新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

フランス・メッス⑮ シャガールマジックを求めてメッスからサルブールへ

2021-01-12 | フランス・メッス

 メッスで電車に乗り、サルブールへ向かった。サルブールにはシャガールによって製作された最大のステンドグラスがある。

 電車で50分、サルブールは小さな町だ。駅から歩いてフランシスコ会礼拝堂を目指した。

この礼拝堂は12世紀に修道院として建設されたが、度重なる戦禍に遭遇してきた。このため1970年には破壊された修道院の大半はあきらめ。礼拝堂だけを修復することにした。

その際、町は礼拝堂の開口部全体にステンドグラスを施すという大胆な構想を抱き、国を通じてシャガールに制作を依頼した。

こうして完成したのが床面から天井まで高さ12mという大型ステンドグラスだった。

この地は1870年普仏戦争でドイツ領となり、第一次世界大戦ではフランス領に、さらに第二次世界大戦時にドイツに併合されたが、戦後またフランスに戻るといった攻防の地だった。

そこでシャガールは恒久の平和を願うステンドグラスとして、「平和」というタイトルの作品を完成させた。

 礼拝堂への途中、小規模のシャガール美術館があった。そこでまずここに入った。入るとすぐの空間にあったのが大きなタピストリー。これも「平和」のタイトルがついていた。

 右側部分には様々な形で平和をかみしめる人達の姿が、自由奔放に描かれている。

 彼の代表作の1つである「結婚式」のレプリカも飾られていた。

 さらにまるで漫画のようなイラストも。

曲がり角の隅の壁面にも、ちょこん、といった感じで絵が。

 ここには1枚の絵があるが、

 その左側には2つの小さな作品が添えられていて、

 さらに、右側にも2つ。沢山の楽器が合わさって奏でられる音楽のメロディが聞こえてきそうだ。こんな遊び心満点の作品展示が随所に見られて、わくわく。

 シャガールの人間味あふれる一面がこの美術館に展開されているのかも、と納得しながら館内を回った。

 通りに出ると、道路正面には壁全体に絵が描かれた家があるのも見つけた。

なんか楽しい気分にウキウキしながら大ステンドグラスのある礼拝堂へと向かった。

ただ、1つ気が付いたことがあった。肩に架けたバッグがいつもより少しだけ軽いなあ・・・。

 

 

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