春庭Annex カフェらパンセソバージュ~~~~~~~~~春庭の日常茶飯事典

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ぽかぽか春庭bbsコピー>復活へ向けて3.11チルチルさんニュースとあんぱんまん日記

2012-03-13 00:00:01 | エッセイ、コラム
ぽかぽか春庭カフェらパンセソバージュ>bbsコピー(1)復活へ向けて3.11チルチルさんニュースとあんぱんまん日記

 消えてなくなるものはとっておきたくなる「もったいながり」は、自分のbbsのいくつかをコピーしたのに加えて、お節介にも亡くなったプーさんの日記もコピーして、春庭日記に入れておきました。引っ越しとともにgoo春庭日記に残すことができました。

 実は、もうひと方、亡くなった方のOCNカフェ日記のコピーをしておいたのです。プーさんは、パソコンを開くこともない年老いた母堂のほかにお身内もいなかったので、お節介だとしてもする意味があったと感じるのですが、もうひと方は、パソコンに詳しい方だったし、きっと残された奥さんお子さんのためにコピーをとってあるだろうと思いました。それでもコピーを取っておきたかったのは、私自身、ときどきこの日記を読み返したかったからです。

 特定疾患に指定されている遺伝性の難病、「ムコ多糖代謝異常症」の入院治療中にOCNカフェ日記を書き始めたアンパンマンさん。恋人に病気を打ち明けて別れ話をした上で入院したという境遇でしたが、恋人は病気を承知でアンパンマンさんと結婚に至りました。一時よくなって退院した間に、家も建てかわいい子どもの誕生を待って「幸福だ」ということばを残して2008年8月に亡くなりました。そして、残された奥さんは「来年第2子が生まれる」というアンパンマンさんには伝えることができなかった大切な出来事を、カフェ日記に書いて、その後日記は放置されていました。おそらく日記の引っ越しは行われず、カフェ日記は消滅したのだろうと思います。
 お節介にもコピーをしたアンパンマン日記は、春庭の倉庫ページのひとつに格納してあります。
http://blog.goo.ne.jp/dancingsoleil
 記事一覧の中のみだしを見ればわかると思います。

 アンパンマンさんは、病の中で、「生きよう、生き続けよう」という強い意志を示した方でした。ときどき「代筆です」と、手術中のアンパンマンさんに変わって日記に「まだ麻酔からさめていません」などの記録を残してくれた恋人(のちに奥さんIDはメロンパンナさん)も、とても素敵な方のように思われました。
 生まれたお嬢さんの名前は彩良(さら)ちゃん。第2子報告は記録されませんでしたので、無事生まれたのかどうかはわかりませんけれど、母子3人で助け合って暮らしていると信じています。

 3,11は、日本中に祈りが溢れました。1年間安易に使われた「絆」がなんだか安っぽく感じられることもありましたが、やはり、この日ばかりは、心の中に亡くなった方々への祈りをつぶやかずにはいられませんでした。
 息子は、学校事務のバイトが春休みで休業中なので、博物館で学芸員のバイトをしています。通うには不便な場所にある博物館ですが、11日の14時46分には、館内放送が入って黙祷したそうです。

 3月11日は、つらい思い出もまだ生々しいですが、私にとって「復興」「復活」の希望を持てるよいニュースもありました。
 ひとつは、facebookに載ったチルチルさんの映像。2008年の手術後、首から下が動かなくなる結果となり、寝たきりの生活のあと、リハビリを続けてきたチルチルさん。「足の指が動いた」「左手を上にあげることができた」と、「神経の赤ちゃんが育っていく」ことを大切にしてきた成果が出てきました。

 チルチルさんのfacebookには、3月2日に「この文章は、自分でパソコン入力しました。」という書き込みがありました。
 周囲の方々の懸命の介護と、リハビリに励むちるちるさんの大きな努力によって、指先が少しだけでも動かせるようになった、という報告の「自分でパソコン入力しました」という記録。ほんとうにうれしいメッセージでした。

 さらに3月11日のfacebook映像では、なんと「車椅子にペダルをつけた車椅子自転車」をこいで、自分一人で動く姿がUPされたのです。何度も繰り返して再生して、ブラボーを叫びました
 まだ、無理は禁物ですが、ほんとうに少しずつではあっても、「神経の赤ちゃんが生まれてくる」という状態です。

 首から下がまったく動かなくなってしまったあとの絶望から、どれほどの努力が続いたことでしょう。車椅子のペダルを踏む13秒間の映像には、周囲の人の「すごい、すごい」と言う声と拍手も聞こえてきました。私も「すごい、すごい」とコメントを寄せました。
 4年間のリハビリで、ここまで回復したのです。
 チルチルさんの息子さんは、今月入籍なさったというよいニュースもあり、春到来の復活祭を待つ心持ちになります。

 もともとキリスト教の復活祭は、ユダヤ教の過ぎ越しの祭り「パスハ」と、ゲルマン民族の春祭りが習合したものです。春の到来すなわち「春の女神エオストレ(Eostre)」の復活を祝う祭り、英語ではイースター(Easter)、ドイツ語ではオースタン(Ostern)。

 昨年の3.11以来、すっかり意気消沈していた春庭、チルチルさんへ送る葉書プロジェクトによって少しずつ落ち込みから回復してきました。 
 2011年4月からはじめた、青い鳥ちるちるさんあてに毎月10枚、3日に一枚のペースで絵はがきを送る個人的プロジェクト。何度か報告してきましたが、3月末日で、青い鳥絵はがき通信は満1年、120枚になります。
 ベッドでの生活が続くちるちるさんに、少しでも退屈しのぎになればいい、という思いもありましたが、それよりも、ちるちるさんに葉書を受け取っていただくことによって、私自身の命を支えてもらったのです。
 だれかとのつながりがあること、将来に向かって、その絆をしっかりと握っていたいと思うこと、その思いがあって、震災後の虚無感から少しずつ抜け出すことができました。

 見た目は買った葉書のほうがいいけれど、自分で作ったもののほうが愛着があります。雑誌などのグラビア写真や旅行パンフレットの観光写真を切り抜いて、紙を貼り合わせて作る時間、文を書く時間、絵に合った切手を選んで貼る時間、すべての時間が「青い鳥さんのために祈る時間」になると思うからです。
 絵はがき作りは、私にとって、祈りの時間なのです。どんどん作ってどんどん葉書が出来上がるので、もう2021年の分まで10枚セットの葉書が袋に入れて段ボールに詰めてあります。


 今月の葉書10枚ラインナップ。
¥は美術館博物館などで買った葉書。
*は、無料配布の葉書。
@は、自作オリジナル葉書。

@3/05 (イヌフグリの写真) 春を告げる花。イヌフグリの名前について 
¥3/07(ペルーの蝶ヘレナモルフォ<府中郷土の森)ちるちるさん息子さんへのお祝いメッセージ 
@3/10(マグリット作、鳩の形に切り抜かれた青空の絵)車椅子自転車をこぐ姿へのブラボー!
@3/14(鯰絵<印刷博物館パンフレット)震災について
¥3/15(ソーントン:フローラの神殿<印刷博物館)春の女神について

@3/20(牛島憲之:水辺水門<美術館チラシ)荒川水門と青山士について
¥3/21(荒川岩淵関緑地の写真<東京都北区観光絵はがき)赤水門について
*3/25(前田侯爵邸駒場本館<東京都教育庁文化財ウィーク葉書)詩と近代文学館について
*3/28(前田侯爵邸正面<旧近代文学館)東京都の文学館について
@3/30(檜木内川堤の桜並木、旅行ガイド本表紙)この1年&花見

 2011/5/23のbbs、ちるちるさんからの投稿を再録。(この頃は、介護ヘルパーさんや妹さんが、介護の合間に、ちるちるさんの口述を代理で打ってメールを出していました)
☆  ☆  ☆  ☆  ☆
ははは
chiruchiru77
うははは!
ポストマンがやってこないよ(泣)
たのしみにしてるのになぁ~~~~
どうもなければいいけれど、心配した~~~!(笑)

最近の私は、ポストが毎日気になります。
はがきがくるのが楽しみなのです。

先日、千葉や東京の方面で地震があったようですが、大丈夫でしたか?
気になっています。

今日は、寒いです。
毎週月曜日のリハビリに行ってきました。
手も動くようになりました。
以前は動かなかった右手まで動くようになりました!!
奇跡が起きていますよ。

