが あなたである限り
私には 限りないものの入口だから
(銀色 夏生)
「妃龍」(埼玉県鶴ヶ島市)
「天嵩」(北海道千歳市)
こっつん こっつん
打たれる 土は
よい畠 になって
よい麦 生むよ
朝から 晩まで
踏まれる 土は
よい路に なって
車を 通すよ
打たれぬ 土は
踏まれぬ 土は
要らない 土か
いえいえ それは
名のない 草の
お宿を するよ
(金子 みすず)
「藍なり」(東京都)
「艶星~eboshi」(千葉県千葉市)
「華舞鬼蜂」(岡山県)
誰もが一瞬で ぼくらを忘れていく気がしていた
君が ぼくを好きな間は
ぼくは全ての人に 一瞬で忘れられていく
そんな 冷たくて心地いい川の流れに
足を 浸しているようだった
愛されていると思えたら 心が光をまとう
誰もいらないと 思える
どんなさみしさも 美しく見えて
そうしてきみは ぼくの体温そのものだった
(最果 タヒ)
「よんでんグループ」(高知県)