2015.4.6(月)雨
やはり農大への進学は造り酒屋を次世代のリーダーを育てるための父親の進言だった。この東京農大の醸造学科が実に少数精鋭で、素晴らしい陣容で、実践的な教育をしていたと小泉さんは語っておられる。私学のマンモス化が問題になっている時期でもあったので、このことは小泉さんにとっても大変ラッキーなことであったようだ。この日の記事のタイトルを「バラ色の農大醸造学科」と書いておられるのもそのことを象徴している。
時代は少し下がるが、わたしも東京農大を受験した。海外で農業がしたくて、農大の拓殖学科というところを受けたのである。農学部は各地にあるが、こういった類いの学科は見つからなかった。現在では国際農業開発学科というのがそれらしい。私学の理系としてはおそらく最も安い学費で、年間6万円は今から考えると信じられないような金額である。合格したがいかなかったのは、明治大農学部の植村さんが日本初のエベレスト登頂に成功したことが影響した。学費は8万円だったがそちらの方が魅力があった。まあ大学を選ぶ動機としては不純なものであった。私ごとを書いて申し訳ないのだが、小泉さんの中学から大学までの、冒険家になりたい、その原点が「秘境ブータン」であること、山本周五郎や江戸川乱歩を読みあさったことなどがわたしも同じだったので驚いている。もっとも井上ひさしはわたしは読まなかった。
小泉さんの最も尊敬し共感できるところは、日本の農業の現状を憂い、食糧自給率を向上させ、国産農産物の消費拡大を図る活動をされていることである。そういう活動の元になっているのが、東農大で学ばれたことなのではないだろうか。つづく
【今日のじょん】いやー桜が満開というのに連日の雨である。どの写真も空が暗い、じょんはなんとも思ってないのだろうか?