リアルト橋近くにゴルドーニ劇場がある。ヴェネツィアを代表する劇作家カルロ・ゴルドーニにちなんで名付けられた劇場だ。ゴルドーニは18世紀に活躍した劇作家。ヴェネツィアの素顔の民衆のたくましく生きる姿を喜劇として描き、その作品は広くイタリア全土で支持された。
劇場の正面を見ると、いろいろ面白いものを発見することが出来る。
まず扉。ブロンズで造られた見事な扉の左の1枚を見ると、いくつかのレリーフが刻まれている。
よく見るとこれはヴェネツィアを代表する3つの祭りを描いたものだ。上部はレデントーレの祭り。教会の前に一本の棒のようなものがあるが、これは祭りの日だけに特別に設けられる仮の橋を表している。
真ん中にはサルーテ教会の祭り。これも人々が仮橋を渡って運河の先にある教会へ進む姿が描写されている。
下部はレガータ・ストリカ。地域の人達が必死に手漕ぎボートで競争しているところだ。
中央の扉右側に一人の紳士が上を見上げている。この人がゴルドーニ。
次にもう少し上の壁面に目を移そう。ヴェネツィアには大きく6つの地区に分かれているが、その6地区をそれぞれ象徴するものが描かれている。左端はスクオーラ・デイ・サンマルコの建物。パオロ教会の横にあり、今は病院として使われている。これはカステッロ地区の運河に面した美しい風景の場所だ。私がほぼ最初にヴェネツィアに滞在したときはB&Bの窓からこの風景が見える部屋で、とても癒された思い出がある。
次の絵は説明の必要もなくヴェネツィアの象徴であるサンマルコ大聖堂。サンマルコ地区の代表だ。
特徴ある3つのアーチを持ったトレアルキ橋。カンナレージョ地区だ。手漕ぎボートの祭典でもあるヴォガロンガは、遠くのトルチェッロ島からの帰りにこの橋をくぐってヴェネツィア本島に入ってくる場所だ。
サンポーロ地区からはサンジョヴァンニ教会が選ばれた。
リアルト地区では、リアルト橋のたもとにあるサンジャコモ教会。
最後に、ドルソドーロ地区を代表するのは、やっぱりサルーテ教会。
このように、劇場の玄関を見るだけでヴェネツィアの基礎知識を学ぶことが出来るというわけだ。
フェニーチェ劇場はガイドブックにも必ず載っていますが、ゴルドーニ劇場のほうは掲載されていないことの方が多いですよね。私も正直言ってこの劇場の中には入ったことがありません。劇の会話が理解できるほどイタリア語が出来るわけではないので、敬遠してしまいます。
このブログが参考になっていれば幸いです。
大慌てだったので、ざっと写真は撮りましたが
よくよく見ると面白いですね〜。
いつも参考になります。ありがとうございます