今度はるさんに会える時は、どんな私でしょうね?
楽しみです。

はるさんも、元気出してね~

では、また!
2011-05-23 18:17:03 返信フォームへ 掲示板へ戻る



Re:ははは
haruniwa
 ちるちるさん、ハガキ投函遅れてごめんなさい。20日付けのNo.16は、22日朝にポストに入れたの。21日付けNo17は、23日朝投函しました。

 No.17は届きましたか。No.17は、庭園美術館の外観が貼り付けてあるハガキです。No.16ブルターニュのアンヌ女公の絵が貼り付けてあるはがきとNo.17は、往復葉書の返信用のリサイクルハガキなんです。これは、大学の講師会への出欠確認用はがきと、女子高校時代のクラス会出欠確認用ハガキ、出さないまま引き出しにあったので、それに絵を貼り付けたの。

 5月18日に庭園美術館に行って、「森の芸術」というシリーズの絵はがきを買ったのですが、絵柄が秋の森の光景とアンデルセンの「雪の女王」の絵だったので、秋と冬になってから出すことにして、不要ハガキをリサイクルしてみたの。
 写真を貼るほか、いろいろ手づくりっぽいハガキも試してみたいと思っています。以前観光地に「木のはがき」というのを売っていました。木や布で作ったはがきも規定の切手が貼ってあれば、ちゃんと届くんですって。

 次回No.18は、赤いバラの写真ですよ。これから、駅前のポストに入れます。5月25日に届くように、できるだけ前の日に投函しようと思っているのですが、いつもいろんな忘れ物が多くて、忘れることもあるので、ご容赦ください。

 でも、絶対に一ヶ月10枚のペースでハガキを出すつもりだから、356枚たまるまで、受け取り人ボランティアよろしくね。

 5月23日朝も、千葉東京で地震があり、9階のわが家、揺れました。どうしよう、息子と娘を起こそうかなと心配しているうちに揺れはおさまりました。放射能不安もあり、こういう不安な日々に、九州の青い鳥さんが毎日リハビリがんばっていることを思うと勇気づけられます。右手も動くようになったなんて、すばらしい!!
 指でキーボードうてるようになったの?
 23日の青い鳥日記は、ちるちるさんが自分でキーボードを打ったのかしら。リハビリ、無理せず少しずつすすむといいですね。

 ダイエット、体重はへってきましたか。私もちるちるさんと同じです。親がそうだからしかたない。クスリと「炭水化物と糖分を控える食事」を去年の11月から続けています。娘が食事つくり係なので、すごく気をつかってくれて、夕べは娘と息子はパスタ、私のお皿にはパスタのように細い「こんにゃく麺」なんです。
 地震が続いている最中の不安解消ヤケ食いでちょっとリバウンドしたけれど、去年の11月以前からみると、5kgくらい痩せたので、最近ひさしぶりに私を見た人は「痩せたね」と言ってくれます。

 食事制限は厳しいけれど、出先でのランチではごはんやパンを食べるし、夕食後のデザートもけっこう食べています。ゆうべのデザートは、モンブランプリン。プリンの上に生クリームと栗モンブランがのっているんです。スーパーで「賞味期限は本日限りにつき3割引き」というので買いました。
がんばって食事制限続けましょう。

 次は「おなかが歌うよグーグーグー」の詩ができたら楽しそうね。
ちるちるさんの詩がたくさん掲載されますように。!
2011-05-24 08:45:16 ページのトップへ
☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 「青い鳥」のgooサイトURLです。ハンドルネームも「あおいとり」さんです。
http://blog.goo.ne.jp/aoitori277
 


<つづく>
コメント (11)
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ぽかぽか春庭「あと1万回の晩飯・2005年10月の食生活」

2012-03-12 23:50:00 | エッセイ、コラム
2012/03/12
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>あと1万回の晩飯(3)2005年10月の食生活

 とっておかなければならないほどのことは書いていないのに、消滅するとなると惜しくなる。
 こどものころ、一粒ずつなめて楽しんでいた飴、袋の中にあと一つ二つしか残りがなくなると、急に惜しくなって、最後の一粒なめちゃおうか、残して置こうかと迷ったときのように、失われそうなものは残して置きたくなるという単純な心理なのですが。

 ちゃんとパソコンのしくみを理解している人がやるとOCNカフェ日記のコメント欄や掲示板も、コピーできたらしいのですが、なにせ、わけわからないまま使っているパソコンなので、ささっと機械的にコピーするのはできませんでした。
 ひとつひとつコピーペーストするという原始的な方法で、掲示板に書いたものの一部を写しておきます。3月後半の春庭コラムは、基本、bbs過去ログコピーです。

~~~~~~~~~~~
2005-10-04 23:26:47
haruniwa  
2005年インターナショナル食べ放題日記
・10月1日 池袋駅ちかくのモンゴル料理の店「ノダカ(故郷)」で、羊肉の塩ゆで、モンゴルうどんなどを食べた。素朴な味でおいしかったけれど、一人じゃなくてみんなでワイワイ食べるに適した料理かも。モンゴルのお相撲さん達もひいきの店だそう。店に写真がたくさんはってあった。

・10月2日リニューアル開店のラーメン店、「がちんこラーメン道第3期生優勝者プロデュース」というのがうたい文句でした。息子といっしょに自転車ででかけ、30分も日盛りのなかでまった。
 スープは豚テール系と海産だしのミックス、麺は細麺。おいしかったです。
でもオープン特価百円だから並んで食べたのだけど、680円払ってまで自転車でかけつけて食べるかというと微妙。

・10月3日、池袋駅まで自転車で行く。映画「蝉しぐれ」みて、明治通りを通って帰宅。明治通に「びっくりラーメン180円」という看板を見つけたので、食べてみた。う~ん、180円だから、高校生が学校帰りの空きっ腹に入れるにはちょうどいいのかも。
 家に帰ってから麻婆豆腐、親子丼を作ったのだけど、おなかいっぱいだったので、親子丼は食べず。

・10月4日 今日の夕食:ぶり大根。(ぶりカマおいしかった)マグロとレタスのマリネ。ウインナとキャベツのスープ。シマアジ塩焼き。梨。

 以上、2005年10月の食生活でした。
~~~~~~~~~~~~~~
どうかな
jyubei
果報は寝て待て、良い言葉ですが寝すぎると太りますよ、たまには身体を動かしましょう、人間健康が第一、50代はこれからが恋の季節、頑張りましょう
2005-11-08 18:21:27 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:どうかな
haruniwa
 jyubeiさん、アドバイスありがとう。
 春庭は、毎週ジャズダンスの練習に通って、毎日自転車こいで走り回っていて、寝ていればやってくるはずの果報になかなか巡りあえないのが、悩みの種です。
 そして「太りますよ」というご忠告ありがとう。すでに、体重ウンKgオーバーなので、忠告ちょっと手遅れかも。

 jyubeiさん恋の季節なの?大いに恋してくださいね。応援してます。
 私も、資産100億円以上の殿方限定にて、恋人募集中なので、お友達に該当の方いたら紹介してね。
 あ、現住所、松濤浜田山御殿山に限定。田園調布だとちょいレベル下がるけど、ま、がまんしておく。じゃ。

<おわり>

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あと1万回の晩飯(2)GPR120礼賛2012年3月の食生活

2012-03-10 07:00:00 | エッセイ、コラム
2012/03/10
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>あと1万回の晩飯(2)GPR120礼賛2012年3月の食生活

 わが家のシェフ、娘の献立。基本は一汁二菜、または三菜。
 私は、朝ごはん昼ご飯にパンとかうどんなどをたべたときは、原則夕食にはご飯を食べず、おかずだけ食べます。これだけが、私の節制。おやつにお菓子を食べたときは、私だけデザートをひかえることもあり、まあ、ちっとも痩せないけれど、太らないための努力はこれでもやっているつもり。

 最近のニュースによると。京都大学で脂肪を燃焼させるたんぱく質が発見され、「ダイエット食品」として開発されるのも夢ではないそうだから、このごろ、「うん、将来は食べまくっても太らない」と思うので、安心しています。
 「京都大学大学院薬学研究科・辻本豪三教授らは、腸内などに存在するタンパク質GPR120が脂肪に反応して燃焼を引き起こさせる働きを持つことを世界で初めて確認したという」
 ブラボー!医学の進歩よ永遠なれ!!
 
