階段紀行はまだ続きますが、少し気分を変えたテーマを間に挟みましょう。テーマは「雲」。
旅の途中は日常生活と違って外にいる時間が多くなり、空を見上げる機会も格段に増えます。そこで、旅の中で出会った様々な雲の形を特集しましょう。 まずは朝の雲たち。
海外旅行は必ず飛行機から始まる。何度も飛行機にはお世話になったが、とても印象的だったのがシベリア上空で見た夜明けの雲海。厚く空を覆っていたが、太陽は上空に上っていたので雲を鮮やかにオレンジカラーに染め尽くした。
フランス コート・ダジュールの夜明け時。暗い空が次第に明るくなり始め、厚い雲、薄い雲、それぞれに異なった色(朱、黄、オレンジ)に染め分けられて幻想的なシーンが出現した。
その翌日、同じ海岸を歩いていたら、夜明けの空から海に向けて一直線の赤い帯が落下してきた。
これは一体何?
間もなくこの筋は消えてしまった。飛行機雲なら飛行機が墜落してしまったことになるのだが・・・。
フランス・シャンパーニュ地方の都市ランス。ここの大聖堂は歴代フランス国王の就任式が行われた由緒ある聖堂。ジャンヌ・ダルクがオルレアン解放後シャルル7世を連れて戴冠式を行わせたのもこの場所だ。そんな大聖堂の見える場所にホテルを取り、朝方ホテルの窓から顔を出すと、少し霞の掛かった朝焼けの中で大聖堂の2つの塔がくっきりと浮かび上がるのを見ることが出来た。
フランスとイタリアの国境の街マントン。目の前には地中海が広がる。その中空の1地点に細長く鮮烈な雲が出現した。あまり見たことのない雲。とても新鮮だった。
秋のモンサンミッシェル。対岸での朝、島に行こうと外に出たら、一面に空を埋め尽くして鱗雲が広がっていた。空を覆う雲なのに、なぜかこの雲は空の広さを感じさせる。
同様に、イタリア中部の街マントヴァでも鱗雲に出会った。近くの教会の鋭い尖塔と柔らかく無数にあふれる丸い雲との対比が面白かった。
鱗雲はもちろん日本でもよく見られる。「隅田川の全部の橋を歩く」というテーマの一環で千住方面を歩いていると、千住汐入大橋付近でこの雲が広がっていた。「マンション群と鱗雲」。でも、比較するとヨーロッパの空の色の方が相当に青くて印象的だなあ。