新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

マインツ① シラー像を筆頭に、街中に彫像があふれるユーモラスな街を歩いた初日

2019-10-19 | ドイツ・マインツ

 今回からはドイツ南部の街マインツの散策を始めよう。

 マインツはライン川とマイン川の合流地点に位置し、交易の拠点として栄えてきた。その繁栄の証しの1つとしてはこんな歴史的事実がある。ドイツ皇帝は7人の選帝候によって選ばれたが、その7人のうちの首席選帝者の地位はマインツ大司教が占めていた。 その繁栄ぶりは「黄金のマインツ」と呼ばれていたことでもうかがえる。

 今は人口約20万人、中都市といったところだが、落ち着いた雰囲気のたたずまいだ。

 そんな街を歩いた。フランクフルトから電車で30分、空港からだと25分という地理上の利点がある。街を歩きだしてすぐに気づいたのは、道路のあちこちに彫像が目立つこと。まずはその像たちに注目してみた。

 シラー通りを歩いていくと、ビールグラスを持った陽気なおじさんに遭遇。

 道化師が路上で踊っている。

 こちらにはドラムをたたくヒゲじいさん。

 と思えば、なぜか東洋風の涅槃像まで。

 中でも、最も目立ったのが、この通りの名前ともなっているシラーの像。フリードリヒ・フォン・シラーはダンテと並び称されるドイツ古典主義の代表者だ。数多くの著書を残しているが、我々にもなじみ深いものある。

 ベートーベン作曲の交響曲「第九」。年末に日本でも各地で歌われる「歓喜の歌」の詞は実はシラーによって作詞されたものだ。

 また、こんな言葉も残っている。「迷い夢見ることをはばかるな。高い志向はしばしば子供じみた遊びの中にあるのだ」。

 「子供じみた」と思えるようなおどけた彫刻群も、実はこうした精神が底辺に漂っているのかもしれない。

 シラー像の近くにあった、雨傘を差す子供の像では、母子の憩う姿があった。

 彫像にも増して目立ったのがこの噴水。というよりもモニュメントといった方がいいような構築物がみつかった。

 ちょっと部分をアップしてみよう。あちこちに沢山の人がいる。この群像は、2月に行われるカーニバルで市民たちが楽しむ風景を表現したものだという。

 子どものアップ。

 とんがり帽子の子らが飛び跳ねている。

 月や星もあちこちに。

 よく見ると、ずらりと丸い顔が勢ぞろい。

 こうして半日歩いただけで、もうこんなにいろいろの像が見つかった。マインツの街と市民が豊かでゆとりのある歴史を積み重ねてきた証なのだろうな、と納得したマインツ初日だった。

 

 

 

コメント (2)
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