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ぽかぽか春庭「ル・コルビジェ展 in パナソニック汐留美術館」

2025-02-20 00:00:01 | エッセイ、コラム



20250216
ぽかぽか春庭アート散歩>2025アート散歩(4)ル・コルビジェ展 in パナソニック汐留美術館

 2024年夏、大倉集古館で「ル・コルビュジエ展」を観覧。日本では建築家として高名であっても、抽象画家としてはこれまで取り上げられることはほとんどありませんでした。2019年に国立西洋美術館開館60周年記念「ル・コルビュジエ絵画から建築へ―ピュリスムの時代」展がありました。会期2019年2月19日〜2019年5月19日。私はこの展示を見逃し、西美で再度ル・コルビジェ展が開催されたとき 2022年5月25日に観覧できました。
https://blog.goo.ne.jp/hal-niwa/e/6ef55b776fde677bb023848581fc9006

 2年後、2024年に西美よりももっと大掛かりな展示が大倉集古館で開催されました。私は6月8日に観覧。
 https://blog.goo.ne.jp/hal-niwa/e/b6c41ad767a72d3c1cb23a4f72b28325

 日本にあるル・コルビジェの絵画は、その多くを大成建設が所蔵しており、2024年に大成建設所蔵の大半を大倉集古館で展示したということは、次の大掛かりな展示は数年先、と思って、図録もかいました。ところが、昨年夏の大倉集古館展示からわずか半年後には、パナソニック汐留美術館で大成建設所蔵を中心にした作品群に、ル・コルビジェ財団所蔵品などをプラスした展覧会が開催されました。

 どんだけル・コルビジェ押しなんだよと思いながら、1月25日に観覧。いつもなら平日に行くのに土曜日観覧にしたのは、講演会に申し込みができたからです。メインキュレーターや美術批評家、研究者によるシンポジウムを聞くことができました。

 パナソニック汐留美術館の口上
 建築家ル・コルビュジエ(1887‒1965) は活動の後期において、建築の指揮のもとで絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と言い表しました。そしてそれ以上に、「諸芸術の綜合」とは統 一、調和、普遍的法則の理想主義に導かれた彼の芸術観全体を示すスローガンでもありました。
 ル・コルビュジエは近代建築の巨匠として世界的に知られていますが、視覚芸術の他分野においても革新をもたらしました。本展は1930年代以降に彼が手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーをご覧いただき、さらに彼が求め続けた新しい技術の芸術的利用にもスポットをあてます。そして後期の建築作品も併せて紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超えたル・コルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにします。
 楽観的で歓喜に満ちたこれらの作品は、「住宅は住む機械」という彼のよく知られた言葉に集約される機能主義者のイメージを超えた、あらたな像を結びます。また、レジェ、アルプ、カンディンスキーといった同時代を生きた先駆的な芸術家たちの作品を対峙させることで、当時の芸術潮流における彼の立ち位置も浮かび上がらせます。
 本展はゲスト・キュレイターにドイツ人美術史家ロバート・ヴォイチュツケ氏を迎え、20世紀の革新的頭脳の創造の源泉に迫ります。
 

 パナソニック汐留の展示では、ルコルビジェと影響を与えあっていたレジェやアルプの作品も展示されており、「総合芸術」を目指した作品が展示されていました。大倉集古館には初期作品として具象画も展示されていましたが、パナソニックは第一室から抽象画でした。1930~1965というル・コルビジェの後半生の絵画、同じ大成建設の所蔵品を半年前に見たばかりですから、タペストリー「奇妙な鳥と牡牛」1957とか「牡牛ⅩⅧ」などは「おや、またお目にかかりましたね」っていう感じで見ました。写真を撮っておかないと見たことを忘れてしまうHALですが、さすが半年前に見たばかりですから、覚えていた作品が多い。
 土曜日、けっこう混み混みでしたが、人の少ないところを縫って観覧。半年前には見なかった作品もたくさんあり、申し込みをしたシンポジウムの時間まで、となりの新橋停車場の鉄道博物館を覗いたりする余裕もありました。 

 レア 1931 


 ル・コルビュジエ 牡牛XVI 1958 

 彫刻とその下書き「手」1957

 5時45分開始のシンポジウム。
 R・ヴォイチュツケ(ゲストキュレーター)富永譲(建築家)松浦寿夫(画家批評家の3人が通訳付きで30分ずつ貴重報告。そのあと藤井由里(建築家)をモデレーター(パネルディスカッションなどの発言を順調にいかせるための調整者)として、予定の5時半を超え、会場からの質問が終わったら6時15分になる熱心な発表と討論になりました。

 75婆の頭には難しいお話もありましたが、月末からこのシンポジウムの録画を配信するというので、もう一度見て遅ればせに理解したいと思います。
 なにより、ドイツ人美術史家ロバート・ヴォイチュッケさんが、モデルさんかと思うイケメン。シンポジウムの間、目の保養でした。最近は容姿に言及するとルッキズムと非難されますが、75婆になればイケメン好きも許されると思いまして。

<つづく>
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