新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ベルニーニとローマ② ベルニーニが手掛けたサンピエトロ大聖堂の大広場を、屋上から見下ろす。

2021-02-09 | ベルニーニとローマ

 

ベルニーニとローマへの旅は、まずサンピエトロ大聖堂を目指そう。

 テルミニ駅前バスターミナルから急行バス40番でコンチリアツィオーネ通り脇の終点で下車。もう大聖堂が見える。歩いて大聖堂へ。

 この大聖堂広場はベルニーニデザインだ。広場を取り囲む半円形の回廊は4列になっており、そのドーリス式円柱は合計284本。

 緩やかなカーブが、広場に集まる人たちを包み込むかのように広がる。まるで広大な劇場に入ったかのような興奮を覚える。

 上部には140人の聖人たちの像がずらりと並べられている。

 夕方になると、その聖人たちが夕陽の中で語り合っているようなシルエットの光景にお目にかかることが出来る。

 現在の大聖堂は、ブラマンテによって着工され、ミケランジェロが引き継いで1626年には完成したが、広場の大改修はベルニーニによって1656年に始まり1667年に完成している。

 広場全体を見渡すのには、大聖堂のクーポラに上るのが一番だ。向かって左側の入場口から聖堂に入り、階段かエレベーター(有料)で屋上へ。そこから見下ろす大広場、それに続くローマ市街の眺めは是非とも体験してほしい景観だ。

 その視点の先にはコロッセオの姿も確認することが出来る。

 ベルニーニがローマを造り、ローマがベルニーニを生んだ、といわれるように、両者の切っても切れない深い関係を予感できる貴重な舞台でもある。

 

 

 

 

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ベルニーニとローマ① バロックのローマは誰が造ったのか? ベルニーニとローマの旅を始めよう

2021-02-06 | ベルニーニとローマ

 ローマはバロックの都市といわれる。街のあらゆる場所に絢爛豪華なバロックの建築や彫刻が配され、悠久の歴史を誇る都市を一層輝かしく彩っている。

 そのローマを造ったのは誰か?この問いに対する1つの答えが「ベルニーニはローマのために生まれ、ローマはベルニーニのために造られた」という格言だ。

 ローマバロックを形成する主要なモニュメント、バチカン大聖堂、ナヴォーナ広場、サンタンジェロ城、そして幾多の教会や美術館に配置された彫刻群。それらの多くに関わった天才が、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニだ。

 ベルニーニは1598年ナポリに生まれた。父ビストロ・ベルニーニも彫刻家で、その地を受け継いで幼いころから才能を発揮し出した。

 彼を最初に見出したのはバチカンの枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼ。後にボルゲーゼ美術館に収蔵されることになる「プロセルピナの掠奪」などの作品を、シピオーネ卿の庇護のもとで制作、脚光を浴びることになる。

 次に、ローマ教皇となったウルバヌス八世によってバチカン大聖堂内装飾を依頼される。さらに次のアレクサンドル七世からはサンピエトロ広場の拡張整備、晩年にはサンタンジェロ橋の天使像制作と、次々にローマのバロック化を推進した。

 そんなベルニーニの業績を、ローマを歩きながら今に残る作品を中心にたどってみた。

 

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寺社巡り・東京⑳ 縛られ地蔵からお七地蔵まで。変わったお地蔵様がいろいろ。

2021-02-02 | 寺社巡り・東京

今回は、あちこちのお寺に存在する変わったお地蔵様を紹介しよう。

1 縛られ地蔵(文京区 林泉寺)

 拓殖大学キャンパスのすぐ近くに、縄でがんじがらめに縛られた地蔵様がある。一見すると異様に見えるが、これも願掛けのお地蔵様の姿だ。

 庶民が盗難に遭ったり失くしものをしたときに、この地蔵様に縄をかけてお願いすると、失せ物が見つかったり、盗まれたものが戻ってくるという効能の地蔵様。願いが叶った時には縄をほどいて感謝を表すということになっているらしい。

2 とろけ地蔵(目黒区 大円寺)

 この寺は、明和9年(1772年)の大火の火元になった寺・。江戸三大大火の1つで、1万4千人もの死者が出た大惨事で、時の政権は「明和9(迷惑)」な名前だとして年号を換えたほど。従ってこの寺には死者の霊を弔うために多数の石仏が置かれている。

 それで、この地蔵様も火事で溶けかかった姿をしているのかと思ったが、そうではなかった。漁民が海中から救い上げた地蔵さまで、悩み事をとろけさせてくれるという功徳があるのだという。

3 ハンサム地蔵(目黒区 大円寺)

 同じ大円寺境内で、とてもハンサムな地蔵を発見。どこから見ても非の打ちどころもないような超ハンサム地蔵様だ。

 とろけかかった前者の地蔵様とは対照的な外見だった。

4 ほうろく地蔵(文京区 大円寺)

 寺の名前は同じでも、こちらは文京区の寺。恋人恋しさに放火の罪を犯して死罪となった八百屋お七が祀られている。ほうろくとは素焼きの土鍋のこと。

 火あぶりにされたお七の身代りとなって熱されたほうろくを頭からかぶって、焦熱の苦しみを受けている姿だ。ここにお参りすると、首から上の病気を治す霊験があるという。

5 八百屋お七地蔵(文京区 円乗寺)

 大円寺の近くにあるこの寺には、そのものズバリのお七地蔵が祀られている。この2つの寺は歩いてもすぐの近さだった。

 ここにはほかに八百屋お七の歌舞伎でお七を演じ、大当たりをとった初代岩井半四郎が寄進した供養塔もあった。2つの寺共にお七の実家だった八百屋に近い場所で、いろいろ因縁があったようだ。

 

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