 以下、☆印は娘調理  ★は息子調理 ○は春庭調理 *は生協配達調理済み品
 チーフシェフは娘。私はジャガ芋皮むき。ごぼうささがきなどの下ごしらえ係。息子はサラダ担当と生協冷凍品をチンする係です。

・3月1日(木)
 ☆トリュフ入りクリームソースのフィットチーネ 
 ☆ポテトとモッツァレラチーズのグラタン(ジャガ芋の皮むきは春庭)
 ★野菜サラダ(レタス、サラダ菜、人参、玉ねぎ、パプリカ、紫キャベツ、トマト)
 *コーンポタージュ(缶詰)
 *プリンミルフィーユクレープ(クレープが層になっていて、中にプリンが入っている)

・3月2日(金)
 ☆チキンと野菜の炒め煮(パプリカ赤・黄、ピーマン、しいたけ、玉ねぎ)
 *揚げ出し豆腐
 *かぶの酢漬け
 *卵スープ(お湯で溶くタイプ)
 (ダンス練習に行く前に、駅前の回転寿司で、鮪、烏賊、鮭、鰯、鰺を1貫ずつ食べてしまったので、ご飯とデザートは節制。ちなみに、5貫食べるにかかった時間は10分ほどで、2皿合計276円です。超やすっ!超早っ!!)

・3月3日(土)
 ☆ちらし寿司(鮪、鮭、海老、イクラ、卵焼き、海苔)
 *茶碗蒸し(生協市販品なれど、具が多い)
 ★タコと胡瓜のサラダ
 *ワッフルワッフル苺(岡山に本社があるソフトワッフル。生協配達の冷凍品を自然解凍)

・3月4日(日)息子がバイト仲間との居酒屋での懇親会となったため、娘と二人で粗食。
 ○ハムチーズサンドイッチ
 *ハッシュドポテト
 ○玉ねぎ、わかめ、キャベツの味噌汁(娘は味噌汁嫌いなので食べず)

・3月5日(月)
 *トンテキ(四日市B級グルメ) 
 ☆蒸しキャペツ(3人で一玉を食べてしまう)
 *山芋の酢漬け
 *スープイン卵豆腐
 *アーモンドモンブラン

・3月6日(火)
 ☆具だくさんラーメン(喜多方ラーメンを茹で、ザーサイ山盛り、豆もやし山盛り、シャーシュー山盛り、茹で卵、海苔)娘、自分で作っておいて、「具が多すぎてラーメンとの比率が悪く、喜多方ラーメンのよさがでなかった」と反省しきり。
 *玉こんにゃく

・3月7日(水)
 ☆ミックスフライ(白身魚、海老パン、カレーコロッケ)
 ○アボガドサラダ(アボガド、ポテト、胡瓜、赤パプリカ、長芋)娘曰く、長芋と胡瓜はないほうがよかった、いつものアボガドサラダと比べて美味しくないから捨てる。息子曰く、アボガドが熟してなくて固かった、美味しくないから残す。母いわく、野菜を食べない子は大きくなれませんよっ、まったくぅ!
 *クラムチャウダー

・3月8日(木)
 ☆ブラウンシュチューハンバーグ(デミグラスソース、パプリカ赤黄、茄子)
 ★グリーンサラダ
 *ほうれん草の卵キッシュ
 *ミルフィーユロールケーキ

・3月10日(金)
 ☆豚シャブ&ゆでレタス(レタス2玉を3人で食べきる)
 ☆焼厚揚げおかか醤油
 *きゅうりとレタスのつけもの 
 ○ジャガ芋とキャベツのトマト煮
 *ティラミス

☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 3月10日、1945年から67年目の東京大空襲の日。3月11日、2011年から1年目の東日本東北大震災の日。
 食べるという基本のことがらが、身に染みて大切に思われる日々です。

 エンゲル係数超高っのわが家、食うために働く毎日ですが、日々なんとか平穏無事に食べていられることが、どれほどの幸福であるか、娘が作ったハンバーグ、息子がチンしたほうれん草キッシュなど、ありがたく食べております。

<つづく>
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あと1万回の晩飯(1)明治34年の食生活・子規『仰臥漫録』の献立

2012-03-09 07:00:00 | エッセイ、コラム
2012/03/09
ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>あと1万回の晩飯(1)明治34年の食生活・子規『仰臥漫録』の献立

 武者小路実篤の「リッパ」な随筆、声に出して読んでいると、体から笑いがこみ上げてくる、不思議なリズムとユーモアがあって、こういうのは、ワカゾーが出そうとしても出てこない文の芸かも。
 ねらって仕上げたのならすごいけど、単なるボケでしょう。天然ボケも立派な芸です。
 昨年、調布市の武者小路実篤邸へ2度行ってみました。記念館には、実篤の絵や写真、書などが展示されていました。「新しき村」で野菜作りなどもしてみた実篤ですが、実篤翁の野菜の絵、絵としてはリッパなのでしょうけれど、あまり食べて見たくなるような、おいしそうな野菜ではありません。ナスとカボチャががならんでいて「仲良きことは美しきかな」とかの言葉がついているところがアリガタソーなのでしょうね。

実篤の野菜の絵「我、野菜を愛す」


 「あと千回の晩飯」を連載し始めたとき、山田風太郎は古稀を過ぎた年頃。6度目の年男になったあたりだったと思う。72歳で、「晩飯を食うのもあと千回ぐらい」と想定し、実際には2001年に79歳で亡くなった。
 私は6度目の年女を迎えたころ、たぶん「あと1万回は晩飯食うぞ」と叫んでいるだろう。食い気だけで生きている女ですから。

 グルメ文学は数々あり、おいしそうな食べ物をおいしそうに記録できる文の芸には敬服します。池波正太郎などの大御所のほか、若い作家の小説を読んでも、例えば小川糸『食堂かたつむり』など、書かれているレシピがとてもうまそう。伊吹有喜『四十九日のレシピ』は、私は原作を読んでおらず、テレビドラマを見ただけなのですが、レシピは小説の重要な要素になっています。
 そのほか、アリス本の中に出てくる食事のレシピ再現とか、村上春樹文学の中のレシピを再現した本、赤毛のアンシリーズに出てくる料理の本など、枚挙にいとまないほど。

 食べたもの記録のうち、近代文学史上もっとも名高いのは、正岡子規のものでしょう。20世紀が幕を開けた1901(明治34)年の9月2日から、子規は『仰臥漫録』に食べたものを記録しています。発表する予定のない私的な覚え書きですが、それだけに病中の心情が赤裸々に描かれています。
 日々、食べた大量のメニューの記録は、生きることへのすさまじい執念と、それを支えた母堂(八重:松山藩の儒者大原観山の長女)と妹、律の献身が浮かび上がってきます。


