ザッテレの海岸に出た。ここは大型の観光船も通行するジュデッカ運河。
観光客もゆったりとした歩調で散歩を楽しむ場所だ。
こちらは地元の父子かも。
ルネサンス様式の窓を持つ立派なパラッツォも建ち並ぶ。
通りの中ほどにあるジェズイーティ教会に立ち寄った。ここの目玉はティエポロの描く絵画群。
天井画は、真下から見ても聖母マリアたちはちゃんと立っているように見える超立体画法で描かれ、その劇的な光景の描写も素晴らしい。
それに、聖女たちの何とも言えない神秘性もティエポロの絵の特徴だ。
ザッテレの開放的な通りの中に、全く似つかわしくない名前の付いた場所がある。
「インクラビリの広場」。INCURABILIとはイタリア語で「不治の」つまり治る見込みのない病人のことを意味する。あまりに不似合いな名前にビックリする。
細い通りを中に入ると、
可憐な花も咲く小さな広場になっている。
このような場所になぜ不似合いな名前がついているのだろうか?
須賀敦子のエッセイにその理由を調べた文章があった。
この場所にはかつて病院があった。その病院は当時ヴェネツィアに多く存在した娼婦たちの梅毒患者収容のためのものだったことを知る。その時須賀の心にふと思い浮かぶものがあった。
対岸にはレデントーレ教会の優雅な姿がある。この教会は人類の罪をあがなってくれるキリストに捧げられたもの。
不治の病に侵された病人たちが、毎日必ず目にする対岸の教会に対して、「やがて訪れる救いの確信として」手を合わせて拝み見たのではなかったか・・・。
その病院跡地はいま、アカデミア美術館の付属美術学校になっているという。
レデントーレ教会は、ルネサンス期のヴェネツィア建築界の第1人者アンドレア・パラーディオの設計した傑作だ。ここもペスト撲滅祈願のために建立されたもので、毎年7月第3土曜日にはザッテレ側から仮橋が造られ、夜には花火の打ち上げが行われる。
今日になって気付いたのですが、私のブログの総アクセス数が100万件を突破しました。2008年5月にスタートして、最初は1日数件くらいでしたが、次第に増え始めました。最初の「イタリアの誘惑」は2016年で終了し、翌年から「新イタリアの誘惑」として再スタートしましたが、これを合算すると既に100万3000件になっていました。
全く自己中心的な内容ですが、それを見てくださる皆様のおかげで、ここまで続けることが出来ました。感謝しかありません。今後ともよろしくお願いいたします。
いつも素敵なお写真と、楽しい記事ありがとうございます♫
ふと気が付いて確認してみたら、100万アクセスを突破していました。初めは2~3年も続けばいいかな、との思いで始めたブログなので、こんなに続けられたのは奇跡のようです。
がーこ様は本当に初期からの方なので、いくら感謝しても感謝しきれないほどです。
もう少しは続けていけそうなので、またお付き合いください。