翌朝、目覚めると雨は止んでいた。これなら鉄道も大丈夫だろう。取り急ぎ出発準備を整えて駅に向かう。
ジェノヴァはコロンブスの出身地。駅前にある像に挨拶をして列車に乗り込んだ。
電車は順調。イタリア鉄道には珍しく、ほぼ定時の11時30分ころには国境の駅ヴェンティミリアに到着した。ここでフランス鉄道に乗り換えていよいよフランスに突入だ。
と、駅の列車掲示板を見上げても、ニース行きの電車が全く掲示されていない。
どういうこと?
駅員に尋ねると「今日、フランス鉄道はスト中。ニース行きは14時55分発の1本だけ」とのすげない返事。昨日の自然災害に続いて、今日は人災によるストップとなってしまった。あ~あ。
どうあがいても仕方なく、駅の待合室で3時間も待たされる羽目に。ようやくニースに着いたのは夕陽が沈もうとしているところだった。
ニースに到着。イタリアではほとんど曇りか雨、雪だったのに、ここは夕焼け空がほほ笑んでいる。丸々1日分の予定がつぶれてしまったが、明るい日差しだけが救いだ。
ホテルにチェックインしてから早速街歩きを始めた。海側にあるマセナ広場には大きな観覧車があり、開放的な雰囲気だ。
この日は火曜日。広場の先にあるはずのミゼリコルド礼拝堂は1週間のうち火曜日の午後だけしか開かないという情報を思い出し、礼拝堂に急いだ。
どうにか間に合った。
中央祭壇には聖母像が祀られている。ミゼリコルドとは「慈悲」を意味する言葉。この聖母像は「慈悲の聖母」というタイトルなのだろう。
壁面から天井にかけての壁画も素晴らしく、間に合ってよかった。
外はもう夜。夜空に一際明るく光っているのは時計台だという。
マセナ広場に戻ると、スケート場が出来ていて沢山の人が集まっていた。これからショーが始まるという。
そのショーがこちら。真夏のような格好をした女性たちによるアイスダンス。
結構アップテンポの激しいダンスだった。
少しの間、このところのアクシデントを忘れさせてくれる時間だった。まあ、ちょっとは救いもなくっちゃあねえ。
明日からは順調な旅になりますように・・・。