 子規の病床の食生活、摂取カロリーは研究によれば平均2254カロリーだそうで、当時の日本人の平均的摂取カロリーからみても、一日中病床にある病人のカロリーからみても、こんなに食べなくても、と思うくらいの量です。実際、食べて食べて消化しきれず吐くこともあったと『仰臥漫録』に書かれています。 
 標準的な献立は、
朝-飯または粥三、四椀に佃煮、漬け物、牛乳ココア入り、菓子パン数個。
昼-飯または粥三,四椀、刺身、みそ汁、漬け物、佃煮、果物。
間食1-牛乳、菓子パン、果物。
夕-飯または粥三、四椀、刺身か魚料理、野菜の煮物類、漬け物、佃煮、果物。
~~~~~~~~~~
(1901年) 
・九月二日
 朝 粥四椀 はぜの佃煮 梅干砂糖漬け
 昼 粥四椀 鰹のさしみ一人前 南瓜一皿 佃煮 梨二つ
 二時過 牛乳一合ココア入り 
 夕 奈良茶飯四椀 なまり節 茄子一皿 梨一つ

・九月三日
 朝 ぬく飯二椀 佃煮 梅干 牛乳五勺ココア交 菓子パン数個
 昼 粥三椀  鰹のさしみに蠅の卵あり それがため半分ほどくふ、晩飯のさいに買い置きたるわらさをさしみにつくる うまくなし 食はず
   味噌汁一椀 煎餅三枚 氷レモン一杯
 夕 粥に椀わらさ煮 旨からず 三度豆 芋二、三 寿司少々 糸蒟蒻 すべて旨からず、佃煮にてくふ 梨一つ 
 
・九月四日
朝 雑炊三椀 佃煮 梅干 牛乳一合ココア入り 菓子パン二個、
昼 鯛の刺身 粥三椀杯 みそ汁 佃煮 梨二つ 葡萄酒一杯
間食 芋坂団子を買来らしむ(これに悶着あり)あん付三本焼一本 塩煎餅三枚、麦湯一杯 茶一椀
晩 粥三椀 なまり節 キャベツのひたし物 梨一つ 

・九月五日
朝 粥三椀 佃煮 瓜の漬物
昼 めじのさしみ 粥四椀 焼茄子 梨一つ
間食 梨一つ 紅茶一杯 菓子パン数個
夕 鶏肉 卵二つ 粥三椀余 煮茄子 若和布三杯酢かけ 

・九月六日
朝 粥三椀 佃煮不足 
昼 さしみ(かつを) 粥三、四椀 みそ汁 梨
間食 今日は『週報』募集句検閲の日なれば西瓜を買はしむ 西洋西瓜の上等なり一度に十五きれほどくふ
夕 粥三椀 あかえ キャベツ 冷奴 梨
(略)
・九月二十三日
朝 ぬく飯三わん 佃煮 なら漬 胡桃飴煮 牛乳五合ココア入 小菓数個
午 堅魚のさしみ みそ汁(具は玉葱と芋) 粥三椀 なら漬 佃煮 梨一つ 葡萄四房
間食 牛乳五合(ママ)ココア入 ココア湯 菓子パン小十数個 塩せんべい一,二枚
夕 焼鰮(やきいわし)四尾 粥三わん ふじ豆 佃煮 なら漬 飴二切


~~~~~~~~~~
 死にものぐるいのように食べ続けていた子規ですが、1901年11月からは病勢が進み、病臥の日記を書くこともできなくなる。生涯最後の年、1902(明治36)年になると、食べられなくなっていき、麻痺剤(モルヒネか?)の服用が多くなっていきます。
~~~~~~~~~~~
・三月十一日
 朝、ストーブを焚く 大便 牛乳
 十時朝飯 粥二椀 鯛のさしみ七切ほど 味噌 腐鮓 蕗の薹と梅干 蜜柑三ヶ
 十一時 牛乳ココア入り 煎餅一枚
 午後一時半頃 繃帯取替 三時碧梧桐来る 腰骨痛み俄に激しく麻痺剤を飲む 種山人来る直に去る
 五時頃晩餐 ごもく飯一椀 をだまき さしみの残り 鱈汁 鱈と人参の煮物
 九時頃 牛乳

・三月十二日 
 十一時半 午餐 さしみ(鯛)金山寺味噌 芹とあげ豆腐 ジャガタラ芋 注文せし「をだまき」来たらず
 正午 麻痺剤を服す
 午後二時 牛乳二杯 煎餅三、四 繃帯取代 左へ寝戻りてより背腰殊に痛む うとうとすれど眠られず
 午後四時 をだまき蒸饂飩 さしみ少々 陸(羯南)よりもらひたる豆のもやしなど食ふ 虚子来る ハム、ローフをくれる 談話 牛乳
 十時 麻痺剤を呑む 虚子去る

~~~~~~~~~~
4、5、6月の記載なし。7月の食べたものの記録は、
・七月九日
 いわしこ、豆腐
・七月十四日
 懐中汁粉
と、あるのみで、九月三日の夜会の草花のスケッチを最後に記録は途絶える。九月十八日永眠。享年34歳。
☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 現代医学の最前線から見ると、この献立と寝たきり療養は、むしろ子規の命を短くした懸念があるそうです。「粗食と運動」このほうが、長生きできるみたい。
 粗食ではあるけれど、春庭の大食いぶり、この先収まっていくのやら。とにかく、食うために働きます。

 子規にさんざんけなされながらも、律は看病を全うしました。兄の下も世話をし、体中、膿だらけにになった繃帯を取替え、芋坂の団子を買いに行けと命令する兄に逆らって罵倒され、ひっきりなしの来客をもてなしました。
 ひたすら兄を食わせるための日常をこなした律。

 子規の死後、律は32歳で専門学校に入って裁縫を学び、母子が過ごした根岸の家を裁縫教室として暮らしました。二度不縁となった律は、家名維持のため八重の弟の子忠三郎を養子とし、学費を送り続けました。しかし、養子一家とは一度も同居することなく、晩年は1928(昭和3)年に財団法人子規庵保存会初代理事長となり、子規の文学を残すことに務めました。
正岡律の写真

 忠三郎の子、正岡浩による父母、祖母、叔母の思い出の記
http://www.eonet.ne.jp/~kumonoue/

<つづく>
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ぽかぽか春庭「リッパな読書-あと千回の晩飯再読」

2012-03-08 07:00:00 | エッセイ、コラム
2012/03/08
ぽかぽか春庭ブックスタンド>読んだ本、読みたい本(2)リッパな読書-あと千回の晩飯再読

 今週月曜日、3月5日は啓蟄でした。
 冬至から60日ほどたったころ、雪が雨に変わります。これを暦の二十四節気では「雨水」と呼びます。雨水から17日ほどで、啓蟄。虫たちが土穴から出てくる。
 雨水のころ、川の氷が溶けて水になると獺(カワウソ)は魚を捕まえます。そして捕らえた魚を川岸に並べる習性があります。そのため、古代中国で、雨水の節気の初候には、「獺祭魚(だつ うおを まつる)」という行事が行われたそうです。

 礼記「月令孟春」の条に「東風凍を解き、蟄虫は始めて振く。魚冰に上り、獺魚を祭り、鴻雁来る」と書かれていることを出典として、カワウソが獲った獲物を並べておくにぎやかなさまを「獺祭だっさい」 と呼び、書物を多く紐解き、座右に並べて詩文を作ること、また好書家、考証癖、書癖などを言う言葉にもなりました。

 転じて、書物を整理できず、カワウソが捕った魚を周りに並べておくように散らかしておくようすを「獺祭のようだ」と形容しました。正岡子規は、書物を部屋のそこらじゅうに片っぱしから並べておき、「片付けられない男」でしたので、自ら号を「獺祭屋主人」とし、根岸の子規宅を訪れる友人達は、その盛大な散らかりぶりを見て「獺祭屋主人」の号に納得したといいます。

 こういう立派な先例があると、春庭が本を片付けられず、部屋中に散乱しているようすも、なにやら獺祭屋主人末裔のようで、あながち責めを負うに如かずという気分になってきます。困るのは、図書館で借りてきた本が山の中に埋没し、貸出期限がきても返却できないこと。このごろ、できるだけ図書館では借りずに古本屋百均本を探すようにしているのは、返却できなくなると困るからです。

 図書館借りて読んだ本もツンドク本も、本の山の中に埋没してしまえば、買ったか買わなかったか忘れてしまい、同じ本をブックオフ飯田橋店と白金店と池袋店でそれぞれで買い込んでしまう始末。

 しかるに、一度読んだ本もすぐ忘れるぽかぽか頭の春庭だからして、3回読んでも毎度新鮮に楽しめるので損はない。
 たとえば、山田風太郎の『あと千回の晩飯』。新聞連載時に楽しみに読んでいたのだけれど、1995年の連載から17年もたっていれば、ほとんど忘れていたゆえに、もう一度たっぷり楽しんだ。
 


 「生きすぎて」と題された中に武者小路実篤89歳のときの随筆が引用されている。17年前も大笑いしたはずの文章、電車の中で、人目をはばかりつつ笑った。

 「--(実篤翁89歳の文章)人間にはいろいろな人がいる。その内には実にいい人がいる。立派に生きたひと、立派に生きられない人もいた。しかし人間には立派に生きた人もいるが、なかなか生きられない人もいた。人間は皆、立派に生きられるだけ生きたいものと思う。この世には立派に生きた人、立派に生きられなかった人がいる。皆立派に生きてもらいたい。皆立派に生きて、この世に立派に生きられる人は、立派に生きられるだけ生きてもらいたく思う。皆人間らしく立派に生きてもらいたい。--(風太郎翁72歳の感想)1回転ごとに針がもとにもどるレコードのようなもので、果てしがない。こういう状態で、武者小路実篤は九十歳で死んだ。」

