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ぽかぽか春庭「毎日芸術賞授賞式 in 椿山荘」

2025-03-01 00:00:01 | エッセイ、コラム

 
20250302
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2025二十五条日記春よこい(1)毎日芸術賞授賞式 in 椿山荘

 2月7日に目白椿山荘へ出かけました。第66回(2024年度)毎日芸術賞の受賞式を観覧。今回の毎日芸術賞授賞式、毎度のことながら、娘の懸賞応募当選のイベントです。娘の懸賞応募マイブームは衰えず続いています。

 ホテル椿山荘は、娘が「ホテルのケーキマイブーム」だったころ利用したことがありますが、娘は近年訪れておらず「20年ぶりくらいかも」。私は永青文庫観覧のおりに、神田川側の椿山荘出入り口冠木門から庭を通り抜けて正面玄関へ、という私の「秘密の散歩コース」を楽しんできました。しかしコロナ以後神田川沿いの出入り口が封鎖されてしまい、通り抜けができなくなってしまいました。よって、私にも久しぶりの椿山荘です。
 椿山荘は明治の元勲山縣有朋の自邸でした。庭も風情あり、結婚式の写真に映えます。

 毎日芸術賞2024年度の受賞者。市村正親(俳優)ミュージカル「スウィーニー・トッド」「モーツァルト!」での演技。奥泉光(作家)小説「虚史のリズム」(集英社)▽慶徳紀子(書家)「『間』慶徳紀子書展」(東京・セイコーハウスホール)▽小島ゆかり(歌人)歌集「はるかなる虹」(短歌研究社)▽渡辺順生(古楽鍵盤楽器奏者)アルバム「フローベルガー&ルイ・クープラン:チェンバロ精華集」、J.S.バッハ:トッカータ全7曲のチェンバロ演奏会(東京・今井館聖書講堂)
特別賞:野沢雅子(声優)テレビアニメ「ドラゴンボールDAIMA」(フジテレビ系)での主人公・孫悟空の声など長年の功績
ユニクロ賞(40歳未満を対象):山中瑶子(映画監督)映画「ナミビアの砂漠」

 古楽器奏者渡辺順生三書家の慶徳紀子さんのお名前は知りませんでしたが、市村正親さんや奥泉光さん小島ゆかりさん野沢雅子さんは、その長年の活躍でお名前に親しんできました。

 山中瑤子さん。『ナミビアの砂漠』は、2024年9月6日に公開された日本映画。第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で、国際映画批評家連盟賞を27歳で受賞しました。本作が本格的な長編第1作。主演は河合優実。河合優実も好きですし、若い女性の活躍、うれしいです。授賞者写真のいちばん右端。

 受賞者のうち市村正親さんは、2月7日は日生劇場の公演中ということで、ビデオ出演。代理でホリプロ社長が出席していました。(受賞者写真の一番左端)
 ホリプロ社長の隣の受賞者が、文学部門の奥泉光ん。『虚史のリズム』(集英社)は、原稿用紙2300枚、本も1000ページ越えの大作。自作を歴史小説であり恋愛小説であり、ミステリーでもある、と紹介し、選考委員の先生たち、読むのにたいへんな思いをさせてしまいました、とスピーチ。
 野沢雅子は、現在88歳。183歳まで声優を続けますとスピーチしました。とても元気いきいきしていて、さすがドラゴンボールの悟空。

 受賞者onステージの野澤さんと山中さん。山中さんのピンヒール!

 山中瑤子さん。自主制作映画「あみこ」で注目され、商業映画第一作でカンヌ出品。国際映画批評家連盟賞を史上最年少の女性として受賞し、一気に監督ストリート上昇です。学生が自主映画を撮るのは五万といますが、商業映画で成功するは野球少年からメジャーリーガーになるのと同じ比率。いやもっと少ないかも。野球は実力があれば甲子園にいくこともありますが、映画はなんせ金が先立つ。 それでも、2024年9月の公開から1か月で興行収入1億円を達成し、受賞スピーチで山中さんは「ずっとアルバイト生活でしたが、ようやく監督として生活できるめどがつきました」と報告していました。スピーチの中で、ユニクロ賞について「ユニクロの新採用初任月給が30万円と聞いてびっくり」という感想を述べていました。
 アマチュア監督時代のアルバイトでは時給千円、一日8時間働いても1週間で4万円。一か月16万程度の収入です。今再放送を見ている「半分青い」の中で、主人公スズメは「無収入の助監督」と結婚して結局離婚するはめになりますが、まあ、だいたいそんなもん。

 受賞スピーチに立った山中さんは、モデルも女優もできそうなすらりとしたスタイルのよい、かわいらしい方で、今どき「美人〇〇」なんていうとすぐにコンプラアウトですが、コンプラ以前なら即座に「美人監督」なんぞと冠がついたところです。コンプライアンス、大事です。フジのさわぎをみても、あまりにもコンプラ時代に合わせなかった企業に口あんぐり。75婆はイケメン好き。女性もきれいな人にはきれい!って思う。衣装は、もしかしてナミビアの砂漠の中の河合優実みたいな、だぶだぶTシャツにホットパンツで登壇したらユニークかな、なんて想像していましたが、ゆったりめの黒パンツに細身の上着で、とてもシックでした。授賞式に合わせて奮発したんだろうな。あ、もしかしたらユニクロ製品?ユニクロからの副賞は、受賞者全員にカシミアセーターでした。たぶん、ユニクロ製品の中で一番高いやつ。


 授賞式なんていうものに参加するのははじめてでしたが、よい経験になりました。

 タカ氏がおいていった毎日新聞2月7日に、山中瑤子のインタビュー記事が出ていました。インタビュアーは柳井康治(映画プロデューサー ファーストリテイリング取締役 創業者柳井正の息子)。
 柳井は、自身がプロデュースしたパーフェクトデイズの撮影期間が16日間であったことと、ナミビアの砂漠撮影期間が15日だったことを比べ、撮影のリズムについて話し合っていました。柳井は、ナミビアの中でユニクロの紙袋が画面に出たこと、主人公カナの最初のカレがユニクロエアリズムベージュを着て登場しことに言及していました。さすが、自社製品には鋭い。私はまったく気づきませんでした。うん、ユニクロ賞をとったこと、たぶん、次の山中作品の資金は心配ないんじゃないかな。オファーはたくさんきているけれど、次は好きなように撮りたいという若い才能に期待します。



<つづく>
コメント (2)
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