「燦ーSUNー」(東京都)
真っ白な 陶磁器を
眺めては 飽きもせず
かといって 触れもせず
そんな風に 君の周りで
僕の一日が 過ぎて行くあるひ
目の前の 紙くずは
古くさい 手紙だし
自分でも おかしいし
破り捨てて 寝転がれば
僕の一日が 過ぎて行く
ある日 踏切の向こうに君がいて
通りすぎる 汽車を待つ
遮断機が上がり 振り向いた君は
もう 大人の顔をしているだろう
この腕を 差し伸べて
その肩を 抱きしめて
ありふれた 幸せに
落ち込めれば いいのだけれど
今日も 一日が過ぎて行く
(小椋 佳)