 小説の神様が志賀直哉なら、ムシャ翁だって文章の天神様くらいの扱いはされていただろうから、こういう文章を渡されても編集者は「推敲せよ」の一言もなく「玉稿」押し頂き、ありがたがって紙面を飾ったのだろうと思うと、おかしくておかしくて。
 はい、私もリッパに生きられるだけ生きてみようと思います。そして90婆になれたなら、同じことを繰り返しくり返し呟きながら、日がな昔ばなしでもしようと思う。「あたしゃねぇ、リッパに生きたいと思って、がんばって立派な本も読んで、リッパに論文も書いたのよぅ。それでリッパに生きられるだけ生きたいから、立派な本も読んで、、、、、、」
 まあ、ぐうたら生きるのもキッパリ逝くのも芸のうち。

 2012年1月2月に読んだ本のタイトルだけメモしておきます。
 読んだ順番は、順不同にて。
@は図書館本 ¥は定価で買った本 ・は、ほとんどBookoffの100円本、定価の半額本。
☆☆☆☆☆これを読まずに死ぬのは惜しい!あなたも絶対読むべきだ 
☆☆☆☆いい本です。あなたの趣味がどうあれ、お勧め  
☆☆☆私は読んでよかったけど、あなたの趣味は知らんので。 
☆☆お暇なときのお供にどうぞ 
☆他に読む本ないとき、読んで損はない 
無☆読まなくとも人生、大過なく生きてける

日本語、日本文化関連
@佐藤智子『アート・イン・ディテール』ゆまに書房 ☆☆☆☆
@星野勉編『外から見た日本文化』法政大学出版局 ☆☆☆
@馬淵章子『ジャポニスム』ビリュッケ ☆☆☆
・中村重樹『日本の伝統文様』エムディエヌコーポレーション ☆☆

小説
・杉本章子『東京新大橋雨中図』文春文庫 ☆☆☆☆
・上橋菜穂子『精霊の守り人』新潮文庫 ☆☆☆
・村上春樹『東京奇譚集』☆☆☆

エッセイその他
・山田風太郎『あと千回の晩飯』☆☆☆☆
・幸田文『季節のかたみ』新潮文庫☆☆☆
・米原万里『魔女の1ダース』新潮文庫☆☆☆
・ドナルドキーン『日本語の美』中公文庫☆☆☆
・小林紀晴『アジアの少年』幻冬舎文庫☆☆☆
・村上春樹『雨天炎天』新潮文庫☆☆☆☆
・村上春樹『辺境・近境』新潮文庫☆☆☆☆
・松村映三・村上春樹『辺境近況写真篇』新潮文庫☆☆☆

<1月2月読書メモおわり>
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ぽかぽか春庭「2011年4月の本棚」

2012-03-07 07:00:00 | エッセイ、コラム
マリーローラーサン

2012/03/07
ぽかぽか春庭ブックスタンド>HALの読書メモ(2)2011年4月の本棚

 2011年3月11日に崩れた本棚、天の啓示と思ってずいぶん本を捨てたのだけれど、1年たってみれば、捨てた数以上にも買い込んでいた。相変わらず部屋の中に本散乱。
 昔は文庫一冊買うのに1週間悩み、単行本ともなると、1ヶ月も逡巡したのちに買ったものなのに。100円だからいいやと思って気軽に買うようになったのがいかんのだね。

昨年の本棚状況を、bbsコピペ再録します。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆
ジュンク堂(2011/4/19)
haruniwa
 池袋のジュンク堂で待ち合わせ。ジュンク堂に30分早めに着いて、久しぶりに本のお買い物。地震の片付けをしたら、ツンドク本がいっぱい出てきて、「これを読み終わるまでは古本屋めぐりは封印」と思ったのですが、K子さんが待ち合わせ場所をジュンク堂に指定してきたのですから、これは「大嫌いな片付け事をがんばった自分にごほうび」しなさい、という天の声だと思って、少々購入。
2011-04-19 07:40:19 返信フォームへ 掲示板へ戻る

Re:ジュンク堂
haruniwa
 池袋のジュンク堂読みたかった本のうち、単行本は図書館にリクエストすることにして、文庫と新書のみ買いました。

・井上ひさし『日本語教室』新潮新書 \714 日本語教員養成コースの「現代日本語概論」という授業で参照本として学生に推薦するため。

・色川武大『色川武大・阿佐田哲也エッセイズ2芸能』ちくま文庫 \819 色川武大『なつかしい芸人たち』がとてもよかったので、内容はかぶっているだろうと思ったけれど、買いました。ダダかぶりかと思ったのだけれど、ひとつでも新しいのがあればいいと思って。帰ってから目次を比べたら、かぶりは半分くらいでした。

・ロランバルト『映画論集』ちくま学芸文庫 \924 品薄稀少本コーナーに並べられていたのでつい。絶版になったところで、この手の本はオンデマンドもきくだろうし、焦って買うこともなかったのに。新たなツンドク本になる予感。

・五味文彦『絵巻で読む中世』ちくま学芸文庫 \998 これも品薄希少本コーナーにあったのだけれど、調べてみたら1994年発行ちくま新書のリメイク。これが絶版になったとしても、またリメイクされたであろうから、そう稀少というわけでもなかった。読み終わったら、息子にあげることにしたが、「いらない」と言う。

・網野善彦『日本中世都市の世界』ちくま学芸文庫 \1575 これも息子に渡す用。
2011-04-19 07:40:31 ページのトップへ

本捨て
haruniwa
 本を捨てられない性分。ちょっとでも活字がある紙は、ながめてからでないと、広告チラシひとつ捨てられないし、ましてや本はなかなか捨てられない。

 でも、新しい本を買ったら、置く場所確保のために古本を処分する「震災後ルール」

 去年の漏水事故でも段ボール箱10箱分はすてた。濡れなかった古本も捨てたが、やはり捨ててしまったあと、「しまった、あれは捨てなきゃよかった」というのが出てきた。
 それで、今回は、自分がこのあと引用も参照もしないであろう本、読み返すことはない本は捨てる、というルール。
 そうなると、読み返すことがなく、参照することもない本というのは、ほとんどが夫の本であって、夫の本はほとんど捨てた。
 夫が集めていた森村誠一は捨ててよいと言われたので、団地の「新聞古本」置き場へ。三好徹のうち、私が読むかも知れないと思ったのは『チェ・ゲバラ伝』一冊のみで、あとは団地の本置き場へ。

 むのたけじ『詞集たいまつ』など、夫がとっておきたいかもしれないのは、カートに放り込んで、事務所へ運び、自分でとっておくかどうか判断してくれと言う。

 マンガは、古本屋でで売るにはきれいにしてあることが条件なので、地下鉄駒込駅の「文庫だな」へ運ぶ。マンガは一日で、文庫本も2日たつと、誰かしらがもらっていく。

 今回、本の整理をして、去年やみくもに突っ込んだ本を整理し直した。本というのは、背表紙が見えていないと、あることを忘れてしまう。同じ文庫が2冊、同じ新書が3冊というのがいっぱいあった。つっこんで買ったことを忘れる。それでも読みたいという意識があるので、ブックオフでまた買ってしまう。
だから、できる限り背表紙が見える並べ方にしたのだけれど、全部は並ばない。新書は玄関の押し入れ棚につっこんだので、また3冊同じのを買うのが出るかも知れない。
2011-04-19 19:13:29 ページのトップへ

