新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

上野歴史散歩⑰ 照明に照らし出された東照宮は、昼とはまた別の輝きを放っていた

2022-10-11 | 上野歴史散歩

  近年、東照宮のライトアップが行われたので出かけた。

 夕方5時過ぎ、暗くなりかけたころに照明が唐門を照らし始めた。

 早速社殿のある門の内部に入る。

 次第に暗くなってゆく周囲とは反比例して、建物は輝きを増してきた。

 社殿中央部分。贅を尽くした金色の扉がキラキラと照明を跳ね返して心地よい。

 柱や壁面の細工も一層際立って見える。

 ピンと跳ねた屋根の端が、まるで鳳凰の羽根のように見えてきて、建物ごと空に舞い上がるかのような錯覚を覚える瞬間があった。

 空の青がさらに深みを増してきた。

 濃紺の空に包まれて輝く社殿は、まさに徳川家の栄華を伝える貴重な宝として光り続けるのかもしれない。 

 

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上野歴史散歩⑯ 東照宮の社殿。戦争や大震災などにも耐えて400年を生き抜いた「金色殿」

2022-10-07 | 上野歴史散歩

上野東照宮の中に入ろう。ここは有料なので、唐門脇の料金所で支払いを済ませてからの入場になる。

  ここが東照宮の社殿だ。1651年造営で、これもまた金ピカだ。

 社殿正面から振り返ると、唐門の裏側が見える。

  裏側にも様々な動植物模様の細工がなされていて飽きない。

 唐門を裏側正面から見ると、こんな感じ。裏側でもなかなか豪華だ。

 柱の角に付いた獅子の彫刻。にらみを効かせて見はるかす目玉の存在感がすごい。

 社殿中央にはこんな金色の扉。「金色殿」と呼ばれるのも道理だ。

 徳川家の葵の御紋もしっかりと刻まれている。

 角の組細工がなんとも華麗で、日光の陽明門を思い出してしまった。

 内部は非公開で見ることはできなかった。でも、後日たまたま見ていた有吉の散歩番組で映されていたものを拝借。

 扉を開けると「東照宮」の文字が中央に浮かび上がる。

 当代随一の描き手だった狩野派の狩野探幽による障壁画「獅子像」が現れた。

 

 そして家康を中心に左に8代将軍吉宗、右に15代将軍慶喜の廟が並んでいた。勿論ここの部分は家光の時代ではなく、後世に付加されたものだろう。

 この東照宮は、上野の杜が壊滅状態になった上野戦争の時も奇跡的に被害を免れ、関東大震災でも倒れず、第二次世界大戦時の東京大空襲では、弾丸が撃ち込まれたものの爆発しなかったという、まれな経緯を経て今日に至っている。 

 改めてその強運には、徳川家の持つ何かを感じざるをえない気がする。

 

 

 

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上野歴史散歩⑮ 上野の東照宮も、日光に負けない金ピカの門を持っている。

2022-10-04 | 上野歴史散歩

 東照宮。といっても日光だけが東照宮ではない。

 この名称は江戸幕府初代将軍徳川家康を「東照大権現」として祀った場所を称する名称だ。1616年に、まず静岡の久能山に造られ、次に日光が造られた。

 江戸にも浅草寺、増上寺などに造られ、上野東照宮は1651年、3代将軍家光が完成したものだ。 そもそもは1627年に藤堂高虎と天海僧正が、家康の遺言を基に創建したのを、家光が改築した。

 正面入り口には大きな石の門がドンと建つ。明神鳥居と呼ばれる。

 備前藩の御影石を使ったもので。1633年に建てられた。関東大震災にもびくともしなかったとして、当時驚嘆されたという。

 続いて灯篭がずらりと並ぶ。約250基。多くは現在の社殿が建てられた時に全国の大名から奉納された。それだけ時の将軍家光の権勢が偉大だった証拠とも言えそうだ。

 中には銅製のものもあった。これも同様に諸大名からの寄進だ。

 正面にあるのが唐破風造りの唐門。国の重要文化財指定だ。近年修復され金箔が貼り直されて金ピカになった。

 両側面には、上り龍、下り龍の彫刻が施されている。名人左甚五郎作。

 向かって右側のものが上り龍。頭が下を向いているが、「偉大な人ほど頭を垂れる」という習わしからこちらが上り龍だという。

 従って左側が下り龍。

 左右に広がる塀。中の社殿を四角形にぐるりと囲む形に造られ、たくさんの彫り物がなされている。格子の向こう側が透けて見えるため、透塀と呼ばれる。

 その上段には山野の動物たち。

下段には海や川の動物と、分けて彫刻されている。

 

 

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