KUMIの句日記

写真と一日一句で綴るブログ。句の転載を禁じます。

同い年のお雛様

2020年03月02日 | 俳句
天気 雨のち曇

マンションの階下のお宅へお邪魔した。食べきれないお菓子があったので珈琲と一緒に持参したが、結局は逆に色々と頂く破目になってしまった。
新築の時に一緒に入居して、ご夫婦とも私と同い年なのでよく話はするものの、お宅に上がりこんでゆっくりと話をしたことはない。夫が亡くなったあとで焼香していただいた時に「何でもっと早く教えてくれなかったの!」と叱られたお宅。

とても綺麗に住まわれている家で、その居間の隅に、写真のお雛さまが飾ってあった。可愛い木目込み人形。手芸の得意な奥さんの作られたものだと思ったら、長女である彼女の初節句に親が用意してくれたのだという。戦時中の作品になる。保存がとても良くて、私と同じ年齢を過ごしたものとは思えなかった。
結婚してからも、住居を替わるたびに持ち歩いてきたのだという。
無邪気な顔立ちが戦争中のものとはとても思えず、しばらく見入ってしまった。

戦争を知る最後の時代を共有していると、当時の話に齟齬なく頷き合える。B29の爆音が怖かった、などという話を共有できるのも、ご夫婦が東京出身だからで。一歳上の夫は東京生まれながら福島へ疎開していて、怖い思いはしていないというので私がB29のことを話しても??という顔をしていたのだ。
あの恐ろしかった幼児体験や戦後の飢えを思えば、コロナウィルスなぞ怖くない、という結論に至った。人混みに行かなければ・・という但し書き付で。

雛もまた戦争くぐり抜けきしと  KUMI
コメント (4)
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