 
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ぽかぽか春庭「本紹介-DISCO」

2012-03-06 07:00:00 | 読書・本・ログ
2012/03/06
ぽかぽか春庭ブックスタンド>読んだ本、読みたい本(1)DISCO

 読んでよかった本の紹介ページです。
~~~~~~~~~
『DISCO』 
本文80ページ  1000円(税抜価格)
ISBN978-4-9906075-0-0
発行:co-LLaps(コラプス)

 「dis-communication/discommunicationを、一般的な英和辞典を調べても出てこないことが多い。「ディスコミュニケーション」は和製英語だからです。日本では、1988年に出版された植島啓司・伊藤俊治の共著『ディスコミュニケーション』によって一般に認知された語であるが、最初にこの語を使ったのは鶴見俊輔(1922-)だとか。(ここらへんの詳しい分析は和製英語の研究者にまかせるとして)一般には「ディスコミュニケーションは、コミュニケーションの不全や不能状態のことをさし、研究者によっては、反コミュニケーション、矛盾コミュニケーション、ゼロ度のコミュニケーションの意味を含ませる、のだそうです。

 真っ白い中にアルファベットで『DISCO VOL1』と印字されたシンプルな表紙。シンプルな全80ページの、小冊子ともいえる体裁の『DISCO』は、そのページ数からみると、ずしりと濃い内容を含んでいます。

 最初に「生きるためのテクスト」と銘打たれた5人の表現者へのインタビュー。山城むつみ、鈴木雅雄、岩本正恵、北小路隆志、磯部涼。そして杉井ギサブローと山村浩二との対談。この冊子を手にして目次を眺めただけで、ワクワクしてくるような人々が並び、これらの人たちにインタビューをし、編集作業を行ったのが、ひとりの若者であったことを知ると、若者ことばでいうところの「スゴッ!!」という感嘆が洩れます。

 編集担当者は、まえがきに言う。
 『世界をまたいで、通じないかもしれない言葉を、お互いにおずおずと差し出し会うこと。ディスコミュニケーションを成立させる場を準備すること。ささやかな足場を考える中で、誰もが関係し、興味がある共通のテーマとして-当たり前かもしれませんが-日常を「生きる」ことが浮かんできました。、、、、』

 2011年11月に発行された、志の大きなこの本を、「”生きる”ためのテクスト」として、ぜひ手にとってほしい。
 書評子が興味深く読んだ若い執筆者のテクストを紹介しましょう。張予思(ちょうよし)の「南京 東京」です。これは、私が日本語教師であり、1994、2007、2009年と3度にわたって中国の大学で日本語教育に従事した経験を持つことからの興味でもありますが、日本語を学んだ若い中国人学徒の声が、真っ白な表紙のシンプルさと響き合うように率直に表明されていることに気持ちよく読めたのです。日中の歴史問題を若者がどのように受け止め、どのようにこの先へ進んでいこうとしているのか、そのを聞くことができ、うれしく思います。

 編集を担当している「co-LLaps(コラプス)」、発行人宮田文久氏は、出版関係の仕事を続けつつ松岡ゼミに所属する院生です。
 まえがきの「生きるためのテクスト」ラストに編集子は言う。
 『夜をこえ、同じステップさえもふめずに、それでもぎくしゃくと共に踊るためのダンスフロア『DISCO』が始動します。』

 書評子は、毎週2回、ジャズダンスのレッスンに通っています。ダイエットの目的はいっこうに果たされていないけれど、心身の健康には役だっていると信じて、毎週ぎくしゃくと踊っています。さび付いた頭で振り付けが覚えられない。
 『DISCO』の始動に合わせて、さび付いた頭を生き生きとさせるために、同じステップは踏めないかも知れませんが、次回の出版『DISCO VOL2』を楽しみに待っています。

(某電子マガジンに掲載される予定の書評を先行UPしました)
☆   ☆   ☆   ☆   ☆

 踊りならなんでも踊りたがる春庭ですが、超若いころに「ゴーゴー喫茶」ってのにいったことはあるのに、ディスコ全盛時はでかけるヒマもなく、ディスコというところに行ったことがないのです。ジャズダンス仲間、ゆみさんの音頭で「ジュリアナ東京にみんなで乗り込んで、おばさんたちも負けてないとこ、見せてやろうじゃないの」ってことになったときも、疑似母子家庭で息子と娘をふたりだけで夜ほっておくことができずに、ディスコクイーンになり損ねました。

 ダンスのほうのディスコはフランス語のdiscothèque(ディスコテーク、または、ディスコテック)で、その元はマルセイユの方言で「レコード置き場」という意味なんだとか。
 和製英語、ディスコミュニケーション(「dis-communication/discommunication)も、人の交流不全、という意味にダブルミーニングとして、レコード置き場、記録倉庫という意味を含ませれば、この「無名人のブログ書き」も、「ディスコ」で踊るひとつの媒体となるにちがいない。

 踊れ! 

<つづく>
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ぽかぽか春庭「ひなまつりのダンス」

2012-03-03 00:01:30 | エッセイ、コラム
2012/03/03
ぽかぽか春庭十二単日記>もうすぐはるですね(3)ひなまつりのダンス

 gooブログ開設にあたって、自己紹介をどう書いたらいいのかと思いましたが、OCNカフェに2003年から書いてきたなかで、3月3日にUPした過去ログの中から再録して、自己紹介のかわりにしたいと思います。
☆    ☆    ☆    ☆    ☆
2008/03/03(2008年3月3日~6日OCNカフェ日記に掲載したものを
再録)
ぽかぽか春庭やちまた日記>ひなまつりのダンス

 古い上着を脱ぎ捨てて、颯爽と歩きだしたい春、3月。
 なんだか新しい気分と、「♪古い上着よさようなら~」の気分が重なり合う。
 ここで♪のあとの部分、メロディをつけて歌えた人、年がわかりますね、ご同輩。
 っても、私はナツメロ番組でおぼえたんですからね!
 「青い山脈」第一作公開時、生まれてないっ!!あれ?生まれていたかな?4度目のリメーク1988年版の公開あたりで息子が生まれたのは確かなんだが。

 1月 2月、暖房費節約のために、着ぶくれしていましたが、3月が来たなら、もちっと身軽になりたい。
 実際にはまだまだ寒くて、古い上着とて脱ぎ捨てられませんけれど。
 けれど、、、、
 戦後の物のない時代に育ち、「もったいない」が身に染みている私の世代、政治は捨てられるけれど、モノを捨てるのはむずかしい。
 長年使い込めば使い込むほど、新しい物に取り替えることが残念でならない。
 以下、4人の姪に読んでもらうためのmixy日記に書いた文の再編集版です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 姪の家の車、エスティマが壊れた。
 5年の間、どこへ行くにも家族いっしょに運んでくれた車には、愛着が強いだろうと思う。
 私が35年間使い続けたトースターも、昨年の年末に壊れた。

 我が家でもっとも長命を保っていた家電製品、35年間愛用しつづけたオーブントースターであった。
 毎日のように、朝食のパンを焼き、おやつのクッキーを焼き、夕食のグラタンを焼いた。
 35年間壊れずにいたのは、よほど「アタリ」の製品だったと思う。

 商品検査で厳しいチェックを受けて発売される家電であるが、「ハズレ」のときは、「1年間は無料で修理します」の、補償期間がすぎた1ヶ月後に壊れたりする。我が家の「大当たり」のトースター、お金で買った商品ではない。スタンプ交換商品。
 1972年に母が55歳で急死した後、「グリーンスタンプ」というスタンプシールを貼ったノートが十数冊残されていた。
 私はこのスタンプ帳を形見にもらい、トースターに換えてもらった。
 そのとき、特別にトースターが必要だったわけではないが、ちょうどスタンプ帖の冊数と交換可能な品がトースターだったのだ。

 現在、買い物をしても、飛行機に乗っても、ポイントがもらえる。最近はカード式でポイントはデジタル記録になっているが、昔は、店のおばさんがくれる小さなシールをスタンプ帳に張り込む作業をするのが、買い物から帰ったあとの、ささやかな楽しみだった。

 『ビッグコミックスピリッツ』に、1994年4月から1997年3月まで連載されていた一条祐子の作品、漫画『わさび』。毎回楽しみに愛読していた。
 ある回に、「パン屋のスタンプ帖」が出てくる。
 登場人物のひとり、帯刀家住み込みの手伝い、小原ふみは、パン屋のスタンプシールをためていた。食パンを買って1枚、メロンパンとカレーパンを買って2枚、というように集めて、スタンプ帳に貼っていく。
 スタンプを貯めて、マグカップとかケーキ皿とか、パン屋の景品と換えてもらうのが楽しみ。
 ある日、大事なスタンプ帖がダメになってしまう事件が起こった。

 ダメになったスタンプ帖のかわりに、「そのスタンプで取り替えようとしていた商品を補償する」という申し出に対し、ふみは思う。

 「そうじゃない、その商品がどうしても必要だからというわけでスタンプをためていたんじゃないんだ。何か必要な品物があるなら、スタンプをためるなんて悠長なことをせずに、お金を出して買えばいいじゃないの、と思う人は、”「スタンプをためる楽しみ”を知らない人なんだよ』

 私は『わさび』の、ふみのことばで、なぜ、私が母の形見の品の一つにスタンプ帳を選んだのか、わかった。
 スタンプシールを1枚1枚貼り付けていく行為とは、自分のささやかな日常生活をいとおしむこと。
 取り替えられる商品をあれこれ選ぶ楽しみとともに、自分の「平凡だがいとおしい日常」を、張り込んでいくのがスタンプ帖なのだ。
 私が形見にしたかったのは、買い物のあと、母が1枚1枚台紙にシールを貼り付けていた姿であった。

 「グリーンスタンプ帖、20冊たまったら、取り替えたい品があるんだ」と呟いてスタンプ交換のカタログを見ていた母の顔。
 何と交換しようかあれこれ考えていた母は、とても楽しそうだった。家族のために節約しながらも買い物をしてきた母の日常。その日常のひとつひとつの思いが、スタンプ帖に貼り込められていたのだろう。

 春の足音がきこえてくると、「さあて、昨日の買い物の分、スタンプ帖張り終えたら、おひな様、出そうね」と、母が号令をかける。
 戦後の物不足のころに生まれた私や姉の雛人形は、今のような豪勢な段飾りから見たら、寄せ集めの粗末なものだった。妹が祖父母からもらった御殿付きの内裏様と三人官女はそろいのものだったが、あとは、ばらばら。
 私と姉の人形は、胡蝶、高砂、汐汲や藤娘などの舞踊人形だったが、それでも自分の雛はお気に入りで、大事に思っていた。

 娘たちといっしょにひな壇を飾るのは、母の楽しみのひとつだったろう。
 私たちが成長してしまうと、おひな様を並べてはしゃぐこともなくなり、母がひとりで御殿の内裏びなだけ出すことも多くなってきた。
 ひなの顔を見て「おひな様って、さびしそうな顔をしているね」とつぶやいた、母の顔。このときの母の沈んだ顔は、もうすぐ長女を嫁に出す寂しさゆえだったろうか、それとも孫をひとりも見ることなく「女孫のおひな様を選ぶのが楽しみ」と言っていた夢を実現することなく早死にする宿命を、そうとは思わず予感してのことだったのか。

 母は、私が二十歳のときに「雛納むいき遅れし娘の細き面」という俳句をつくった。「次女は嫁にいかない」と決め込んでいた。
 ささやかな日常生活に楽しみを見いだしながら、ちびた鉛筆で、広告チラシの裏に俳句を書き付けていた母の姿。娘3人の成長と、新聞に自作の句が掲載されることが、なによりの母の幸せだった。 

 ひな祭りのもとは、紙のヒナを川に流して、人の世の災いや汚れを流す行事だった。
 何かを捨てたり流したりすることに特別な気持ちがよぎるのも、捨てること祓うことが日常の連続を改めるための行為だから。

 風呂に入って、ついさっきまで自分の体の一部だった垢を流す。古くなった自分は流れていき、新しい皮膚に生まれ変わった自分になる。
 「禊ぎ」とは、この「新しい自分」を儀礼化したものなのだろう。
 古くなり汚れや日常の手あかがついた自分を水に流して、新しい自分として再生する。それが「ひな祭り」の流し雛。
 現代は、紙雛を流すのではなく、華麗なひな人形を飾ることがひな祭りになっているけれど、深層にある願いは同じだ。

 1年間の女の暮らしのあれこれを思い出しながら、雛を飾る。1年間のよどみは白酒の酔いに流し、桃の花の生命力の中に新生する命を思う。
 それが、雛のまつり。

 娘3人のために箱から出して飾る雛のひとつひとつに、母も、1日1日を積み重ねる自分自身の「女の日常」を見ていたのだろう。細々とした日々のくらしを、ひたむきに生きていた母の一生、たったの55年。
 その母の思い出のひとつがグリーンスタンプだった。

 55歳で死んでしまった母の形見のひとつ。スタンプのまま取って置いたのではない。オーブントースターと交換した。トースターは、いわば「母が毎日楽しみにスタンプを貼っていた姿」の記念品だったのだ。
 私にとって、今年の「流し雛」は、トースターを川に流す、、、、って、川にじゃなくて、「不要品回収」のシールを買ってきてトースターに貼り付けて、燃えないゴミの日にだすこと。

いきし娘の部屋の広さや雛納む(春庭)
 長女をヨメに出したあと、母は姉の部屋を見てこんなふうに感じたのかなと思って春庭の詠む
 春庭の長女はどうやら「いきおくれし娘」になりそうだけど、まん丸い顔で、どう脚色しても「細き面」には詠めない。
と、思ったら、若い頃の私の写真もどうみてもまんまる顔でした。

 1972年当時の物価で17000円したナショナル製。トースターとしては、高級品のほうだったと思う。
 35年間、一人暮らしの朝のトーストも、子どもたちのおやつのマドレーヌケーキも、夕食の豚チャーシューも焼いた。

 娘と息子が「母が作る料理のうち、毎回失敗無く食べられるうまいものベストテン」のひとつに選んだのは「オーブントースターで焼く豚のチャーシュー」だった。
 生姜と大蒜を漬け込んだ醤油と酒に豚肉のかたまりを一晩浸してから、オーブントースターで30分焼く。最初10分、あとは5分ずつ、刷毛で漬け汁を塗りながら、少しずつ四面を回して焼く。
 他の料理はうまいときと失敗したときの差があるのに、トースターチャーシューは、いつでもちょうどうまく、中側しっとりに焼き上がった。
 働きつづけた愛着のあるトースター。

 年末に壊れても、捨てられずにいたけれど、1月13日の日曜日、新しいトースターを買ってきて、置くところがないからベランダに出した。
 いずれ、燃えないゴミの日、家電回収日にださなければ。

 作家、川上弘美のエッセイ集に、『ほかに踊りをしらない』という本がある。
 タイトルになっている「ほかに踊りを知らない」というエッセイはこんなお話

 「 長年使っていた電話機がこわれた。愛着のある電話を捨てるとき、電話機のまえで、お別れの踊りを踊って送り出してやった。
 東京音頭。
 ほかに踊りを知らないので。 」

 私はトースターのために何を踊って送り出そうか。
 私は東京音頭も八木節もよさこいソーランも踊れるけれど。
 「瀕死の白鳥」にしようかな。 
 マイヤ・プリセツカヤの、気品ある「瀕死の白鳥」には似てもにつかないが、サンサーンスの曲を流して、腕をゆらゆらと羽ばたかせて踊ろう。
 みずからの命の終わりを輝かせ、静かに息絶える白鳥のプライドを、トースターのために踊って送り出そう。

 え~、コメント書いてくださる方々、本日に限り、ツッコミご無用!
 「オバハンが踊るんじゃ、瀕死の白鳥じゃなくて瀕死のペキンダックでしょう」とか、「瀕死の豚の丸焼きでしょう」とかって感想、無用ですねん。
 せっかく品よくしんみりしてんのに。

 昨日、お天道様が太陽黄経345度を通り過ぎた。
 今年の啓蟄は、2008年3月05日。時刻:13:59 太陽黄経:345度。
 冬の間土にもぐっていた蛇も蛙も虫たちも、啓蟄をすぎれば、だんだんと土の上に顔をだすようになる。
 虫たちも踊り出す?
 はいはい、わかった。壊れたトースターを送り出すとき踊るダンス、「瀕死の白鳥」より、にぎやかに「天道虫のサンバ」がよさそうね。
 それともやっぱり、缶ビール片手に『ビヤ樽ポルカ』がいいかしら。

 え?「子豚のチャールストン」が似合うって?
 ええ、チャールストンも得意ですとも。
 モダンバレエもジャズダンスも、サンバもチャールストンも何でも踊れる、女版パパイヤ鈴木であるよ、私は。

 じゃ、「豚チャーシューのチャールストン」ってとこで。
 「五匹の子豚のチャールストン」のメロディで一曲、踊ります。
 親豚の私と子豚の娘が仲良く料理していると想像してね。
http://www.youtube.com/watch?v=IMDZkZmVfwM&feature=related
♪親豚子豚がいっしょに焼いてるブタチャーシュー 
♪とってもおいしい~んだ、チャールストン 
♪親豚子豚がトースタで焼いてる豚チャーシュー
♪いつもおいしい~んだ、ちゃーるすとん 
♪だって親豚子豚は仲良しで
♪いつもダンスをするのはチャールストン 
♪親豚子豚がトースタで焼いてる豚チャーシュー 
♪とってもおいしいんだチャールストン

 はい、これで方々にご満足いただける「トースターとのお別れダンス」になりましたっ!
 あれ?これじゃ豚の共喰いか?ま、いいや。

 山にも川にも、そよ吹く風にもそよぐ葉にも、人の心をつなぎ止めるものを感じてきた八百神の国。モノに対してだって、人のこころに通い合うものを感じてきた。
 99年使われた道具は「九十九神・付喪神(つくもがみ)」として敬われるようになるのだ、という言い伝えをきいた。
 長年愛用したモノと人とのふれあいを「神」の名にしたのが「つくも神」。

 トースターは35年の寿命だった。99年にはまだまだ足りず、つくも神にはなれない。でも、きっと「千の風」にはなっているだろう。

 もしも、春先の光る風のなかに、かすかにトーストの香ばしいかおりがしてきたら、、、、、、それはきっと、風になったトースターが送ってきたものにちがいない。
~~~~~~~~~~~~~
mixy日記:姪からのコメント(エスティマとのお別れ)
踊ってあげられなかったけどレッカーに積載されながら歌を歌った(´・ω・`)
長年使った物とのお別れは寂しいね。(2008年01月16日 23:49 )
☆    ☆    ☆    ☆    ☆
 以上、3月3日に掲載した過去ログの中で、一番のお気に入りエッセイを自己紹介がわりとさせていただきます。

<もうすぐはるですね-おわり>
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ぽかぽか春庭「水織ゆみリサイタル」

2012-03-02 05:45:46 | 日記
2012/03/02
ぽかぽか春庭十二単日記>もうすぐは~るですねぇ(2)ゆみさんコンサート

 2月26日日曜日の午後、ジャズダンス仲間のひとり、ゆみさんのシャンソンリサイタルを聴きました。
 シャンソン歌手水織ユミの25周年記念リサイタル。王子駅前ホクトピアのさくらホール。2階席はユミさんが主宰するシャンソン教室のお弟子さんたちが詰めているほかは空き席もありましたが、1階の会場は1000人分の席、ぎっしりいっぱいの盛況でした。観客は見事なまでのおばさんおばーさんの群れ。むろん、私も平均年齢を押し上げているひとり。イマドキ若い世代でシャンソンが聞きたいという人は、変わり者の部類に入ってしまうのでしょう。私が若いころに、同世代で「浪花節が好き」とか「義太夫が一番」という人に対して「あんた、古~い!」と言っていたのと同じこと。

 ユミさん、加藤登紀子なども優勝してきたシャンソンコンクールに出場。優勝してプロ歌手に転身してから25周年の記念の年なのだそうです。ジャズダンス仲間は、プロデビューしたばかりのころから、ユミさんのコンサートチケットを買い、シャンソンバーに出演するときはお酒を飲みに行き、応援してきました。
 私はたまにしかユミさんのコンサートに出かけるチャンスがありませんでしたが、今回はミサイルママといっしょにユミさんの歌をたっぷり聞くことができました。

 ユミさん、NHKのパリ祭にはもう20年つづけて出演していて、シャンソン界では知られた存在になっていますが、世間に知られたヒット曲を持ち紅白出場するような、誰でもその名を知っているという歌手ではありません。でも、ほんとうに歌がうまい。作詞訳詞も手がけるユミさん、今回も新しく作詞した歌も混ぜ、2時間半歌い続けました。

 シャンソン定番の「水に流して」とか「ラメール」のようなおなじみの曲も、望郷じょんがらを「シャンソン演歌」として歌うのも、ゆみさんがこれまで歩んできた人生の深みがすばらしい味わいとなって会場に流れました。

 youtubeで聞けるのは、残念ながら一曲だけなので、同じのをUPします。
http://www.youtube.com/watch?v=YKQ-uF-omSM

水織ゆみCD紹介ページ
http://www.kitanet.ne.jp/~mizuori/disc.html

 歌のあいまには、ゆみさんがこれまですごした25年間が、初期のコンサートのようす、昨年東北へボランティアに行ってきたときのようす、イギリスのエディンバラ日本領事館でのコンサートのようすなどもスライド上映され、ゆみさん、歌いながら語りながら、涙していました。私も1984年にゆみさんと同じジャズダンスサークルで練習をはじめてからこれまでのこと、しみじみ思い出されました。

 ゆみさん、これからもすばらしい歌声を届けて下さい。そして、踊り続けてください。私もいっしょに踊っていきます。

<つづく>

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ぽかぽか春庭もうすぐはるですね(1)春一番

2012-03-01 00:06:28 | 日記
2012/03/01
ぽかぽか春庭十二単日記>もうすぐはるですね(1)春一番

 OCNカフェブログから引っ越ししてきた「ぽかぽか春庭」と申します。ウェブ友からは「HALさん」と呼んでもらっています。
 愚痴ぼやき、妬み僻みそねみの日記を書いています。
 2月29日、東京に5cmの積雪。たった5cmでも交通大混乱。まだまだ春の暖かさは遠いですけれど、3月の声を聞けば、気持ちは温かくなってきます。
 まだなじみのないgooで、ちょっと気取って鎧を着ていますが、そのうち暖かくなってくると、すべて脱ぎ捨て本音のボヤキが出てくると思います。
 自己紹介代わりにパロディ「春一番」の替え歌です。

♪勇気がついて皮になった鎧を着てます
♪ぽかぽかHALが恥ずかしげに顔を出します
♪もうすぐ春ですねえ ちょっとブログしてみます
♪風が吹いて暖かさを 運んできました
♪どこかの子が隣のサイトを覗いていきました
♪もうすぐ春ですねえ ブログ読んでみませんか
♪泣いてばかりいたって 幸せはこないから
♪つまらぬサイトですが 読んでみませんか
♪もうすぐ春ですねえ ブログしてみましょうか

 では、新しい春にむかって、どうぞよろしく。

<つづく>

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ぽかぽか春庭>目次2012年3月

2012-03-01 00:05:16 | 日記
2012年3月目次

03/01 ぽかぽか春庭十二単日記>もうすぐはるですね(1)春一番
03/02 もうすぐはるですね(2)ゆみさんコンサート
03/03 もうすぐはるですね(3)ひなまつりのダンス

03/06 ぽかぽか春庭ブックスタンド>読んだ本、読みたい本(1)DISCO
03/08 読んだ本、読みたい本(2)リッパな読書-あと千回の晩飯再読

03/09 ぽかぽか春庭インターナショナル食べ放題>あと1万回の晩飯(1)明治34年の食生活・子規『仰臥漫録』の献立
03/10 あと1万回の晩飯(2)GPR120礼賛2012年3月の食生活
03/12 あと1万回の晩飯(3)2005年10月の食生活

03/13 ぽかぽか春庭カフェらパンセソバージュ>bbsコピー(1)復活へ向けて3.11チルチルさんニュースとあんぱんまん日記
03/14 bbsコピー(2)人魚姫のささげ物
03/16 bbsコピー(3)宝くじ
03/17 bbsコピー(4)昔の映画
03/18 bbsコピー(5)幕末のワケーシュ
03/19 bbsコピー(6)「雲は天才である」の歌
03/20 bbsコピー(7)ゴッホによせて
03/22 bbsコピー(8)男系

03/23 ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>赤い花束車に積んで(1)菫買いましょ野のスミレ・パンセソバージュ
03/24 赤い花束車に積んで(2)青い野菜も市場について・凍み菜、青菜
03/25 赤い花束車に積んで(3)店のさきにも春の唄・漢字も唄う絆
03/26 赤い花束車に積んで(4)空はうららかそよそよ風に

03/27 ぽかぽか春庭十二単日記>布をみる(1)法隆寺展の幡&天寿国繍帳
03/29 布をみる(2)うに染めと螺鈿細工
03/30 布をみる(3)三の丸尚蔵館・正倉院古代裂れ
03/31 布をみる(4)近代美術館工芸館・北村武資の織物
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